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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第150話:久しぶりのデート

 日曜日になって、久しぶりに彩花とデートすることになった。来週あたりからまた勉強が一段階忙しくなるのと、俺も模試やテストの期間が重なってくることから、しばらくまともに探索することが出来ないだろう、ということで彩花と二人で久しぶりに出かけることになったのだ。


「さて、今日は何層に行くのかしら」


「いつも通り三層から六層にかけて巡ってスキルスクロールを集めに回るか、もしくは十層でレベル上げするかになるが……どっちにするか? 」


「そうね……受験の確実性を求めるなら十層、今後を見据えて……というか三層ではオークチーフも倒すんでしょ? だったらお肉目的だろうし、オーク肉を食べられることを考えるとそれも有りかもしれないわね……悩むわ」


 彩花もどっちにするか悩んでいるらしい。現金を稼いでレベルを上げるのに便利なのは十層。生活に彩りを持つなら三層から六層に向かっていって、エネルギーボルトや威圧やリザードマンのスキルスクロールに期待をしつつ色々と溜めていくのもありだということになる。


 ただ、現状はオーク肉も含めて在庫は充分にあるので三層から六層を回る理由は薄い。それならより高い学力を身に付けるために十層を巡ったほうが確実だろう。


「よし、今日は十層へ行くか」


「ああ、幹也。十一層まで出来てるから一応伝えておくわね。もしも迷っても戻れるように地図の更新も考えておくといいわ。モンスターも変わってくるだろうから充分注意して動き回ってくれるとありがたいわね」


 アカネが知らないうちに十一層まで作ってくれていたらしい。出かける前に、十一層以降のモンスターについて調べてから行くことにするか。


 十一層のモンスターは……ゴブリンだ。ゴブリンといっても前にいたようなゴブリンではなく、強化版とも言えるホブゴブリンと便宜上呼んでいるらしい。


 画像が上がっていたので見てみるが、緑色の小汚ない小さな存在からかなりビルドアップされており、筋肉に覆われたかなり見た目が強化されたモンスターとなっている。


 さすがに殴られたら昏倒しそうなその手には相変わらずこん棒が握られているが、こん棒も大きくなり、俺の胴ぐらいの太さの物を持ち歩いているようだ。刃物系に移行していくにはもう一段階モンスターの側のレベルアップが必要になってくるんだろう。


 まあ、鈍器でも充分膂力のあるモンスターが持っているなら頭ぐらいは吹き飛ばす威力はあるだろうから、しっかりこっちも気合を入れて頑張らないといけないところではあるか。しかし、実際にどのぐらいの威力があるのかは体験してみないとわからないところではあるかもな。


「強そうね、さすが十一層ってところかしら。どうやって対処していけばいいかもついでに探しておきましょう」


 十層まで歩いていかなくてもいい分時間には余裕がある。十一層の情報を充分に仕入れてから出かけるのでも問題ないだろう。そうと決まれば、色んな動画や解説サイトを探してホブゴブリンについての情報を仕入れることにする。


「とりあえずドロップ品になるものと力がどのぐらい強いか、あたりは知っておいてもいい話だな。動画で残ってればそれが一番いいが……と、あったあった。ホブゴブリン攻略動画あるからこれを見よう」


「私も見ておこうかしら。次のモンスターの参考になるかもしれないし」


 アカネも含めて三人で、ホブゴブリンと戦っている動画を見る。動画内では、こん棒を全力で振り回すホブゴブリンの攻撃を盾でうまく力を相殺させつつ、盾で弾いて体のバランスを崩させ、その間に槍や剣で突いてダメージを蓄積させて倒す方法が撮影されていた。


「ふむ……盾が必要な程度には強い攻撃なのか、それとも盾がなくても先に攻撃すれば何とかなるのか、まだ悩ましいが、彼らが自分達よりレベルが低いであろうことを考えるとそこまで気にしなくていいかもしれない、というところか」


「倒したわよ。ドロップ品は……なんか魔石と硬貨落としてるわね。拾ってこっちに見せつけてる。どこのデザインでしょうね? 」


「ダンジョンのデザインなんじゃないかな。流石に現在流通してる銀貨があればそれに似せて作るというのがあるかもしれないけど、流石に銀貨で今流通してる貨幣って聞いたことないような。ちょっと調べてみるか」


 調べたところ、どうやらドロップ品は魔石に加えて、いくばくかの銀貨を落とすらしい。純銀製で、どのような刻印がされているのかを翻訳することはできていないが、どこのダンジョンでも同じデザインで同じ純銀の硬貨を落とすので、これはダンジョンがあった世界、もしくはダンジョン側の世界で言うところの通貨に当たるのではないかと言われている。


 この辺は大学で学ぶ範囲になるのかな。このコイン一枚から得られる情報量はいかほどの物なのか、というものも含めて、色々学術的に考えることは出来そうだ。


 あと、このホブゴブリンは【頑健】【体捌き】【バッシュ】という三種類のスキルスクロールを落とすらしく、【頑健】は痛みに対する耐性を得ることができ、【バッシュ】は強力な一撃を放つ手助けをしてくれるスキルのようだ。【体捌き】はスケルトンがくれるのと同じらしく、三種類のスキルスクロールの中で一番出易い。


 ホブゴブリンに出会う前に何回か戦うことになる十層のシャドウウルフだが、魔石以外は何もくれないらしい。肉でもスキルスクロールでも何かしらくれてもいいとは思うのだが、そういうわけにはいかないようだ。まあ、十層にはボスも居るし、そのボスが色々くれる分と、魔石のドロップ率が高い分だけ十層にはそれなりの旨味があるということなんだろうな。


 十一層にはほかのモンスターは出ないが、次の層には四種類の属性を使い分けるそれぞれ色の違うスケルトンメイジが出てくる可能性があるらしい。以前遠距離魔法を探している時に、十層以降では比較的遠距離攻撃手段のスキルスクロールを落としやすいエリアがある……と調べていた時の落としやすいエリアというのがここに当たる。


 今回はまだ十一層までしかできていないので御縁はないが、御縁が出来たときにはスキルスクロールを大量に拾い上げさせてもらってそれらを覚えて遠距離攻撃の手段に使うなり、まとめて売って日常生活の資金にしてしまうなり色々させてもらうことにしよう。


 なにはともあれ、今回はホブゴブリンの倒し方に集中しよう。力押しのごり押しだけで戦える相手なのか、それとも小手先のテクニックが必要なモンスターなのか。モンスター側もスキルを使ってくるだろうからそれに対応する戦闘技術を身に付けなければいけないのか。そろそろそう言うことについても考えておいてもおかしくはない時期に来ている。


「ねえ、力押しで勝てる相手かな? 」


 同じことを考えていたらしく、彩花から質問が飛ぶ。


「どうだろう。まだ力押しで勝てる相手のような気はする。こっちもレベルアップで実力はあることだし、それ基準で考えると何とかなりそうな気はするんだよな」


「あんまりレベルに頼りすぎるといつか怪我するわよ」


 アカネから注意が飛んできたので、あんまり気楽に考えていくのは厳しい相手ではあるらしい。それなりに強さはあるってことか。十層に入ってしばらくは気を抜けないな。


 ちなみにドロップの銀貨だが、含有量が100%なので純銀として扱われ、ダンジョンの換金カウンター以外にも貴金属買い取り店舗に持ち込んでもいいらしく、どちらにせよ鋳潰されて再び銀として再利用されていくらしい。ダンジョンの管理運営をするギルドや国として、その流通はともかくとして売り先を指定することはないらしい。


「せっかくだから銀貨を大量に落としてほしいところではあるな。そっちのほうが色々ごまかしが利きそうだ。魔石は換金カウンターまで行かないといけないし、その分潜った証明も必要だけど、銀貨だけなら貴金属買い取り店で売り払うだけでもなんとかなるしな。それに、売り払うにもタイミングがあるし、一番高そうなタイミングで売るってのもできるから肩がちょっと軽くなるかな」


「いつでも売りに行けるってのは楽よね。ただ、この歳で貴金属のやり取りをするとは思わなかったけど」


「それは俺も同じだが……まあ、まずはホブゴブリンと戦ってみて、どのぐらいの割合で銀貨をくれるのかどうかを考えよう。ドロップ率10倍がどのぐらい効いてきてくれるのかがわからないが、もし頻繁に落ちるようなら魔石は置いといて銀貨だけでも先に換金してしまう必要があるしな」


「そうね、ここで悩んでたってお金は増えないしレベルも上がらないわ。ちゃんと稼いで帰ってそれから悩みましょう。戦闘パターンは大体頭に入ったし、早速十一層を探しに行きましょ」


 まずは十層をぐるっと回って、十一層への道を探しに行かなければならない。早速着替えて靴もクローゼットに移動させて出かける準備をする。家の中を移動するだけで出かけるとは変な気分だが、流石にそろそろ慣れた。


 一層に入り、早速ワープポータルのある場所へ行き、ワープポータルから十層へ直接移動する。ワープの先は少しばかりの安全空間になっているらしく、ワープ即戦闘とはならなかった。これもアカネなりの、事故が起こらないようにする措置ってやつかな。有り難く受け取っておこう。


 手早く二人で体勢を整えて、十層をぐるりと、しかし九層から来た方向とは別方向へ歩いていく。流石に九層と同じ方向に十一層がある可能性は低いという目論見からだ。九層から十層へ来て中間点がここなら、十一層はあるならあっちだろう、というある意味でのメタ読みを行っていく。


 シャドウウルフが早速現れて静かにこっちへ襲い来る。しかし、俺の【聞き耳】は正確にシャドウウルフの位置を察しており、そちらに向かって山賊刀を振るう。シャドウウルフはそれに反応して一旦距離を取るが、追いかけるようにエネルギーボルトを発射し、牽制の一撃を加えていく。さて、真面目にシャドウウルフと戦い始めるか。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
銀が取れるなら折角なので加工できる所へもっていき、 ペアリングでも作ると良いんじゃないかな?
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