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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第94話:模試明け

 模試は無事に終了し、再び三年生の探索者生徒が呼び集められる。今回は放送で探索者免許を持つ全生徒が集められ、生徒指導の代表である鬼沼先生から一言あるようだ。


「集まってくれてありがとう。まず、みんなに陳謝する。探索者であるにもかかわらず、その仕事や責任を放棄させるようなことを推奨したことについてすまないと思っている。そして、きちんと約束を守ってくれてありがとう。生徒指導を学校を代表してお礼を言う」


 鬼沼先生らしからぬ態度で腰を折り、丁寧な謝罪を受け取った俺達は、それぞれ思うところあってか、素直に謝罪を受け取る者、むしろそのおかげで模試に全力投球できたと感じるもの、様々な感想を言い合いながら、鬼沼先生の頭を上げさせる。


「ふぅ、さて、夏休みだ。俺の心配はお前たちが無事に夏休みを満喫して戻ってきてくれることを願っている。探索者活動で怪我をして夏休み明けや夏休み中に登校できないなんてことが無いよう十分注意してきてくれ。潜るなとは言えんし、それぞれ稼ぐ必要がある生徒もいるだろうから俺から言うことはこれだけだ。今日もご安全に」

「ご安全に」


 一人の生徒がご安全にを復唱し、調子のいい奴らがそのままその言葉に続いて「今日もご安全に」と叫ぶ。ノリのいい奴が多いな。話が終わったので外に出て、伸びをする。


「ふぅ。ようやく一区切りつけたな。さて、ダンジョンにもこれで堂々と潜れるようになったし、後顧の憂いはないな。模試の結果が返って来るまではもうしばらくあるし、その間にやりたいことをやってしまおう」

「そうだな。とりあえず俺の彼女が誕生日が来るまであと二週間ある。その間に幹也から学べることは学んでしまわないとな」


 隆介はあと数回、俺と潜る気らしい。まあ、借金のこともあるししばらくは潜る必要は出てくるだろうな。夏休み中に返してその後は彼女と潜るんだろう。いつまでそれぞれがダンジョンを楽しむのを続けられるかわからないが、まあ頑張ってほしいとは思う。


 こっちはダンジョン休み中にこっそり潜ってオーク肉を取った分だけの魔石が溜まっているので、それを彩花と消化する日々も必要だ。本来は俺一人で入手した魔石なので彩花と等分する必要もなくて、俺一人で潜って換金してくるという手もあるんだが……それには時間がかかりすぎる。とりあえず早朝から一回は潜って、オーク肉はもとより睾丸と魔石の換金ぐらいは明日辺りやっておくかな。


「本条君は……どうするの? 今後のダンジョン通いスケジュールとか組むの? 」

「一応は曜日で組もうかなとは思ってる。特定の曜日……土日は混むだろうからその日はいかないとして、平日の内週二ぐらいで駅前ダンジョンにいければいいかな、ぐらい。後はほどほどに楽しむことにするよ」

「週二か……そのうち一日は俺に使ってくれると嬉しいが」

「お前はまた別プランで動こうかなと思ってる。あくまで俺と彩……結城さんと一緒に潜るなら、という話だ。できるだけ夏休みの間にダンジョン情報も仕入れたいし、大学のオープンキャンパスにも行きたいしな。うまくいくと夏休み中にもう二、三階層深い部分で戦えそうなんだよな」

「進捗の差が激しくなりそうだ。まあ、俺はダンジョンはあくまで彼女とのデートの場だからな。その間に彼女を守れるようになっていればそれでよしだ。おまけで考えてくれればいいや」


 まあ、早めに隆介の借金の件は片付けてしまうほうがいいだろうから、早めの準備でひとしきり終わらせた方がいいだろうな。


「隆介の分は明日にでも早速潜るか。とりあえず家に来てくれ。都合の悪い日良い日を相談して潜れる時間帯や日付を調整しておいたほうがいいだろう。早速ダンジョン探索会議だ」

「おう、いいぞ。そんなに長くなりそうにないしな。そうと決まれば自転車の用意してくるから先に帰ってるわ」


 隆介が一足先に帰り、彩花と二人になった。


「私たちはどうするの? 日付決めて潜るの? 」

「うん、まあそうなるかな。とりあえず駅前ダンジョンで六層七層辺りを潜っておきたいしな。それ以外の日ならダンジョンに潜るんじゃなくて勉強しに行く前提でこっちのダンジョンに潜れることだし、親にも駅前ダンジョンに行く日とこっちに来る日は別の言い訳を考えているんだろうし、そこを考えてさえいてくれればこっちはいつでもどっちも大丈夫、ということにしておくよ」

「そう。まあ今からそっちへ行くからいいわ。三人で潜る日と絶対ダメな日をはっきりさせておきましょ。じゃあ後でね」


 彩花とも別れ、それぞれの足取りで俺の家に集まる。流石に先に行っていただけあって、隆介が家の前でとても暑そうにしながら立ちつくしていた。


「おう、もうちょっとで熱中症になる所だったぞ」

「水分摂れ水分。水道水ならタダみたいなもんだからな。好きなだけ飲んでいくといい」

「せめてサイダーが飲みたいところなんだがな……と言ってもダンジョン禁止令の間収入がなかっただろうから、サイダー一本も貴重か。大人しく水分と……塩と砂糖くれ。それで納得しておくことにする」


 隆介はキッチンを勝手に使うと、砂糖と塩を自分で調合して水分を自分で取り始めた。そのぐらいなら問題ないだろう。後は彩花が来れば話を始められるんだが、もうちょっと時間がかかるかな。


 アカネは今は居ないようなので安心して隆介を家に迎えていられるな。いつダンジョンからただいまーと出てくるかわからないからできるだけ隆介にアカネを見えるようになる条件を与えないようにして行こう。


 隆介が水分を取りエアコンの空気で涼んでいると、彩花がやってきた。家に招き入れ、それぞれ手帳を確認してスケジュールを確認する。


「とりあえずこの日とこの日はオープンキャンパスの予定だからパス、それ以外では、土日は絶対混むだろうから避けて通りたい。平日があるから、その中で出来るだけ特定の曜日をきめてダンジョンに潜るようにはしたいんだが……そんな感じでどうだろう? 」

「いいんじゃないか? 空いてそうなのは木曜日と火曜日かな。水曜日はダンジョンが混みやすい日として有名だからな。何故だか知らんが水曜日にダンジョンに潜る探索者が多いという法則があるらしい」


 隆介がどこで手に入れたかわからない謎の耳寄り情報を教えてくれるが、本当にそうなのだったら水曜日は避けておくに限るな。


「それを信じるかどうかはともかくとして、火曜と木曜は潜ろうかなと思っている。何かここまでで疑問点みたいなものはあるか? 」

「今はまだ五階層までしか進んだことはないけど、この先も進んでいくのよね。目標はあるの? 」

「目標は十層のワープポータルの開放だな。そこまで進んでいれば初心者は卒業できるだろうし、道中のモンスターもそれほど注意しながら戦わないといけないモンスター、というのもいないらしいし、十層のボスに挑むかどうかはともかくとして、その気になれば十層まで一気に飛べるのは目標としてわかりやすいものになるから、それを目指していく」


 俺の予定についてこれるかはともかくとして、彩花もレベルはちゃんと上がってきているので、武器や防具面での不具合が起きない限りは大丈夫だと思っていいだろう。


「俺は五層まで行ければ充分かな。レッサートレントの樹液は美味しいらしいし、土産として持ち帰るにもいい。家族にちゃんと遊んでるわけじゃなくて食費にも貢献してるんだぞというところは見せつけておきたいからな」

「あれ、中々でないぞ。体感で申し訳ないところだが、結構な時間戦ってやっと一本出たぐらいの出具合だ。オーク肉のほうがまだ落ちやすいかもしれないな」

「オーク肉と同じぐらいならまあ許容範囲かな。それよりシブいとなるとちょっと考え物だが」

「レッサートレントのほうが戦った数が少ない分、偏りがあるかもしれないが、ドロップ率は5%ぐらいだと見積もっておけばいいぞ。後、それなりに硬いのと攻撃が面倒くさいからどこまで回避しながら行けるかだな。ちゃんと参考動画とかを見て勉強してから挑むのが良い」

「じゃあ、早速明日にでも連れてってもらおうかな。結城も来るか? 」

「私も行くわ。久しぶりで身体が鈍ってるといけないしね」


 二人とも来るということは明日の換金は無しだな。精々普通に戦って五層の戦いにくさと、出来れば六層にも足をかけたいところ。六層からはいろんなスケルトンが出てくるらしいから、それぞれの戦い方や倒し方は予習しておきたいところだな。


 早速配信動画を探して、スケルトンと戦っているシーンを撮影している動画を探す。結構色々なダンジョンにスケルトンは生息しているらしく、探すのはそれほど手間ではなかった。


 スケルトンは大きく分けるとデブスケルトンとガリスケルトンがいて、デブスケルトンはとげ付きこん棒を持ってる肉弾戦タイプしかいない。これはデブスケルトンとして認識しておけばいいだろう。


 ガリ型スケルトンには三種類いて、剣と盾を持って近接戦闘を仕掛けてくるタイプ、魔法を放ってくるタイプ、弓矢で狙ってくるタイプの三種類が居るらしい。それぞれで対応する範囲が違うらしく、一斉にすべてが襲い掛かってくるのはまれであるとのこと。


 戦闘画面を見つつ、どんな攻撃を放ってくるかを眺めていると、どうやらガリスケルトンの魔法を放ってくるタイプは雷の魔法を放ってくるらしく、かなり痺れる、最悪雷の電圧によって動けなくなったりするらしい。攻撃してくるまでには詠唱時間があるため、その間に対策が出来るかどうかがカギらしい。最初に狙うならこいつってことだが、その前に剣盾を持ったスケルトンが邪魔をしていたらその限りじゃないんだろうな。


「結構面倒くさそうな階層だな。一人や二人で潜り抜けるのはなかなか厳しそうだ」

「そうだな、彩花と二人で抜けるにしても中々厳しそうだ。ここに向かうときは出来れば三人で行きたいところだな」

「俺を数に入れてくれるのは優しさか? まあ、たしかに三対三なら確実に魔法を撃ってくるタイプでも問題なく戦えそうなのは確かだが」


 作戦会議は続き、とりあえず明日五層まで潜って樹液を手に入れ次第、六層にも足を伸ばしてみる、ということになった。さて、明日からは本格的に探索者仕事の解禁だ。どこまで行けるかは解らないがしっかりやっていこう。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
3人で探索は初だったような? 続きが楽しみです〜
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