表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/116

第74話:一対二の訓練

 アカネのバグチェックに付き合いつつ、リザードマンの二匹連れを相手にし続ける。テンポよく、三段跳びの要領でモンスターに近づいて一殺、その後もう一匹が構える間にまた近づいて一殺、と十秒ほどで戦闘が終われるようになった。


「よし、このテンポなら一人で流れるようにスムーズに戦闘に入ることができるな」


「なんか手慣れてきたわね。ここの魔石も相当稼いだんだし、そろそろ魔石以外のドロップもするかもしれないわよ」


「槍なんかが落ちてくれると中古屋に流せるから便利ではあるが……ここで落ちると持ち帰るのが面倒だな」


 槍を背負って帰るとなると、移動に時間がかかるし戦闘の邪魔にもなる。毎回カランと足元に転がして戦いを始めるのもその内面倒くさくなってくるだろうし、そもそも槍があるだけでも充分重量として邪魔な存在だ。できれば今ドロップしてくれるのは避けてほしいと思っている。


「ぜいたくな悩みねえ」


「まあ、専用ダンジョンなんて贅沢があるのにってのは承知の上だが、それでも効率を考えたらこのまま魔石だけか、スクロールを落としてくれるのが便利かな。あれならかさばらないし、ドロップしてても不思議はないし」


「スクロールってここでもそんなに簡単に落ちるものでもないわよ? それに昨日拾ったばかりじゃない」


「だよなあ。まあ、期待せずに進むことにしよう」


 新しくできた範囲を一周し、アカネのバグチェックも一通り終了したらしい。満足そうに全体を見渡してこれでよし、と一人で呟いている。


 俺としてもダンジョン全体の地図ができ上がってきているので、次回来る時に迷う必要がないのは嬉しい。アカネの索敵がないと次のモンスターまでのんびりと地図を書いてる場合じゃないからな。後で戻ったら清書しよう。


 ここまでのリザードマンの魔石のドロップ数は40を超えた。金額にして30000円は軽く超えているので、先日隆介と潜るために持ち出した魔石の金額を既に大きく上回ってきている。まだベッドの下に残っている魔石と合わせれば相当な金額になるだろう。後は駅前ダンジョンでオークチーフと戦ってみる、という実績さえ解除してしまえばベッドの下の魔石貯蔵庫の中身は全て換金するのに不似合いな形にはならないだろう。


 一対二の戦闘は続く。リザードマンに対してはこちらから防御の構えで行くよりも、ひたすら攻めの姿勢で手早く戦闘を終わらせるほうが早いことがわかったので、見つけた時点でサーチアンドデストロイって奴だ。これで素早く戦闘を終わらせることもできるし、集中力を欠くこともない。やがてリザードマンエリアも二匹の部分が終わり、一匹ずつのところに戻ってきた。


「さて、いったん戻ってゴブリンたちと戯れるか。ここで経験できる戦闘はほぼでき上がってしまったし、スクロールを落とすにしろ落とさないにしろ、ギリギリ腹が減る時間まで戦うなら出入口に近いほうがいいしな」


「もう戻るのね。それなりに魔石も溜まってきたし、充分というところかしら? 」


「オーク肉も消費よりも獲得が上回り始めたからな。さすがに一日二日経った肉を換金に出す勇気はない。苦情を言われるのもあれだし、かといって冷凍したままのオーク肉を換金カウンターに持って行って、何で冷凍されているんですかと聞かれた場合答えに窮する。オーク肉は自家消費を基本にして、俺のお肉にもなってもらおうと思う」


 リザードマンを今度は一匹ずつ相手にする。二匹相手にするよりも一匹のほうが早いのは当たり前で、見つけたら即対処、見つけたら即対処、と順番に道を戻りながらリザードマンを一匹ずつ倒していく。


 リザードマンの生息する四層から戻り、三層のオークエリアに戻ってきて早速オーク二匹と一戦。片方がオーク肉をくれた。重量物がまた増えたな。まあいずれ食べるから良いとはいえ、冷凍庫がオーク肉で一杯になりそうな現状を考えると考えるべきところはある。そのうち一人焼肉パーティーでも……いや、やるなら彩花も呼んで二人で焼肉を楽しむほうがいいな。


 色々味付けを替えてお互いに料理し合って、お腹いっぱいオーク肉を食べる、というのもなかなか悪くないだろう。それまではオーク肉には冷凍庫で大人しく眠っていてもらうのが確実か。


「やっぱりオーク肉も冷凍焼けするのかな。塩水解凍すればいいらしいけど、毎回密封してちゃんと冷凍しておけば大丈夫なのかな」


「そのあたりはあなた次第よね。丁寧に処理してくれてるほうが私がいただく際も美味しく食べられるならそのほうが良いんだけど」


「じゃあやっぱりキッチリ密封処理して冷凍しないとな。既に手遅れな肉塊は……外側だけ削いでラップで包んで再冷凍して、削り取った部分は明日の弁当にでもしよう」


 オーク肉をビニール袋に入れて、清潔面を確保すると次のオークに向かう。帰り道までにもう一個二個ぐらいはドロップするかもしれないな。やばい、家の冷凍庫がオーク肉だらけになりそうだ。肉料理のレシピをもう少し増やしてみるかな。


 オーク地帯を抜けてレッドキャップはアカネの索敵のおかげで精神的な負荷やピリピリした気分になることもなく抜けることができた。さすがに魔石以外のドロップはなかったが、それでも収入にはなってくれているのでありがたい。


 ゴブリン族の所へ戻ってきたので、ゴブリンアーチャーを優先的に狙って行動する。シールドゴブリンは正直もう敵じゃない。ゴブリンアーチャーの矢だけは面倒くさいので毎回対応して矢を空中で掴んで投げ返し、刺さったところで矢に追いついてとどめ。これの連続だ。ついでに残っているシールドゴブリンにも相手をする。


 ダンジョンに入り始めてから三時間ほど潜ったところで、さすがにお腹が空いてきた。今日の探索はこのぐらいにしておくかな。


「そろそろ帰る。お腹空いた」


「そうね、お腹が空いた状態で気がかりだと意識をそっちに持っていかれるから、相手がゴブリンだとしても不意を突かれる可能性はあるわね。貴方の判断で撤退すると良いわ」


 アカネにも気がそがれない内に撤退した方がいいと言われたので、大人しく出入口に戻ることにした。スポーツドリンクの残りを飲み干し、ご飯を食べるまでのごまかしとする。


 ゴブリンとスライムを寄ってくるだけ相手にしながらダンジョンから抜けだし、ふぅ……と一呼吸する。今日はしっかり働いたな。もしかしたら夕飯もパスタだけでは足りないかもしれない。夕食の準備をする前に、魔石をベッドの下に隠して、拾ったオーク肉を洗って軽く表面の水分を取り、ラップにくるんでチャック袋にしまい込んで冷凍。


 そして塊のまま放置していたオーク肉塊も表面を削り取って同様に再冷凍。早く消費しないとな。


 さて、手元にはオーク肉塊から削り取ったオーク肉がそこそこの量残っているので、焼いてわさび醤油で軽く味付けをして……と。今日は夕食がもう一品増えたな。レンジに入れっぱなしのパスタと共にアツアツにすると両手を合わせていただきます。


 手抜きなりだが、一から食材を料理したことでそこそこの青い光がアカネに吸い込まれていく。儀式は済んだので早速食べることにしよう。


 パスタはまだモチモチ感を残していて、ほうれんそうとオーク肉の脂が絡まり合って程よく舌にアクセントを残してくれる。これはこれで一品美味しい料理になった。本式のベーコンだったらより美味しく食べられたかもしれないが、それはそれ、これはこれ。オーク肉を消費していくための策なので大目に見ておこう。味はちゃんとしょうゆベースで味付けをしたので美味しい。


 焼肉のほうにも手を出す。さすがに肉の風味そのものは冷凍焼けによって飛んでしまっているが、わさび醤油のおかげで味わいには大差がないように感じられる。そういえば今日は醤油が被ってしまったな。


「うん、冷凍焼けした肉でも味付けによっては美味しく頂けるな。次からは焼けないように対処もしたし、これでしばらく食糧事情は改善していけそうだ。しばらく毎日肉が食えるな」


「栄養バランスの偏りには注意するのよ。ちゃんと野菜も摂らないと」


「解ってるさ。今日だってちゃんとほうれん草取ってるだろ? 」


「他もよ。まあ、夕食には手間暇かける幹也のことだから心配はないでしょうし、本当に調子が悪そうになってきたら私にも伝わってくるから、最悪その時にまとめて栄養補給して改善を図るのがいいわね」


 アカネが外付け健康確認装置として機能してくれるらしい。


「それって、彩花にも対応してるのか? 」


「近くにいてくれるならわかるわよ。さすがにここから彩花のところまでは……というか無理ね。彩花の家、知らないし。知ってたら健康確認にも飛んでいけるものだけど」


 そういえば俺も彩花の家知らないな。電車を使わずに通える範囲なのは解ってるが、詳しく調べようと思ったこともないや。用事があれば彩花からこっちへ来るしな。


「そんなわけだから、とりあえず今のあなたは……まあ健康、といったところかしら。若干カロリーが足りてないとは思うけれど」


「体を動かした分ってことか? 弁当箱をもう少し大きいものに替えて色々入れられるようにするのも必要か。とりあえず明日のご飯は……パスタとオーク肉の……ちょっと早起きする習慣でもつけるかな。三十分早く寝て三十分早く起きるようにすれば朝食のついてに昼食もちょっとしたものが作れるようになる」


「そのほうがいいわね。早速今日から始めたら? お肉は今のうちに冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍して、朝起きたらすぐに調理できるようにしておけばいいんじゃないの? 」


「そうして……みるか。とりあえず風呂入る前にその辺を軽く済ませておこう」


 ご飯を食べ終えると早速風呂を沸かしながら肉の手配。明日はどんな肉料理を作ろうか。スマホのレシピを片手に手持ちの食材で作れそうな肉料理をチョイスして材料と作る予定のものとサイトアドレスを冷蔵庫にメモ書きして貼り付けておくと、明日の準備は万全。


 風呂に入ってさっぱりすると、ベッドの下の魔石の在庫確認をする。ざっくり見て……70000円分ぐらいはあるか。それと、【精力絶倫】のスクロールがあるが……これはさすがに換金するにも困るアイテムだ。二人で等分するにも、俺が稼いだスクロールであるし、高額なスクロールなので彩花もさすがにそれはちょっと……と断る可能性もある。そうなると、これは稼ぎに入れないほうがいいだろうな。


 さて、金勘定も終わったし眠るか。しっかり運動もしたし今日はいい夢が見れそうだぞ。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ