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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第170話:オープンキャンパスを終えて

 悔しいが言い返せる言葉もなかったので、軽く地団駄を踏んでから大泉ゼミを後にする。


「またおいでー。今度は入学してからでもいいんだよー」


 後ろから悔しさの元凶が声をかけてきてくれるが、後味の悪さから言ってこのままさようならで済ませるのはあまりにもアレすぎる。これはきっちり入試を終えて真正面から殴り込みをかけるしかないな。うん、絶対そうしよう。四年間かけてあの准教授にぎゃふんと言わせてやらなければならんな。ぎゃふんと。


 一通りのゼミを回ったところで時間を確認すると、もう終わりの時間らしい。学部関係なしの全体模擬講義には参加できなかったものの、共通科目は他の学部でも同様に受けるんだから問題はないよな。よし、今日やるべきことは一通り終わったし、帰ろうかな。


 バスの時間がまたクリティカルに合わなかったので、歩いて駅まで戻る。さすがに近いと感じる。下手すると構内をうろうろするほうが時間がかかるので、探索者にとってこの程度の距離歩くのは何のことはない。


 駅までとぼとぼと歩いていくついでに、周辺の食い物屋や本屋、中古屋等の位置をチェックしていく。駅までにはそこそこあるのかな? と思ったが、どうやらそうではないらしく、隣の駅に付属している場合が多かった。やはり特急が止まるかどうかというのは大きいらしい。


 今日は特別に隣の駅まで行って、本の中古を探してもし受験に役立ちそうなものがあったらそれを買って帰ろうと思う。そのぐらいの蓄えはある。隣駅までは十分置きぐらいに電車が来るのでそれほどダイヤに困らず到着出来た。後は駅から出て、古本屋を探す。……と、結構わかりやすい位置にあったので早速店に入り、受験対策コーナーへ出かけると、複数種類の受験対策や入ってからの教科書などが置かれていた。


 そういえば、入学したらこういうところにも金を使わなきゃいけないんだよな……足りるかな、俺の稼ぎで。足りなかった場合最悪専用ダンジョンでひたすら潜り続けて金を稼いで換金、という形で何とかしなければならない所だが、今のところはそこまで困窮していないから大丈夫かな。


 受験対策本をパラパラとめくり、それほど役に立たなさそうだったので今回はご縁がなかったことにする。多分、俺が受験対策に使った冊子がここの中古品として出回り、それがまた巡り巡って誰かの元へ行くことにはなるんだろう。そう思えば自分がはじめの一歩を踏み出す側の人間になるというのは割と面白い、貴重な出来事かもしれないな。


 しばらく店内を散策していると彩花から連絡。どうやら暇らしい。


「何時ごろ帰ってくる予定? 」


「用事は終わったから、大学周辺のいろんな施設を探索してる。戻れるのは早くて一時間半後かな」


「またあのミニ准教授に会ったのかしら」


 思い出したら悔しさがぶり返してきた。今度は負けないぞ。


「今回はやり込められたが次回会うときまでに挽回できるよう努力する」


「何されたのやら。まぁ、後日ゆっくり聞かせてもらうわ」


 そのうち彩花に少しだけ愚痴を聞いてもらうことにしよう。何を言ってるんだこの人は……と思われるかもしれないが、少なくとも俺が介護していたのは充分伝わると思う。


 本屋は確認できたし、後はゲーセンの位置を確認できれば充分かな。駅横すぐにあったので無駄な時間をかけることもせずに把握できたので帰ることとする。また電車に揺られて一時間弱。この時間を無駄にしないために下宿を近くに移すか、それとも三年間住み慣れた我が家を優先して通学時間をよしとするか……


 もうしばらく悩むことにするか。しかし、一時間あったら何ができるかを考えると、やはり近くに住む利点はあるな。その時間で研究を進めたりできるのに! と、合法ロリならいいそうだから、やはりより近くに住むことは頭に入れておいた方が良さそうだ。


 今更下宿先で新しい環境に慣れずに……みたいなことはないだろうし、今度、いや、共通テストが終わった段階くらいで大学近くで借りられる物件を探しておくようにしよう。遅きに失して物件が空いていない……ということもありえるが、最悪今のまま住み続けることも出きるし、焦らず行こう。


 最寄駅に到着して自転車で家まで帰る。さすがにそろそろ寒さを感じる時期になってきた。今年も暖かい冬だと楽でいいんだけどな。


 家に帰って一服しているとアカネが外から戻ってきた。


「あら、思ったよりは早かったのね」


「そんなに大きなイベントでもなかったからかな。でも手応えはあったな」


「どんな研究してたの?ダンジョンを作る側としては興味があるわ」


 アカネに今日の出来事をかいつまんで話す。アカネは真面目に話を聞いており、俺の話にも着いてこれるだけの理解力はあった。俺の話し方がまずくて通じない、ということもなかった様子だ。


「じゃあ、そのロリ教授にいいように扱われたわけね。ちょっと見てみたかったわ」


 俺としてはいいように扱われるロリは一人で満足してるんだが、確かに今後も同じように扱われる可能性はあるわけか。これはちょっと考えものかもしれないな。


「まぁ、何だかんだで楽しそうなオーラが出てるのはたしかね。相性も悪くないんじゃないかしら。今後の愚痴が楽しみだし、なんなら私が直接会いに行って人となりを確かめるのも面白そうだわ」


 アカネは完全にからかいモードに入っているな。これも全部あの合法ロリのせいだと思うとイライラがたまってきた。


「なにか、言葉にしがたい感情が湧き出してるみたいだけど、やり込められたりしたの? どうしたの? 話聞こうか? 」


 アカネに対して合法ロリの所業と手伝ったことと、最後にやり込められてしまったことなどを話す。アカネはしばらく感心して話を聞いていたが、最後にはやはり軽く笑われてしまった。


「それは幹也が一本とられたってことで仕方ないわね。相当アレな人であることは伝わったけど、研究者としては優秀なんでしょうね」


「だから却ってたちが悪いというか、なんというか……」


「幹也にも苦手な人種がいる、ということがわかっただけでも儲けものだわ」


 今度はアカネまで面白がっている。どうして、俺の回りの脱法ロリたちは俺をおもちゃにしようとするのか。憤懣やる方ないな。


「で、この先の勉学に役立ちそうな話や、探索者として勉強になるような話は聞けたのかしら? それがないと、本当にこき使われておもちゃにされただけになってしまうけど」


「まぁ、俺なりにいくつかの話はためになったよ。インスタンスダンジョンの効率的な潜り方とか、そういう与太話ではないけど実際に明日からでも使えるダンジョンアタックのやり方、みたいな話は聞けたし」


「あら、じゃあそのあたりは結城さんとも話を共有しておいたほうがいいのかしらね」


「かもしれないな。次に会った時にゆっくり話をしようと思ってるよ。まだ学生身分とはいえ探索者なんだから、インスタンスダンジョンが発生した時はできるだけ早く駆けつけてダンジョンを消滅させる義務を負ってるのは確かだしな」


 探索者特別法の何条だったっけ……インスタンスダンジョンが発生した際、周辺に居を構える、または周辺に日常的に用事のある探索者は、ノーマライズ化を防ぐために積極的にダンジョン踏破に参加することを強く求める、だったか。


 実際にインスタンスダンジョンに参加した回数は多くはないがゼロではないし、あくまで無理のない範囲で、という風に位置づけられていることから、一回でも参加実績がある分まだマシだと言えるだろう。


 次にインスタンスダンジョン……ああ、そういえば。


「ダンジョンの発生予測をするゼミなんてのもあったな。ある程度のパターンを分析したうえで、次にいつ頃どのあたりにダンジョンが出現するのか、というのを見つけ出すと力説してたよ」


「ダンジョンを作る人の思考パターンを読むってことかしらね。うまくいくと良いんだけど、誰が作ってるかわからない以上推理するのは難しいと思うのだけれど」


「どうやら、地方や場所によってある程度の認識パターンがあるらしいんだよな。これって要するに、その地点において周辺にダンジョンを作っている人が決まってるってことでもあるんだよな。つまりその人……人? そのダンジョン建設者の思考パターンと発生予測が一致すれば大体予測できる、ということにはなるよな? 」


「そうねえ。私がダンジョンを複数作ると仮定した場合、私がどこに作ろうかな……と地図を片手に眺めて、この辺なら作りやすそう、という場所を先回りして読み取って待機するということにもなるから、たしかに不可能ではない気がしてきたわね」


 アカネがなるほど……と考え始めた。どうやらダンジョンは一人の人……ダンジョン建設者が全てのダンジョンを把握している訳ではなく、地方によって複数人存在するようだ。地方によって出来方のパターンが違うとも言っていたし、そう言うことなんだろう。


「ちなみにアカネが次にダンジョンを作るとしたら何処を予想するんだ? 」


「そうねえ。学校のグラウンドには今年の春ごろにもう作ってしまったのだから、しばらくその周囲は作らない、という話になると思うからもっと山の上の方か、一山越えた向こう側、総合診療病院がある辺りなんかは面白そうね。近所に住宅地も多いし、混乱を求めるならここね。後、駐車場が多いから探索者に駆けつけてもらいやすいのもポイントかしら。ダンジョンを長くとどめ続けるかどうかは別として、場所としては悪くないんじゃないかしら」


「もしそこに本当に出来たら、アカネがダンジョンを作ったことにしておくよ」


「私はこのダンジョンだけで満足だから問題ないわよ。そうね、でも駅前ダンジョンの担当者からすれば、新しいダンジョンをどこに作るか……なんてのを予測していくのも悪くないかもね」


「そういえば、駅前ダンジョンの主と、学校のグラウンドにダンジョンを出現させた主は同じなのか? 」


 ふと気になったので聞いてみる。


「この辺にダンジョンを作ってるのはその人しかいないはずだから同じじゃないかしら。一応自分のテリトリーみたいなものがあるらしいし」


 なるほど、それぞれ持ち場なんかもあるらしい。そのままアカネと会話をしているうちに遅くなり、一日が過ぎていった。

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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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