表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/152

第117話:エネルギーボルトの使い具合

 俺、彩花、と順番にダンジョンに入り、靴の様子を確かめながらダンジョンの入り口で服装を整え直す。流石に靴だけは室内で履き替えてから移動、というわけにはいかないからな。クローゼットの前に置きっぱなしにしてあるとはいえ、履き心地はダンジョンの中に入り込んでからじゃないと確かめられないからな。


 靴の履き心地を確かめている間にモンスターが湧いてきて、その間に攻撃されるなんてことが無いように注意しなければならない。


 その点、ダンジョンに入ってすぐのところにモンスターが湧かないように調節されているこのダンジョンは優しいと思う。


 靴をしっかり履いて、隙間に小石とか入ってないことを確認すると、いつも通り探索を開始する。


「さて、今日の目的は十層に到着することだ。余裕があればボスにも行くが……まあ、荷物が一杯になりそうなので一応いくつかバッグも大きめのものを用意したし、運搬専用のキャリーケースも用意してみた。戦闘になるたび放置することになるが、誰も取っていく人もいないし良いだろ。キノコ類は背中のバッグか専用のキノコバッグにいれていくことにする。キャリーケースは魔石専用、ってことでいいだろ。どこかで休憩するタイミングで荷物を入れ替えてキャリーケースを出来るだけ一杯にしておいて、普段の戦闘や移動の邪魔にはならないようにしておく」


「お昼のタイミングで入れ替え……ぐらいでいいかしらね。荷物が外注できるのが一番大きそうね。今まではそこまで荷物に制限がかかるとかは気にしなかったけど、駅前ダンジョンの十層ですらあれだけ大荷物になったのだから、こっちのダンジョンで魔石が確定で落ちるのを考えたらこれはもうバッグを増やすか荷物を諦めるかしかないわよね」


「荷物を諦める、というのはよほどのことがない限りしないことにしたい。何より、食べ物なんかを放置するのは精神衛生上もよろしくないしな。ダンジョンが勝手に綺麗にしてくれる保証もないから食べ物は絶対に持ち帰る。そういう意味ではオーク肉は行きでは出てほしくない食糧ではあるな」


「普段は散々食糧として確保してるのに贅沢な話ね……と、それはさておき、今まで潜ったのは六層まで、ということで合ってるのかしら」


「ああ、六層から七層に向かうところまではキッチリ確認してある。七層から先は未踏破ゾーンだし地図もないから、特に七層に時間をかけてしまうと体力的にも厳しい話になる。水分を多めに持って来たのはそれが理由でもある」


「前回はちょっと情けないところを見せてしまったものね。今回で汚名をきっちり返上するわ」


 彩花もやる気一杯の様子で心強い。では、早速出来るだけモンスターに出会わないように進んでいくとするか。


 レッドキャップまで極力モンスターに出会わないルートを選択し、無事にレッドキャップゾーンを抜けた所でオークと正面から鉢合わせ。ここで一つ実験だ。


「さて……隠し玉をそろそろ打ち込んでみるか」


 頭の中で【エネルギーボルト】と唱えて、飛んでいく方向を指さす。すると、体全体からエネルギーみたいなものがほとばしるような感覚があり、その後指先から雷撃が飛んで行ってオークに当たる。オークはそのエネルギーの流れに当たってある程度のダメージを受けたらしく、地面に膝をつく。


 その間にサッと首を落としに行ってオーク一匹目あがり。オークの首を落とすのも、【剣術】と【体捌き】の影響があるのか、楽にガイドされながら体を動かしたので疲れも何も残らず、ストンと気軽に首が落ちてくれた。ドロップは魔石のみ。


「今の雷撃みたいなのは何? 新しく覚えたスキル? 」


「【エネルギーボルト】。雷スケルトンが使ってくる魔法みたい。そもそも、この魔法が欲しくて六層に潜ってたんだよね。そしたらついでに【剣術】と【体捌き】も拾えた……というのが実際の所なんだ」


「なるほど。この【エネルギーボルト】も重ねて覚えたら効果も上がったりするのかしら? 」


「そこがまだわからないところかな。さっきはただエネルギーボルト出ろってイメージして出てくれたけど、強さも指定できるかどうかはやってみないと確かめようがないところかな。だからしばらくはちょっと試し撃ちをさせてもらおうかなと」


「そういうことならわかったわ。しばらく最初に攻撃を仕掛けて、どのぐらいの効果があるかどうか、自分で試してみてどのぐらい変化があるか、どのぐらい無理すれば強い攻撃が出来るのか、あたりは試してもらってもいいと思う。ただ、連射しすぎて倒れるとかそういうのはなしの方向でいきましょ」


 彩花に了解を取ったところで、オークエリアからリザードマンエリアに向かう間、色々考えながらオークと戦っていく。「エネルギーボルトレベル3! 」だったり、「全力エネルギーボルト! 」だったり頭の中で考えることはそれぞれ違っているが、大体使い方が体に馴染んできた。


 どうやら威力は頭の中で想像して、威力の上限を0から100で調節できるようになっているらしい。今の100が【エネルギーボルト】レベル3なので、エネルギーボルトレベル1の攻撃をしたくなったら33%ぐらいをイメージして撃ちこめばいいことになる。今の所オークには、エネルギーボルトレベル3を撃ちこんで行動を完全に封じることができる程度の出力は出ている。


 二発撃ちこめば完全に倒せる。連射もできるので、そのままエネルギーボルトを連射することで普通に一対一で先手を取ったまま勝ちきれることは間違いない……というところまで分析が済んだところで、オーク肉三枚と魔石を十数個手に入れて、リザードマンエリアにやってきた。


 さて、ここからはエネルギーボルト二発で倒せる保証はない。かといって、エネルギーボルトだけで勝負を挑むつもりもないのでここからは普通に戦おう。少なくともオークを連射で倒せることがわかった以上、ここも連射が必要であることは間違いない。


 だったらここで無理に【エネルギーボルト】で戦う必要もない。普通に倒していこう。無理にエネルギーボルトを使い続けていれば強くなる……とかならまだわかるが、それならさっきオークを倒している間にもそれらしい体感的な何かが発生してエネルギーボルトのレベルが上昇してもおかしくはない。


 おそらくだが、レベルとスキルレベルは別で付加されるべきものなのだろう。肉体的、精神的な場面で言うところのレベルは本来この肉体に最初から付加されているためモンスターを倒すことでレベルが上がるが、スキルレベルはスクロールによる強制付着によるものであると考えられる。


 そのため、スキルをいくら使ってもレベルが上がるわけではなく、逆に覚えたスキルのところまでは肉体を慣らすことができる、というような説明のほうが正しいのだろう。


 つまり、エネルギーボルト三枚分を読みこんだ俺は、【エネルギーボルト】レベル3を使える俺、という新しい概念によって上書きされた存在が今こうしてここにいる、ということになる。【剣術】や【体捌き】も同様だ。


 ガイドはしてくれるが基本的に動かすのは自分の手足である、ということからしても、やはりスキルレベルまでは下駄を履かせてもらっているという現象に近いのだろう。つまりこれ以上強いエネルギーボルトを使いたければ、エネルギーボルトのスキルスクロールを買い求めるなり自分で拾うなりしてまた枚数を重ねてくしかない、ということになる。


 これは結構気の長い話だが、実践してスキルとスキルスクロールの関係について理論立てて解説なり持論を発表している探索者も居るだろうから、今日の十層チャレンジが終わったらちょっと調べてみるのが面白そうだな。


 さて、リザードマンだ。こいつも一応【ウォーターボール】という魔法スキルのスキルスクロールを落とすが、確率はかなり低いらしい。そして、十層以降にこいつと同じスキルを落とすモンスターがいて、しかもそっちの方がドロップ率が高いらしい。そのため、わざわざリザードマンからそのスキルのドロップを狙うよりも十数層まで我慢してそこまでたどり着いた方が効率的、とも言われている。


 ちなみに、【ウォーターボール】以外にも【槍術】のスキルスクロールを落とすが、どっちかというとこっちの方が人気があり回転もいいらしい。どちらにせよ、リザードマンにはあまりいい気持ちを浮かべることはなさそうだ。


 なお四層を通り抜ける最悪のパターンとして、ここで固有のドロップ品である槍を落としてくれる可能性がある。わざわざ重たい荷物を一つ増やして十層まで出かけるのは骨が折れるだろう。


 もし出た場合は一回置きに帰って改めて出直すことになるだろう。世の中には物欲センサーなるセンサーが存在し、欲しいものを願っているとそれが出なくなるという法則がある。


 つまり、今槍がどうしても欲しいなあ! 欲しくて欲しくてたまらないなぁ! と考えることにより、物欲センサーが反応を始めて出なくなる、といった具合だ。これは中々便利なシステムなので、是非とも物欲センサーには今は発揮していてもらいたいものだ。


 そのままリザードマン地域を抜けたが、物欲センサーはちゃんと仕事をしてくれたらしく、槍のドロップはなかった。ついでに【ウォーターボール】も【槍術】も出なかったが、これは直前にそれらのことを考えていたからだろうな、と納得をしていこう。


 五層に入る。層の段数でいえばここがちょうど真ん中ということになるが、まだまだ未知の階層があることを考えると、次の六層を乗り越えてようやく半分、と考えておくほうがいいだろうな。


 七層に入る前に休憩をいれて、そこで弁当、というのが流れとしては自然だし体に無理はないだろう。それに、出かける前のつまみ食いでちょっとお腹は膨れている。


「六層渡りきったらご飯、でいいかな」


「ええ、問題ないわ。私もそのぐらいがいいと思ってたところよ」


 正面に現れたレッサートレントに一撃を喰らわせながらエネルギーボルトを同時発射することで、レッサートレントの体力を削り切ることには成功しているらしい。攻撃に合わせてスキルで確殺できるならこれはまた便利な話だな。次からも積極的に使っていこう。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ