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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第99話:骨 2

 六層の中盤から七層の入り口までの間辺りまでやってきた。ここまで来るとデブスケルトンとガリスケルトンの割合が一対一ぐらいになってくる。


 彩花も俺もデブスケルトンと戦ってはみたが、たしかに刃物じゃない分だけ恐怖心は小さく感じることになったが、デブスケルトンのほうが威圧感と重量感があり、そして持ってる武器が当たると痛そうなので無意識にガード多めの戦法になってしまったのも仕方ないところかもしれない。


 それでも三回四回と矛を交えている間に倒すパターンを確立できるようになったのは今日一日の一番の成長だろうな。これならデブスケルトンまでならそれぞれ一対一で戦えるだけの自信が付いたぞ。


「さて、あと二種類いるんだったか。どっちも遠距離タイプのスケルトンだとは聞いているが」


「見た目はガリスケルトンで、法衣をまとっていて雷を撃ってくる魔法タイプと、弓矢を撃ちこんでくるアーチャータイプ。どっちも距離がある所から狙ってくるから、避けながら近づいて倒すしかないらしい。今日はそこまで出会えるかどうかわからないけどな」


 どうやら六層の中でも遠距離型のスケルトンは奥の方にいるらしく、意図的に会いに行かなくてはいけないらしい。


「今日のところはどうする? 行くだけ行ってみて、試しに戦ってそれから帰ることにするか? 」


「そうだな……時間的にそうするのが良さそうだし、三人確実に居る間に戦えるならそのほうがいいしな」


 俺としても、自分のダンジョンで一対一で戦う前に相手の行動パターンとか見ておきたいしな。遠距離型というだけで本来は戦いたくない相手だし、対抗手段を得てから戦いたいところだが、隆介が盾で防いでくれる間に何とか攻撃パターンを見つけて、それを攻略していくのは大事なんじゃないかと考える。後一時間ほど時間があるし、せっかくだから覗いていって、ちょっと戦ってから帰るか、みたいな感じになった。


 夏休み初日の探索としては上々の稼ぎにもなりそうだし、最後にちゃんと戦って帰るのも悪くない。ここで一つ経験をきちんとしておいて、うっかり自分のダンジョンで出会ってしまった時にも対応できるようにしておいたほうがいいだろう。


 そのまま六層の奥の方面へ行き、ガリスケルトンとデブスケルトンの割合が段々デブスケルトンのほうが多くなり始めたところでようやく風貌の違うスケルトンが現れた。法衣をまとい、右手には杖を持っている。こいつが雷スケルトンか。


 雷スケルトンはゆっくりこちらを向いた後、杖を掲げて何かしらのエネルギーを集め始めた。


「先制攻撃するぞ、撃たれて面倒になるよりは先に倒していく方がいい! 」


「了解! 」


「お、おう! 」


 いやな予感がした。全力でダッシュして雷スケルトンに一気に肉薄し、核があるらしきポイントを一発で突く。黒い霧になり散っていく雷スケルトンがきちんと核に当たったことを証明してくれていた。


「ふぅ、間に合ったか」


「なんであんなに急いだの? 」


「雷に打たれるのはいいんだけど、全員まとめて喰らったらマズいかどうかというのを考えに入れてなかった。先に調べれば良かったんだけど、この雷攻撃がいわゆる単体攻撃なのかグループ攻撃なのかを思案してなかった。とりあえず今の分は倒したから調べておかないとな」


 雷攻撃を受けなかったおかげで無事だったかもしれないスマホを使い、雷スケルトンの雷の及ぶ範囲について調べると、パーティーメンバー全員ではなくスケルトンが現在戦闘中だと認識している単体の探索者にだけ及ぶことがわかった。なお、この攻撃でスマホが破損する、といった例は何故かないらしい。


「さすがに全員は受けないわけか。あらかじめ調べておくべきだとは思ったが、ギリギリで思いついてよかったのか、今回については思いつかなくてもよかったとするべきか」


「まあ、これでもし全員ダメージ受けてスマホが壊れてたら、三人そろって借金生活スタートだっただろうな」

「それは困る所だったな。まだ幹也に借金も返してないのに親にまで借金するのはさすがに受験を控えているのにマズイ。これで安心して立ち向かえるってことか」


「そうなるな。後は弓矢スケルトンか。出会えると良いんだけどうまくいくかな」


「出会うだけでもやっておけばよし、必勝法が見つかればなおよし、というところでしょうね」


 再び進みだす。流石に弓矢スケルトンと雷スケルトンが同時に出てくると危ないが、まだ何とかなるだろう。少し進むと再び雷スケルトンが出てきたので、三人それぞれのスピードで近づくと、雷魔法を打たれる前に近づき切って一撃を加えて雷魔法をキャンセルさせる。


 どうやら雷スケルトンは杖を途中で攻撃されるとスキルを撃つのに集中できず、詠唱できないらしい。さっき読んだ解説サイトに載っていたので間違いはないと思う。そして、実際にその通りになったので間違いはないだろう。


「解説サイトも役に立つものね」


「役に立たないサイトはとっくに閉鎖してるさ。情報は武器だということがよくわかったよ」


 雷スケルトンを何匹か倒したところで、弓矢スケルトンが現れた。どうやらゴブリンアーチャーよりは火力があるらしく、飛んでくる矢の早さもゴブリンアーチャーとは比べ物にならない。とは言ってもまだ俺のレベルでもまだ目で追えるレベルではある。多分彩花でも飛んでくる矢を受け止めることぐらいできるだろう。


 流石に隆介に同じことを要求するのは酷なものの、体が覚えているなら射線の間に盾を噛ませて受け止めるぐらいはできるだろうし、その間に肉薄することも不可能じゃないだろう。安心して戦えるとは思う。


 しっかりと弓矢スケルトンの矢を受け止めて足元に捨てて、次の矢が放たれる前に弓矢スケルトンに肉薄して弓の弦を切って、次の矢が撃てないようにする。すると、弦が切れた弓で殴りに来る弓矢スケルトンの雄姿を目にしながら、しっかりと核に向かって山賊刀で核を割り、弓矢スケルトンも倒す。弓矢スケルトンのいいところは防具を一切身につけていないことだな。


 弓さえ何とかしてしまえばあとはどうとでもなる。その分はゴブリンアーチャーと同じだが、弓矢スケルトンのほうが単体で出てくる分だけ楽に戦えると言えばそうだろう。先に見つけたほうが勝ち、という点ではこちらにちょっとだけ分があるし、魔石もそれなりの確率で落としてくれる。


 どうやら六層より先は魔石のドロップ率が向上しているらしい。モンスターがそれなりに強い分だけドロップ率も上がっている、ということだろうか。だとすると、魔石が段々大きくなっていることを含めても、より深いところに潜ったほうが時間あたりの収入もきっちり増やしていくこともできるな。


「さて、そろそろ帰りの時間かな。今からまっすぐ帰って換金して、それで日が落ちるギリギリぐらいには戻れると思う。今日の探索はここらへんまでにしよう。当初の目的である樹液も手に入れたし、スケルトンとの戦闘もできた。目標は達したということで素直に帰るほうが色々とお得だし、俺はともかくとして二人は、夏休みだからって遊びまわってるわけではない、ということを見せる必要もあるだろ? 」


「そうだな、初日ぐらいきちんと過ごしてちゃんと夜更かしせずに帰ってきてる、ということを証明しないといけないからな」


「私の方もそうね。男子二人と夜遅くまで遊んでる、と言われたくはないわ。一応体面というものもあるしね」

「そんなわけだ。今日のところはしっかり稼いだということで真っ直ぐ帰ろう。彩花は俺の家によって着替える時間もあるしな」


 アラームもちょうど鳴ったし、帰りの時間にはちょうどいい。そのまま真っ直ぐ無事に帰って、換金できれば後はよし。誰一人欠けることなく怪我もなく、無事に夏休みの探索第一回目を終わらせられれば今日のところは満点なのではないだろうか。


 そのまま六層から、一層に向けて真っ直ぐ道を戻る。来た時はグネグネとモンスターを探しながら来たが、帰り道は一番短いルートで帰る。帰りはケイブストーカールートではなく、オークルートをたどって帰ることにした。そのほうが結果的に短い距離で進めることになるからだ。……決して、ケイブストーカーのほうが面倒くさいから避けたわけではない。


 帰り道のレッサートレントで樹液を余分に一本手に入れることも出来たので、これで換金に出せる樹液が一本出たことになる。今日の稼ぎはいくらになるのか楽しみだ。ここまで深く潜り込んだこともないし、久しぶりに一日フルに使って探索したことになる。今までよりも奥に行った分だけ、普段よりも収入のほうは期待できるな。


 五層から四層に向かい、リザードマンからも魔石をもらいながら順番に戻っていく。帰り道は順調そのもので、奇襲されることもこちらから奇襲することもなく、いたって平穏無事で退屈な探索作業になった。


「移動時間でも稼げるとはいえ、移動に時間かかるのは面倒な所だな」


「十層まで下りればワープポータルがあるから、そこまで行けるようになるかどうかだけだな」


「十層おきか。夏休みの間に十層まで行けるかな? 」


「それは努力次第だな。目標としておくのは悪い話ではないと思うぞ。どうやら十層のポータルはボスを倒さなくても利用可能らしいし、深く潜ることだけを目標にしておけば、朝から夜にかけてしっかり地図通りに進んで、問題なく進めれば十層まで行って、帰りはワープポータルで素直に帰ってこれるから帰りの時間を気にしなくて済むようになる」


「ふむ……それにはもう二、三回ぐらい潜り込んでみて、八層九層あたりでも戦えるかどうかも調べていかなきゃいけないってことか。楽しみが結構多いな」


 夏休み中に十層というのも中々悪くない目標設定だが、一ヶ月そこらでそこまで潜れるようになるかはまだわからないというのが本音だ。強いていうならもう一人ぐらいメンバーが増えてもいいか、アカネの索敵に期待して不安要素を少なくするのが大事だろう。

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