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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第116話:自宅十層チャレンジ

「幹也、喜びなさい、十層まで完成したわよ! 」


「……それはいいけど、ここトイレなんだが? 」


 アカネの元気のいい発言を聞き取った俺は、絶賛大きいほうをひねり出している途中だった。ドアをバン! と開けることもなく、そのままスウッと入ってきてこの一言である。もうちょっとで大きいのを一つひり出せそうだった俺の尻は、中途半端な大きさのものを二つに途切れさせながらひりだすことになった。


 でかいの一本出した方が気分もいいし尻も汚れないから便利なんだが……まあ、それはさておき、ついに十層までできたか。キリのいいところまでは出来上がった、ということにしておこうか。


「ちなみにこんな姿勢のまま失礼するが。十層まで出来たということはボス部屋も出来上がったと考えていいのか? 」


「ええ、ボス部屋もボスも設置済みよ。いつでも挑むことができるわ。ちゃんと余裕を持て帰ってくることができるように、ワープポータルも設置済みよ」


 それは一番良いニュースだな……と、ダブルのトイレットペーパーを三重にしてケツを拭いて、手をきちんと石鹸で洗い、一息落ち着いたところでいつ攻めようかな? と考えだす。


 行くなら一人ではなく、彩花と一緒に行きたいところだ。この間午後だけの仕事では六層までたどり着いて二時間ほどの間探索することが出来た。


 一人でそれだけ潜れるなら七層や八層でも問題なく潜れるだろう。なら、午前中から潜ることができる彩花が暇な日なら、朝から潜って途中適当な所で休んで十層まで到達し、一端一層まで戻ったところで十層へ再度行ってそこでボス狩り……と行く方が流れとしては良さそうだな。


 後は、彩花のタイミング次第か。早めに第一報として連絡を入れておこうかな。


「自宅、十層完成、ボス、ワープポータル付き物件に成長した」


 要点だけ伝えて送信しておく。しばらく勉強していると折り返し連絡が返ってきた。


「明日潜りましょう! お弁当も作っていきましょ。ボス戦は何とかなると言ってたし楽しみね」


 判断が早い。まあ、遅く巡ってじたばたしているうちに夏休みが終わっても困るしな。それに時間が余ったら勉強もできるし、体が疲れたらやっぱり今日はやめとくか、と十層まで歩き終わって終わりにすることもできる。


 色々パターンを考えておいて、臨機応変に動けるように対応していくか。問題は荷物が確実に多くなる点だな。魔石ドロップ100%であることを念頭に置いて少し大きめのバッグを用意していかないと十層にたどり着くまでにバッグの中がパンパンになってしまう可能性すらある。


 バッグの中に更に小さいバッグをいくつか入れて行って、カラビナか何かで引っ掛けられるようにし、荷物が多すぎて持ち帰れないといったケースが発生しない様にしておきたいしな。何より、置いてきぼりになった魔石やキノコが勿体ないし。


 さて、明日を楽しみにしておいて、明日のために今日はダンジョンも無しで、一日勉強に使っておくことにするか。名古屋大学の理系の赤本の解き作業に費やそうかな。地元では一応トップクラスではあるし、そこまでの大学の学部の問題が解けるようになっていればもうちょっと低い感じの学部であっても問題なく合格することができるようにはなるだろう。


 流石に旧帝大レベルの理系の実力が必要だとは思わないが、新設学部でしかもダンジョンという特殊な環境である以上、下手に賢い奴がこれからの時代はダンジョンだ! とばかりに応募して、結果的に難易度が上がってしまう可能性もある。気を抜かずにいくとするか。


 これからはダンジョンの時代が来るかもしれない。そんな中で世の中の趨勢を見極めて専門学部を出ているとなれば、世の中の機微に敏いとして評価される部分もあるかもしれないな。まあ、それは本命として滑り止めとして近くの国公立大学でそこそこの場所を選んでそこを滑り止めにして行こう。



 ◇◆◇◆◇◆◇


 翌日、早速食材をそろえて待っていると、朝早くからメールと共に玄関の呼び鈴を鳴らす音。スマホには「到着した。中入れて」のメッセージ。早起きしててよかったな。普段通りならまだ寝床の中だったり顔を洗っている最中だったかもしれない。


 早速彩花を部屋に招き入れ、昼食作りの準備に入る。さて、今日は何を作ろうかな。ご飯は念のため炊いておいたので、そこで時間を取られることもない。


「探索に時間を取られるのが解ってるので、時短レシピで行くわよ。お腹が満たせればいいという方向で行くわ。よって、冷凍食品をメインにしたおかずで埋めて、その中でもできるだけ美味しく頂けるようにしましょう」


 彩花もいくらか食材を持ち込んでいる。中身を覗いてみると、食材というより調理済み食品……要するに冷凍食品の類が結構ある。後はニンジンと卵ぐらいか。案外シンプルなものを持って来たな。


「というわけで、冷凍食品分はこっち。実際に作るのは人参しりしりと卵焼きぐらいのものね。後は順次レンジで温めて、お弁当箱に詰めていきましょう」


 冷凍食品担当になって俺は、それぞれ温めては弁当箱に詰めていく。一つずつというわけではなくいくつかの食品をまとめて解凍して温めていくので短時間のレンジアップで済むが、その間に彩花も料理を作り続けているのでどっちが早い、というものはないだろう。


 手際よく作っていく彩花に見惚れつつ、弁当箱の空き地をきちんと作りながら冷凍食品で覆われていく。普段はここまで冷凍商品メインで弁当を作るぐらいならパスタで済ませるため、新鮮な弁当が出来上がっている。


 これはこれでなかなか面白い。冷凍食品が珍しくて楽しみを覚える子供のような気分にさせてくれる。


 全ての料理が並んだところで、彩花がバランスを取って抜く一品をきめて、その分だけ手作り品が増えていく。ピッキングされた冷凍食品は今ここで味見だ。


 冷凍餃子が一つ抜かれたので早速食べてみる。まだ温度はアツアツだ。早速口に入れてほふっとしている中で口の中でしっかりと味見をしていく。


 ……冷凍餃子ってこんなに美味しいのか。これからもっと頻繁に使ってやってもいいぐらいの美味しさでできている。温めたてという理由もあるんだろうが、とにかく美味しい。


 自作の弁当もそろそろ転換期に向かう時期かも知れないな。いや、高三になって今更かよ、と言われそうでもあるが金もそれなりに稼げて潤沢に生活が出来始めた今このタイミングで色々手抜き弁当でも贅沢品である所の冷凍食品を混ぜ込んで使っていくことも考えていこう。


「ざっとこんなものね。その気になれば冷凍食品と簡単な調理でここまで出来るんだから、幹也も睡眠時間を少し削って色々試してみるのがいいんじゃないかしら」

「そういう気分にさせてくれたのは確かかな。冷凍食品で時短して、具材を増やしてパスタ、というのも悪くないし、探せばカット野菜の冷凍品もある。もう一手間加える余地があることには気づけたかな」

「それは何よりね。これからお弁当や昼食が豪華になっていくことに期待しておきましょ」


 さて、お昼ご飯は出来上がった。俺用の少し大きめのお弁当箱と、彩花用の少し小さめのお弁当箱。中身は同じだが体格が違う分だけお弁当箱の大きさが違っている。


 後は水分だな。前回七層ではかなりの水分の消耗をしてしまったおかげでちょっと危ない感じになったからな。少し多めに水分を持っていこう。ペットボトル一本分ほどの水分を余分にバッグに入れると、準備は……後は大丈夫かな。


「忘れ物とかないよね? 水分は余分に持ったし、お腹は大丈夫だし、体調も万全。しいて気にするなら、地図がない分自分で作りながら進まなきゃ行けないぐらいか。とりあえず六層までは順調に進めるからその後だな」


「ということは幹也は六層までは一度潜ってるってことよね。戦利品は何かあったの? 」


「ああ、そうだ。忘れるところだった。戦利品のお裾分けがあるんだった。スキルスクロールの安くて効果的そうなやつがあるから彩花にも二つほど渡そうと思ってたんだ」


 ベッドの下の魔石箱から【剣術】と【体捌き】のスキルスクロールを取り出して渡し、鑑定サイトで確かめてもらう。


 ついでに値段も調べたのか、少し悩んでから彩花が言葉を切り出し始める。


「今これを渡すってことは、後日スキルが体に馴染んだ後でしっかり働いて、長い目でみた時に得になる、と考えて譲ってくれる、ということでいいのよね? 」


「彼女特典も込みで言えばそういうことになるかな。下地になるようなスキルは早めに覚えて馴染ませるほうがいいらしいし。後から請求したりはしないからドンと構えて使ってくれると嬉しい」


「納得できる答えがもらえたということで覚えるわね。どうやるのかしら? 」


「頭の中で習得したいと念じればいいらしい。そうすれば後はスキルスクロールのほうから自動的に仕事をしてくれる」


「なるほど……こうかしら」


 どうやら無事にスキルスクロールの使い方を学んだようで、【剣術】と【体捌き】それぞれのスクロールを使い、文字を体の中へと染み込ませていった。


「これでちょっとは動きに補正がかかるようになる……だったわよね」


「何もないよりはそれなりに体の動きを自動的に直してくれるはずだから、それに沿って体を動かしていくことでより洗練されて確実な動きが出来るようになる……らしい」


「らしいってことは、覚えてからまだ試運転してないってことなのかしら? 」


「そうなる。俺も【体捌き】と【剣術】、それから【エネルギーボルト】を覚えたけどまだ試運転してないんだ。今日の探索でそれのテストも込みで少しずつ学んでいく形になるかな」


 早速潜る準備を始める。交互に着替えていつもの装備になると、大きめのバッグを背負ってそこに弁当と水分、そして細々とした日常雑貨をいれていく。


 後は武器を抱えればいっぱしの探索者の出来上がりだ。


 彩花も同様に準備ができたので、二人頷き合うとクローゼットの中の秘密に領域にアクセスしていく。


 この先は内緒の見えないダンジョン。経験値効率が壊れていて、ドロップ品の効率も10倍以上の楽しいダンジョンだ。さあ、探索を楽しもう。そして今日も目標に向かって歩いていくのだ。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
さて3重取得のスキルの活躍や如何に〜 続きが楽しみです〜
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