第五話 朝の城と仲間たち
朝の柔らかな光が城の大広間に差し込む。
リリィは目を覚まし、毛布に包まれたままそっと起き上がった。
耳がぴくぴく、尻尾も少し揺れる。昨夜、カインと同じ部屋で過ごしたことがまだ夢のように思える。
「おはよう、リリィ」
低く落ち着いた声。眠そうにまぶたを開けると、カインが窓際で立っていた。
金色の瞳は朝の光に優しく光り、黒い外套が肩にかかる。
「おはようございます……カイン様」
少し緊張しながらも、リリィは頭を下げる。耳と尻尾が小刻みに動き、胸が高鳴った。
「昨夜はよく眠れたか?」
「はい……おかげさまで」
「良い。慣れぬ城での初夜にしては、落ち着いていたな」
カインの声には威厳と優しさが混じり、リリィの心を少しだけ軽くする。
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朝食の広間には、カインの部下たちがすでに揃っていた。
整列した部下たちは、リリィを見ると礼儀正しく頭を下げる。
「おはようございます、リリィ様」
「おはよう、リリィ姫」
鋭い金色の瞳の戦士ハルは、リリィの歩く隣で警護をしながら微かに微笑む。
温厚な笑顔の補佐レナは籠に朝食を運び、優しく声をかける。
「リリィ様、城に慣れるまで何でも頼ってくださいね」
年長の兵士ミロは落ち着いた口調で補足する。
「無理せず、ゆっくり慣れていけばいい」
リリィは少し照れながらも礼を返す。
尻尾がわずかに揺れ、耳がぴくぴく動く。
――カインだけでなく、城の者たちも優しく迎えてくれるのだ。
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朝食後、カインはリリィに静かに話しかける。
「我が仲間たちは、おまえを支える者たちだ。恐れず、遠慮もする必要はない」
「はい……」
耳を伏せ、尻尾を丸めながらリリィは頷く。
胸の奥がじんわりと温かくなる。
「おまえが城に慣れ、我の側にいる日々が続くほど、互いに心を開くだろう」
金色の瞳が優しく光る。
リリィの胸は期待と少しの緊張で高鳴った。




