表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/116

第91話:期末テスト

 明日から期末テストが始まる。高校三年生としては最初の難関試験でもあり、ここで学内の成績が決まるとしてみんなピリピリしていた。そんな中でダンジョンに潜って楽しそうに話す……なんてこともなく、ダンジョンに通っていた学生探索者達も真面目に学業に専念していたらしい。



 その証拠というわけではないが実質的ダンジョン禁止令が出されたあと、期末テストが終わるまでの間に生徒指導室から三年生が呼び出される、ということはなかった。もしバレてたらそれは呼び出しされても仕方がないことであり、再三鬼沼先生がお願いをする、という形になったのだろうが、一発でダンジョン通いを自粛していくうちの学校の生徒の風紀は良いと考えていいんだろう。


 そして、隆介は今日も朝から元気に俺の机に待ち構えていた。毎日飽きない奴である。


「さあ、明日からお前の大好きなテスト期間だぞ。今回も勝負だ幹也。ちなみに何も賭けないけどな」

「勝負だ、という割には落ち着いてるな。何か賭けてもいいんだぞ? そのほうが勝負は盛り上がるしな」

「実際問題俺は挑戦者の側だからな。逆にお前から何かを賭けてくれてもいいぞ」

「そうだな……じゃあ今度オーク肉取ってきたらお前にプレゼントしよう。そんなんでいいか? 」


 投げやり気味に隆介の相手をする。


「金額としては悪くないが、幹也にとってはそれほど難しくない難易度の問題であるのが絶妙だな。さては今回の勝負投げたな? 」

「まさか。勝つ気ではいる。今回もTOP3に居られたらいいなあ……ぐらいには考えているさ」

「ふむ……まあ、自信はあるようだからこれはしっかり明日に向けて復習しておかないとな。じゃあな」


 言いたいことだけ言って去っていった。相変わらず自由な奴だが、少し気合は入ったかな。さて、隣の彩花は何を考えているんだか。トイレに行くついでにチラッと見ていくか。


 教室を出て、隣のクラスの彩花の席を見る。ものすごい集中力でテキストを見やっている彩花が確認できた。どうやらあっちも勉強は順調みたいだな。このまま集中して授業に入ったことにも気づかない、なんてことがなければいいんだが。彩花の集中力の凄さは明らかにレベルアップの恩恵なんだろうが、本人は気づいてないようなのでその内教えてやらないとな。


 授業が始まり、期末試験対策直前ということで、半ば自習の授業になった。全員……とまではいわないが、みんなそれぞれの試験項目に集中していてとてもじゃないがここでふざけたり、教師の機嫌を今のうちに取っておいて赤点だけは回避したいと追いすがる生徒もここには居ない。


 皆それぞれ得手不得手を抱えながら自習授業に参加しているため、教師のほうも真剣に勉強しているなら、と他の教科の勉強をしていても見ないふりをしていてくれている。


 唯一、物理の教師だけは真面目に授業をして、試験にここは出るからな! という感じで公式と解き方を熱心に指導していった。あれはそのままテストに問題が出る奴だな。頭には入っているが、念のためもう一度しまい込んでおこう。


 昼休みになって隆介と弁当を食べる。今日は塩パスタだ。これはダンジョン禁止令を言い渡された学校への抗議の意を示すわけではなく、単純に手持ちのパスタソースが切れただけである。


「お、試験前日になってダンジョン禁止令に対するハンガーストライキか? なかなかキマッてるな」

「朝食べて昼の分用意しようとしたら在庫がなくてさ。買いに行ってる暇もなかったから仕方なしの塩パスタだ。決してそういう意味があるわけではない」

「まあ、たまにはコンビニ弁当を持ってきて寂しく食べるとか、購買に顔を出してみるとかそういう人生の変化も楽しみにしてもいいんじゃないか? 」

「次に塩パスタになりそうなときは考えておく。今日はともかく、明日からのテスト連戦では塩パスタじゃパワーが出ないからな。しっかりしたものをこしらえたいところだが……オーク肉まだ在庫あったかな」

「流石に俺に聞かれてもな。お前の家の冷蔵庫の中を熟知している訳ではないし、そんな友人居たら逆に怖いだろ。精々卵数個とキャベツは常にストックされているとは思うがな? 」

「それだけ解れば充分だろう。それ以上分析されると流石に引くぞ」


 こいつ……どれだけ俺の家の食糧事情を把握しているんだ。確かに冷蔵庫にはそれぐらいしか今入っていない。今夜あたりお好み焼きでも焼くために具材を買いに行こうかと考えていた所なのだ。そこまで見抜かれていたかと思うと、末恐ろしい奴だなこいつは。


「まあ、今夜は前祝いだ。贅沢に何か食べるさ、買い物にも行くし足りない食材の買い足しにも行く予定だ。よっぽど変なものを食べない限りは明日の体調も大丈夫だろうしな。期待して結果のほうを待っててくれ」


 ◇◆◇◆◇◆◇


 授業が全て終わり、帰り道すがら買い物をしていく。今日のお好み焼きには何を入れようかな。キャベツ、卵、オーク肉を薄切りにしたやつと、キノコと、もやし、イカソーメンは入れよう。それから米は……在庫あったかな? 一日分ぐらいはあったかもしれないが、数日分と言われると微妙だ。2キロサイズの袋を買って帰るか。パスタは……パスタも買い足すか、いくらあっても困らないからな。


 後はパスタソースが大事だ。一人用のパスタソースを複数種類複数個用意して十数日分の食事のお供とする。最近はお高い美味しいパスタソースも増えてきたが、ちょっと今現在の財布状況で手を出しづらい。


 とりあえずはこんなもんかな……オーク肉はなんだかんだで残ってくれたし、かろうじて今日のお好み焼き以外にも使う用途があったとしてもまだ食える。最悪、二時間かけて取りに行って補充するでも構わない。その間に溜まった魔石は後日複数回に分けて換金することになるが、あまり溜めすぎても困るからな。ほどほどのところで止めておかないといけないだろう。


 今日はどうするかな……最後の気晴らしにダンジョンに出かけるでも良いし、根を詰めるために明日の試験範囲を復習して完璧なものにしてしまうでもいい。大事なのは俺の頭がもやもやしていないことだ。もやもやが広がったままではきっと試験もいい点数が取れないからな。今の所は……大丈夫そうだな。今日も授業の復習と試験範囲の再復習で済むことだろう。


 家に帰って荷物を下ろし、アカネにただいまを言う。が、アカネは外出中。試験期間中にはダンジョンに潜らないことを告げると……


「じゃあ今の間に改築を終わらせてしまうわね。目標は十層、ということでいいのかしら? 」


 という頼もしい返事が聞けたので、模試が終わるまでに十層まで作り終えてしまうかもしれない。そうなればかなり収入としても、そしてダンジョンの攻略度としてもかなりのものが期待できる。俺が最後に潜った時はまだ五層すら作られてなかったから、あれからどれだけ改築が進んだのか楽しみでもある。


 お好み焼きの準備をしながらアカネが帰ってくるのを待つ。小麦粉を溶いてだしと混ぜて、種をしっかり作った後、材料を刻んで準備。全部材料が切り終わったところで種と全てを混ぜ合わせる。今回は大阪風で行く。


 全部まとめてネリネリして、油を敷いたフライパンを熱して調理開始だ。充分温まった後弱火にして片面が焼けたら裏かがえして両面焼いて、肉に火が通っていそうなぐらいまでやけたら焼き行程は終わり。マヨとソースで味付けして終わりっと。


 しばらくアカネが帰って来るまでレンジにラップして放り込んでおいて、アカネが帰ってきたらご飯にしよう。その間にちょっと勉強しておこう。明日の数学と世界史と現代文の復習だ。範囲は完全に覚えているので数学のテキストをもう一度見返し、数問問題を見て確実に解けるのを確認すると、次は世界史。パラパラパラッとめくってその間に動体視力と瞬間記憶で覚えてしまう。ページを適当に決めて暗唱。


 うん、キッチリ覚えてるな。後は……現代文の感想とどこでどんな文章が出てくるか、か。まあ範囲の中で出てくるものは大体わかってるからそれに沿った形で……と。後は大丈夫そうだな。


 アカネが戻ってきた。この試験期間中、アカネはひたすらダンジョン作りに熱中していたらしく、顔を合わせるたびにどこまで出来たかを報告してくれている。今は八階層まで出来ているらしい。もう少し待てば、夏休み本番に入るころには十層まで出来上がっているだろうから楽しみだな。


 復習をしている間にアカネは帰ってきた。ちょうどお腹もすいてきたところだし、タイミングが良いな。


「ただいま。今日もダンジョンを拡張してきたわよ」

「おかえり。夕食の時間になるまで待ってたよ」

「待たせて悪かったわね。早速頂きましょう。明日からテストなんでしょ? テスト前の一気合入れた食事ってことかしら? 」

「まあ、近いな。シンプルだがお好み焼きを作ったからな。量としては充分だと思うぞ。後味わいもできるだけ気にしてみた」


 レンジで少し温め、ホカホカの状態になったお好み焼きに対していただきます。アカネにいつも通り青い光が吸収されていく。


「そういえば、出かけてる間にまた少し大きくなったか? 」

「自分では自覚がない程度だけどそう見えるなら大きくなったかもしれないわね。成長して嬉しい? そろそろ手を出したくなったかしら? 」

「そこまではまだまだだな。それに彩花が居るし」

「お熱いわねえ。あんまり目の前でイチャイチャされると私も我慢できなくなっちゃいそうだわ」

「その見た目で言われると罪悪感がマシマシになるんだが……まあ、この部屋かダンジョン以外でいちゃつくつもりはお互いないようだし、目の毒なら少し顔を背けていてくれればいいよ」

「いえ、ガン見しておくわ。そして背徳感に溺れながらますます仲良くなればいいのよ」


 割と直接的なことをおっしゃるが、まあなんだ。高校生のうちはその身分をちゃんとわかってお付き合いするから良いんだよ。夕食を食べながら、アカネととりとめもない話をして、早めに眠った。明日から数日、テスト期間だ。そっちに集中することにしよう。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
問い:焼きたてのお好み焼きが、レンチンのお好み焼きになった事による摂取神力の低下割合について述べよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ