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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第66話:今度は貸す側

 再びシールドゴブリン、ゴブリンアーチャーが湧くエリアに戻ってきた。お互いに普通の戦闘を一対一で始めたので、隆介の武器に不安があれど、何とか戦いを続けて二時間。そろそろ家に帰る時間……というか、腹が減り始めた。


 腹が減った状態で戦闘をするのは危ない。気がそれて戦闘どころじゃなくなってしまうこともあるからな。まだ我慢できる間は良いが、我慢できなくなった時にそれで済むとは言えないだろう。さすがにもう帰る時間でもあるし、隆介にそれとなく促していこう。


「そろそろ帰ろう。あんまり遅くまで居ても出来高に変わりはないからな」

「そんな時間か。熱中していたから忘れていた。確かにそろそろ帰る時間だ」


 二人でゴブリンエリアをぬけ、スライムエリアを抜け、駅前ダンジョンから退場する。退場届を出した後、換金カウンターに並ぶ。四時間ほどぶっ続けで戦いをしてきた分だけそれなりに溜まっているし、家から持ってきた分の魔石も混ぜ込んであるため、隆介の体感では思ったよりも多い……と感じてくれるはずだ。


 自分たちの番が来て換金。一人当たり10400円だった。まあ、稼げた方か。俺がいるから稼げたんだ、というつもりはないが、隆介は自分でも潜っているだろうし、一人より二人のほうが総合的には多くできる、という認識をしているだろう。


「さすがに二人でみっちり稼ぐと時間給にしてもそれなりになるな。おかげで武器を買う金がそこそこ貯まりそうだ」

「金が足りないならいつでも言ってくれ。防具の時の件もあるし、貸せる分は貸すぞ」

「本当か……例えば、今から中古屋へ行って武器を調達するとかそういうのでもいいか? 」


 今すぐか……下ろしに行かなきゃいけないけど、それを考えても早めに良い武器を持たせてまともな戦闘ができるようになるのは大事だろうしな。


「ああ、一応それなりに生活費に余裕はあるからな。前回貸してもらった分ぐらいなら問題なく貸せるぞ。卒業までに返してくれればいいということにしておく」

「それは助かる。この先戦っていくにしろ、今日までのモンスターを楽に倒す分にも、お前から借りたこの包丁槍では力不足なのはわかってきた。ここは素直に借りてちゃんとした武器を購入しておいたほうが良さそうだな」

「俺もそれをお勧めする。というわけで足りない金額を判別するためにも武器を選ぼうじゃないか」


 早速中古屋へ行き、良さそうな武器を選び出す。また在庫がいろいろ入れ替わっているな。前まで剣が飾られていた場所に違う槍が展示されている。どうやら店の売り上げも中古品のサイクルも順調なようだ。


「さて……どんな武器にするか……片方に盾を持つんだから剣か短槍か……斧を持つには片手では少々重すぎるか、小さすぎる斧になるからあまりお勧めできないだろう? 」

「多分その認識であってる。今と同じ槍にするのは慣れの面ではありだろうな。後は、盾を持つ分取り回しが良い剣を選ぶのも良いと思う。まあ、俺は色々見回ってるからこれが良いと決めたら店員に持たせてもらって、ちゃんと扱えるかどうか確かめさせてもらうのも大事だぞ」


 そう言い終えると、色々中古品探しの旅に出る。今の剣で事足りている間は良いが、その内限界も来るだろう、限界が来た時にどんな武器にチェンジするかを考えておくのも悪くない。


 防具はどうだろうか。現状で問題がないのは間違いないが、実際にダメージを受けて破損するまで今のままの防具で保ち続ける、というのでいいのだろうか。それともリザードマンの先で防具を変化させなければ厳しい環境だったりすると困るが……次の階層のことを調べてそれから考えるでも遅くはないか。


 スマホで駅前ダンジョンの次の階層のことについて調べる。どうやらリザードマンの奥にはトレントが出てくるらしい。ただのトレントではなく、レッサートレントという名前になっているからには、もっとダンジョンの奥のほうに行けば普通のトレントも出てくるってことなんだろうな。


 レッサートレントの硬さはそこそこらしい。もしかしたら彩花の武器では通じなくなるかもしれないが、レベルアップによる腕力の上昇を加味すればそこそこいけるかもしれないな。次の土曜日にでも試しに奥まで行ってみて、お互いの武器で戦えるかどうかを確認していこう。


 ちなみに六層部分には色んなスケルトンが出てくるらしいが、そこまで行く前に五層のボス部屋にオークチーフが居るらしい。俺でもソロでなんとかなったのだから、二人でしかもレベルが上がっている状態の二人なら問題なく倒せるだろう。毎回ドロップとして必ず魔石を落とすらしいので、複数回戦ったふりをして塩漬けにされている魔石を売りに出せるな。


 さて、防具の続きだ。防具はもう一段階上の格好になると、値段もそうだが見た目もぐっと上がる。当世具足なんかの近代武士の恰好や、革の胸当てなんかも候補に入ってくるらしい。さすがにチェインメイルはお値段も張る。しかも潰れた鎖を自分でつないでメンテナンスしなくてはいけないので、お値段以上の手間と面倒くささがあるんだろう。


 後の防具は……まあ色々とあるが、基本全身防具というより部位ごとの防具の補強という形になるんだろうな。心臓周りと手首、この辺りは補強を入れておいたほうがいいかもしれない、と頭に入れておこう。


 さて、色々見回ってる間に隆介は……あ、武器確認ブースに居るな。いくつか武器を持ちこんで取り回しを確認しているらしい。早速店の機能をフル活用させてもらっているらしい。


 今のうちにいくら必要なのか見積もっておいてくれると助かるんだが……まあ、いくらの武器を買うかわからないし下ろしに行くのは後でいいだろう。今の手持ちにはそんなに余裕はない。どっちにしろコンビニATMでいくらか下ろしに行かなければならないのは間違いないだろうしな。今日の収入があるとはいえ、それでは普段使い分の量しか財布に入っていないのも確か。


 しばらくブンブン振り回したり突きの姿勢を見せたり、自分の盾を構えてその盾の邪魔にならないかどうかを確認したり、色々試している。きちんと試すことは大事だからな。隆介も内心では、この武器ならこう構えてこう来るから……と色々試しているに違いない。


 やることもないので隆介が色々選んでいるのをじっと見ながら待つ。十分ぐらいして、どうやら気に入った物を見つけたらしく、その一本を手に持ってブースから出てきた。


「これにしようと思う。お値段もお手ごろだし、今の包丁槍とそう違いない動きができて射程も変わらないし、盾の邪魔にもならない。今の俺には一番むいてると思う。とりあえずお店の人に言って確保してもらう事にしようと思う」


 その手には一本の槍が握られていた。長すぎず短すぎず、丁度いいぐらいじゃないかな。


「その間に金を下ろしに行くわけだな。いくら必要だ? 」

「そうだな……五万貸してくれ。必ず今年中に支払い終える」

「わかった。信用する。五万ならお前ひとりでもなんとか稼げる金額だし、そう遠い話にもならないだろうしな。たまには手伝うことになるだろうし、その間にも徐々に返ってくることを見越しておこう。まとめてでもどっちでもいいからな」

「ああ、いい友人を持って俺は幸せだよ」


 今からお金を取ってくるからそれまで取り置きしてくれと隆介が店員に伝えている間に、他の店員が持ち出した武器を収納に戻していく。本来なら手伝うのが筋かもしれないが、それもまあ仕事の内ということで下手に手伝うことなくただ見守るだけになった。


 急いでコンビニに行き、手数料を気にせずに金を下ろして隆介に渡す。隆介も有り金全部……というわけではないだろうが、残りの相当の金額を引き下ろすと、俺から受け取って店に戻る。


 預かってもらっていた武器を購入すると、早速受け取って自分のものであるというサインと武器購入証明書を書き込んで、受け渡しが終わる。


「さあて、この古い武器はどうするかな」

「返してくれていいぞ。普通に包丁としてまだまだ使える……うん、刃こぼれも直せる範囲だし問題ない。いざとなったら実家に帰って研ぎ直してしまえば大丈夫そうだ。そういうわけでこっちは俺が預かっておくことにする」

「うん、短い時間だったがちゃんと稼げる大事な武器だった。有り難さは忘れないぞ」

「とりあえず新しくなったからってあまり武器に頼らないようにしないとな。前より戦いやすいからといって深追いしたり無理したりしないようにな。あくまで武器は道具だ。使われるぐらいなら使いこなせよ」

「わかっている。使われた結果早めに寿命が来て代金分稼ぐ前に壊れたりしても困るからな。大事に使っていくさ」


 中古屋を出て持ち物が多くなった俺だが、かろうじて自転車に乗る形になったが、手に持たないと包丁槍は自転車に乗せ切らないので片手が邪魔になる。気分は銀輪槍騎兵ってところだな。


「それじゃ、また明日な」

「うん、今日はありがとな。できるだけ早めに返せるように算段をしておくから気長に待っていてくれ」


 家に着く。いつもより遅い帰りだったためもうお腹はペコペコのペコちゃんだ。


「ただいま」


 アカネにと声をかける。


「おかえり。いつもより遅かったわね」

「中古屋にも立ち寄ってたからな。隆介がこの武器から卒業してまともな武器に替えることになったからその付き合いをしてたよ」


 さてと、包丁をバラして元の調理器具に戻ってもらう。これからはまたキッチンで活躍してもらうことになるだろう。さて、早速包丁を洗って、調理開始だ。今日は何を作ろうかな。


 いつものパスタを茹でながら、何を付け合わせにしようか考える。さすがに腹が減り始めて一時間ほど経ち、手の込んだ料理をする気にもならない。今日の夕食もパスタソースでいいか。後は野菜を……軽く茹でて味噌で味付けしてそれで終わりにするか。


 パスタを茹でたその湯をそのまま使い、大根とニンジンとブロッコリーを茹でていく。多少塩加減がついて美味しく茹で上げられるだろう。もしくは、パスタから溶け出した栄養分が野菜についてまた美味しいようになるかもしれない。


 パスタのゆで汁をそのまま使う調理法もあるぐらいだし、ゆで汁には色々と可能性があるはずだ。できるだけ無駄なく美味しく味わっておくのも悪くないだろう。


 そしてでき上がった野菜茹でを味噌味で食べることにする。パスタソースはデミグラスソース風のものを選んだ。アカネに供えると、やはり時短レシピのお手軽メニューでは神力にそれほど影響しないのか、いつもよりも頼りなげな光がアカネに吸い込まれていった。


 さて、今日は遅いのもあるし、手早く身支度をして寝てしまおう。明日からはまたダンジョン巡りの毎日になるかもしれないからな。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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