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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第72話:貸した金返せよ 2

 一時間ほど集中してオークを狩り続けた結果、魔石が10ほど貯まり、かなり美味しいところまで来ることができた。オーク肉も一つ出て、これは俺がビニール袋に包んでできるだけ綺麗に梱包しているため、換金カウンターでもオーク肉と魔石が同時に換金カウンターにダラダラと出され、場を汚すこともなく済ませることができるだろう。


 一時間たったところで水分補給と休憩をする。さすがの隆介も慣れないオークに手間取ることはないものの、集中力が切れてきたのでちょうどいい隙間タイムになった。


「幹也と結城は普段もこのあたりで戦ってるのか? だったら相当稼いでいそうだが」


「この武器も買ったし、ここより湧きが多くなってより美味しいエリアがあればいいんだが、移動時間を考えるとここが割とベストなんだよな。ここより美味しい稼ぎ場は……と考えるとちょっと思いつかない。帰りの荷物が重くなってもいいなら、リザードマンがドロップする槍が結構高値でやり取りされるらしいがオーク肉ほど確実に出るわけじゃないらしいからな。運を天に任せるよりは地道に行きたいところだ」


「なるほど。確率や運には頼らないってことか。それはそれとして、魔石がそれなりの数落ちたがこれは多いほうなのか? 」


 隆介にそう問われて、モンスターを倒した回数と手に入れた魔石の数を計算してみる。


「ちょっと確率の神様に愛されてないぐらいかな」


「そうか……後一時間頑張って、それで同じぐらいなら今日はそういう日だと思って帰ることにしよう」


 実際には家から持ち出した数個の魔石があるので、その分今日の収穫は多めになっているのだが、そこは黙って混ぜこんで、それなりに儲かったんだな、と思ってもらうことにしておこう。


 引き続き一時間ほどオークを狩り続ける。土曜日なら朝から晩までずっとここで狩り続けてても問題はないんだが、学校終わりのそこからの探索では精々午後八時にはダンジョンから退場しなければならないし、遅くまでダンジョンに潜っている生徒がいる、と通報でもされたら問題だ。あくまで学業が本分の学生がダンジョンに入り浸っているのでは世間様に顔向けができない。


 オーク地帯まで抜けるのに真っ直ぐ急いで三十分。オークを狩り続けて二時間、戻りで三十分。大体最速タイムはこんなものだ。三時間でいくら稼げるか……という点ではまあ、その辺でバイトするよりはよほど稼いでいるのは間違いない。その分初期投資がかかるのと、肉体労働なのでその分の苦労代だとしても結構な収入にはなっている。


 しばらくダンジョン通いは止められそうにないな。そう思いながらオークをシバキ倒していると、スマホからアラームが鳴りだした。


「隆介、時間だ。撤収しよう。これ以上遅くなると学校に文句が飛んで行っても不思議じゃない」


「もうそんな時間か。わかった、今日のところは帰ろう。腹も減ってきたしな」


今日の稼ぎはオーク肉が二個と魔石が色々。魔石はスライムからオークまでの魔石で大小含めて持ち出してきたので、隆介の勘が良ければ道中こんなに魔石落ちたっけ? と不思議がるかもしれないので、換金カウンターには俺がまとめて魔石とドロップ品を提出することにしよう。


 レッドキャップ地帯は人が割といる。どうやら他の探索者もそろそろ帰り支度を始めるらしく、ここからは夜勤のお仕事だと言わんばかりに撤収していくので、その波にのって一緒に行動することで、帰り道を急ぎで戻ってくることができた。正直ここで特定のドロップを狙うのでなければ、他の探索者と一緒に歩いて抜けたほうが時間も短縮できるし索敵も充分にできるので大助かりだ。


 他の探索者のおかげで普段よりも数分早く帰ってくることができた。やはりみんなレッドキャップ地帯はとっとと潜り抜けたい場所らしく、お互い率先して前を歩こうとして、レッドキャップに出会ってしまったら仕方ないから倒そう、という空気が漏れ出てきている。俺達もどっちかというとそちら側である。


 無事に引っかかることなくレッドキャップ地帯を抜けて、ゴブリン族地帯にやってきたが、ここでゴブリンアーチャーに引っかかってしまったので仕方なく戦闘。しかし、魔石を落としてくれたのでこれは美味しい引っかかりだったと言える。


「儲けたな」


「ああ、250円だが確かな実りだ。大事に換金しようぜ」


 隆介と武器をぶつけ合うと、そのまま出口へ向かう。出口ではそれなりの人数の探索者が退場手続きを取っており、換金カウンターも混むのが予想できた。案の定、換金カウンターまわりは換金待ちの列ができていた。


 こっちも列を長くしたり自分の番になってからダバダバと魔石を出し始めるよりは解りやすいだろう、ということで俺の手元に魔石を全部集めて換金することになった。これで家から持ち出した魔石をいくらか換金できることになる。


 物わかりのいい友人は時に得をする。今日は得をしたほうだぞ、隆介。


 三十分ほど待って自分の番が来て、換金カウンターにオーク肉と魔石類を渡す。更に十分待って結果が帰ってきた。今日の収入は二等分でお願いしたのできっちり、18825円ずつとなった。


 換金カウンターまわりの待合室で時間を潰していた隆介に自分の取り分を持たせる。


「お、結構な金額になったな。後三回ぐらい繰り返せば借金は返せそうだ」


「期限は卒業するまでだからな。気長に待って、学校以外でまとめて返す形にしてくれ。そのほうがわかりやすい」


「そうする。毎回チマチマと返すよりもドンと一括で返した方が良さそうだしな。また頼むわ」


「おう、それじゃあな」


 隆介とは駅前ダンジョンで別れて、そのまま家へ帰る。帰り道の足どりもかるく、買い物をするつもりはなかったが、思ったよりは収入になったためコンビニでホットスナックとサラダチキン、それにお菓子を購入。たまにはお菓子ぐらいは食べておかないと学生らしさがなくなってしまうからな。


 サラダチキンは細かく刻んで夕食のパスタの具にしてしまおう。今日は夕食を作るのもおっくうだ。しっかり肉を食べるのでパスタと肉、それにパスタソースを加えればそれなりに栄養バランスは取れる。


 家に着いて自転車を停めて家の鍵を開けて中に入る。


「ただいまー」


「おかえり。ゆっくりだったわね」


「まあね。隆介に貸した分の金を回収しなきゃいけないからその手伝いだよ。ついでに替えた武器の試運転もしてきた。なかなか良い装備だなこの山賊刀は」


 装備を置き、メンテナンス代わりに消臭剤でプシュッと臭い消しだけしておくと早速夕飯を作り始める。夕飯までの空腹を紛らわせるためのホットスナックを齧りつつ、茹で終わったパスタにトマトソースを絡めて、レンジで温めておいたサラダチキンをちぎって散らばらせる。見た目はともかくとして、栄養バランスはこれで良いだろう。


「いただきます……と」


「私もいただきます、ね」


 アカネにいつも通り青い光が吸い込まれる。すると、ムムム……と音を立てるではないが、アカネがまた少し大きくなった。どうやらアカネも少しだけレベルアップしたらしい。


「半年分ぐらいは成長した感じか」


「少しずつ、だけどね。これで幹也と結城さんがしっかりとダンジョンで稼いでくれたらもうちょっと成長が早くなるかもしれないわね」


「そう言われると腹ごなしに少しダンジョンに潜りたくなってきたな。隆介が居た分だけ出し切れなかった全力を出せるというか、ちょっと動き足りないというか。もうちょっと暴れたい感じだ」


「明日に響かないようにほどほどにするのよ」


 アカネに念押しされながらも、食後の運動にダンジョンへ向かうことに決めた。今日持ち出した分の魔石の補充をしておかないと、彩花にばれたら怒られるかもしれないからな。


 ご飯をササっと食べて水分も補給し、万端の準備を整えて専用ではなくなった専用ダンジョンに入る。スライムから順番に潰していき、帰り道を確保しつつゴブリン族辺りまでの道を綺麗にしてドロップ品をかき集める。


 そういえばゴブリンとスライムはレアなドロップを落とさないな。初級モンスターだからだろうか。ちょうど手が空いたところでスマホで調べてみると、どうやらスライムとゴブリンについては魔石以外のドロップ報告はないらしい。長い年月をかけてたくさんの人が調べて、おそらく数百万匹以上のデータを基にしてもドロップがない、ということは本当にないんだろう。


 ゴブリンを抜けてゴブリン族を蹂躙する。山賊刀とレベルが上がった俺の腕力の力の差はすさまじく、盾の上からゴブリンを切り落とすことができた。これでシールドゴブリンは普通のゴブリンと大差がない、とみることができる。あとはゴブリンアーチャーだが……こっちも飛んでくる矢を掴んで投げ返すことができるぐらいだから問題はないだろう。


 しばらくゴブリン族を倒しまわっていると、ゴブリンアーチャーからスキルスクロールのドロップがあった。早速周りの安全を確保した状態でスキルスクロールの鑑定サイトに写真を撮って送ってみる。判定結果は【エイミング】とのこと。どうやら命中力に補正がかかるスキルらしい。


 矢に関わらずどんな武器にも応用可能だそうで、狙ったところに刃筋を立てたり斧を叩きつけたり、色んな面で応用が効くようだ。これは覚えておくほうがいいな。早速スキルスクロールを覚える……と念じると、スクロールから文字が浮き上がり俺の中に吸い込まれていく。これでスキルは二個目だ。どっちもパッシブスキルだが、体の内側から補助をしてくれる、という面では同じ。


 これからもうまいこと俺の身体を支えてくれると良いんだが、早速他のモンスターを探して試し振りをしてみよう。


 探しているとちょうどいいところにシールドゴブリンが現れたので、頭の中で念じた位置に向かって山賊刀を振り下ろすと、まるで支えてくれるかのような感触と共に、狙ったところに綺麗に刃が入った。そのまま山賊刀の重さと腕力でシールドゴブリンを盾ごと撃破する。うん、これ使い勝手がいいな。補助としては優秀かもしれない。


 さて、もう三、四匹で試したところで今日は終わりにしよう。長々と居座るつもりはないし、今日持ち出した分だけの補充こそしきれてないものの、これだけ稼いでおけばそれなりに言い訳も経つ。明日本格的に戻って魔石の量を増やしておくほうがいいな。


 来た道を戻ってダンジョンから出て、拾った魔石をベッド下の魔石箱に仕舞うと、今日のところはこれでおしまいだ。明日に期待しておこう。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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