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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第67話:平日に稼いで休日に換金

誤字脱字訂正、毎回ありがとうございます。本気で助かっています。

 翌日、彩花がこっそり家に来た。周りに見られないように充分配慮してきたのことらしいが、さすがにストーキングしてる奴もいないだろうから問題はないとは思う。


「昨日は小林に付き合ってたんだから今日は私に付き合ってもらうわ」


「それは全然かまわないんだけど、こっちにばかり潜っていると収入がないぞ? 換金しに行くには駅前ダンジョンまで行かなきゃいけないし」


「そこが面倒な所よね。いや、そこまで面倒を見ろというのは贅沢な一言ではあるんだけど」


「さすがにお金と交換して出すってのは私としても無理よ。その辺は自分でなんとかやりくりしてね」


 アカネにもそうきっぱり言われてしまっているので、ベッドの下の宝石箱には魔石がまた溜まることになるんだろう。次行くときはもっと奥の階層へ向かっていくことも考えないといけないな。


「とりあえず夕飯の準備をしてから行こうかな。腹ペコ疲労困憊でご飯作るどころじゃない、なんてことにもなりかねないし、その為に今のうちにコンビニで調達する、というのも経済的に褒められたもんじゃない。その間ちょっと待ってて」


「じゃあ私も手伝うわ。指示してくれればできると思うから」


 今日は……鍋にするか。ちょうど品切れそうな野菜で鍋物の具材にできそうな品物がいくつかある。切り方を彩花に指示すると、さすがに家の手伝いか何かで慣れているのか、注文通りの材料が提供されてくるので非常にありがたい。


 冷凍庫からオーク肉の塊……なかなか消費されないのでこれもまだ塊のままだ。塊から包丁で食べる分だけ削ぎ取って薄肉を作ると、レンジで解凍してその間に調味料と鍋の素を用意し、湯を沸かす。


「そんなに大きい塊がドロップするオークが居るのね」


「例のボス部屋のドロップ品なんだよね。毎回落とすかどうかは……調べればわかるか。調べてみよう」


 駅前ダンジョンの五層のボスがちょうどオークチーフなので、オークチーフのドロップについて調べてみる。すると、毎回ではないが、そこまで低確率で落とすわけでもないらしい。お値段は二万円。これで二万円か……なかなか食いごたえがあるな。


「一応ドロップはするみたい。だけど五層でこんな塊ドロップされるとその後の探索が面倒そうだな。重たさもあるが、生ものの塊を持ち歩くという精神的な負担に押しつぶされそうだ」


「ここでは確実に落とすかどうか、この後試しに行ったらどうなの? 幹也一人でも勝てたなら、私の助力があれば確実に勝てると思うんだけど」


「それなりに危険だし、相手は刃物を持っているからその恐怖感があるけど大丈夫? 」


 彩花が手に持ってる包丁を見ながら少し考える。


「まあ、何とかなるんじゃないかしら。幹也に抑え込んでもらってる間に私が攻撃を重ねていくって方法もあるし、戦い方の連携の練習と思ってやってみればいいのよ」


 材料を切り終えた彩花が鍋を覗き込む。鍋の中には煮えにくい食材から順番に投入し、柔らかくなるだろうというところで調味料と鍋の素を投入。解凍がそこそこ終わったオーク肉をそこに入れ込んで、肉が煮えるまでしばし時間を待つ。肉が茹で上がった色に染めあがったところで火を止めて、そのまま放っておく。その間に米を炊いて、出かける準備が終わった。


「さて、行くか。心配はなくなった。今日はオークチーフに挑んでみるってことでいいんだよね」


「ええ、オークは散々狩ってきたから形としては問題ないとは思うし、初ボスってことでちょっと緊張するけど、幹也がいてくれるなら大丈夫よきっと。さあ行きましょう」


「行ってらっしゃい。私は一足先にダンジョンへ向かってダンジョンの構造調査と、ダンジョンの更に奥を作っておくわ。これから抱きしめてしっかりキスをした後来るんでしょう? どうぞ後からごゆっくり」


 そういうとアカネは一足先にダンジョンへ入っていった。アカネに全て行動を見抜かれているのでちょっと照れ臭いが、逆にアカネが先に行くことで見る人もいなくなった。


「その……今日もするのか? 」


「当たり前でしょ! これがダンジョンに入る時の儀式なの。貴方を裏切らないという意味でも、好きという意味でも確認行為は大事よ」


 そういうと彩花が抱き着いてきて、俺にキスをする。舌までは入れてこなかったが、短いというわけでもない間そのままハグをしてキスを続ける。三十秒ほど……だったと思う。しっかりお互いの気持ちを確かめ合った後、口を拭かずに舌で舐めとるようにして口の周りに着いた唾液を味わった彩花が先にダンジョンへ入っていった。


 ちょっとこっちのほうではかなわないな……頭の後ろをかいた後でダンジョンに突入する。入った先では早速彩花がスライムを退治していた。早速元気なものだ。戦えば戦うほどわかりやすい形で能力向上が確認できて、しかもドロップ品も確実に手に入れることができる。


 ステータス……数値化できるのかどうかはわからないが、確実に賢くなっているという成績上の結果で表すことができる以上、ここで頑張らなくてどこで頑張るんだ、という意識の向上にも努めることができる。努力の結果が見えない壁打ちを繰り返すよりもこちらで頑張って頑張った分だけ他の方面でも努力する。このサイクルプランを繰り返していけばかなり良いセンまでどころか、最上級まで持っていけるのではないだろうか。


「幹也、早く行きましょう。ボスまで一直線よ」


「ボスは逃げないし連続で討伐しようとでもしない限り存在し続けるはずだから大丈夫だろう。それより、ボスまでに疲れ切って戦い所ではなくなるようなことのないようにな」


 彩花は完全に戦って勝つ気でいるようだ。前回はできるだけ回避に回ってダメージを蓄積する形で勝負にもちこめたが、今回はどういう戦い方をするべきか。それを考えつつスライムとゴブリンでウォーミングアップを始める。


 彩花のほうは一足先にシールドゴブリンと戦闘になり、その間に彩花を狙っているゴブリンアーチャーを仕留める。


「ゴブリンアーチャーを見逃してたな。俺が対処しなかったら撃たれてたかもしれないぞ」


「矢を体で受けたらどのぐらいの傷になるのかしら。案外通用しなかったりして」

「そんな危ないことはしないでほしいんだけどね。大事な身体だし、怪我して翌日包帯巻いて学校へ行くようなことになれば騒ぎになるぞ」


「じゃあそうならないように守っててね? 」


 割と無茶な要求だが、元からそのつもりなのでシールドゴブリンはともかくとしてゴブリンアーチャーの居所は把握しつつ、そっちをメインで仕留めるようにしてゴブリン族エリアを抜けた。ここからはレッドキャップエリアだ。


 まだ面倒くさいレッドキャップだが、もうちょっと何とかしたいところ。金を稼いでスキルを買うなりして、レッドキャップを見つけやすいようにする方がお得な気がしてきた。毎回通る必要がある所だし、できるだけ気楽に通り抜けられるようにしたほうが便利でいい。


 やはり【聞き耳】とか【敏感】のスキルを一通り身に付けてしまった方がいいだろうな。ここばかりは金がかかるが、自分と彩花で稼いだ魔石を換金に回すことでなんとかなる範囲ではある。生活費に余裕があるうちに買ってしまうのも手か……と、レッドキャップだ。しっかり忍び寄って後ろからグサリ。倒して魔石を拾って彩花の後ろに戻ると、ふと足を止めてこちらを振り向く。


「もしかして、そっちにレッドキャップ居た? 」


「居た。気づいてた? 」


「んー、気づいたというよりは何かあるな、という感じだったかな。それがモンスターを察知する感覚なのかなって」


「その感覚は大事にしたほうがいいよ。レベルが上がって敏感になった、ということだろうから」


「うん、わかった。次を探す時もそれを意識してみるね」


 レッドキャップを数体倒し、さすがにスキルスクロールは出なかったが魔石はそこそこ出た。これは土曜日にでも二人で潜りに行った時に換金して稼ぎにしてしまおう。もし数万円になるようだったら、そこでスキルスクロールと交換して新しいスキルを覚えるのが無難だ。


 レッドキャップゾーンを抜けてオークゾーンへ。戦い飽きたオークと二人でそれぞれ一匹ずつ対処しながら奥へ行く。


「レベルがあがるとこんなに楽になるのね。今までの戦い方が嘘みたい」


「あんまり外では使えない戦い方でもあるからな。でもここなら思う存分力を発揮できるから、多少無茶を効かせても誰も見てないから気持ちよく暴力を振るえるのはいいことだ」


「ボスはどっち? 」


「正面二時方向。そっちに御大層な門が用意されてるからその中がボス部屋だ」


 オークと戯れながらボス部屋方面へ行き、オーク肉も二つほど手に入れたところでボス部屋に到着。彩花もボス部屋の手前で少し狼狽えている。


「ボスはオークチーフなのよね? 駅前ダンジョンの五層のボスと同じってことよね? 」


「駅前ダンジョンで五層まで潜ったことがないからわからないけど、多分そういうことになってると思う。実際俺一人でも倒せたし、そこは心配ないと思う」


「じゃあ……頑張って私を守ってね。こっちの武器だと折れちゃうかもしれないし」


 まあ、オークチーフの山賊刀相手では小剣では折れてしまうかもしれないというのはよくわかる。メインで盾役を務めるのは確定かな。


「できるだけこっちが正面になるようには戦ってみるから、スキを突いてダメージを与える役になってくれるとありがたい。オークチーフとはいえ二対一以上なら攻撃手段は限られてくるだろうからな」


「うん、そうする。さあ、そうと決まれば早速倒しに行きましょ。何が落ちるのか楽しみね」


 また【精力絶倫】のスキルスクロールが落ちたりしないだろうな。さすがにまた出てくるならちょっと気まずいものになりそうだからそっちの運勢は良いほうに向かわないでいてほしいな。


 物欲センサーなるものが存在する場合、出ろ出ろと願うことで出なくなるなら、【精力絶倫】スクロールが出るように願っていれば出ないようになってくれるはずだ。出ろ出ろ出ろ出ろ……と念じながら門を開け、中にいる。


 オークチーフがゆっくりとこっちを見下ろし、戦闘が始まった。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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