第16話訓練
朝の光が柔らかく差し込む城の訓練場。
リリィはまだ猫獣人の耳と尻尾を抱え、少し緊張した面持ちでカインの前に立っていた。
「リリィ、今日も姿勢と動きの訓練を続けるぞ」
カインの低く落ち着いた声に、リリィの胸がドキリと高鳴る。
「はい、カイン様……」
ここ数週間、二人は毎日訓練を重ねてきた。
耳や尻尾を意識的に抑え、背筋や手足の動きを整える――簡単ではないが、カインの優しく的確な指示に従い、少しずつ成果が現れ始めていた。
「肩の力を抜くんだ、リリィ。尾も自然に動かせ。焦る必要はない」
カインは耳と尻尾にそっと手を添え、デコに軽くキスを落とす。
「我はおまえの努力を全部見ている。おまえは十分に美しい」
リリィは小さく耳を後ろに倒し、尻尾を少し巻きながらも、胸いっぱいに甘さと幸福を感じた。
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何度も失敗しては立ち直り、何度も挑戦しては改善する――数週間の努力の末、リリィは鏡に映る自分を見て息を呑んだ。
耳が少し伏せられ、尻尾も前より小さくなっている。
「できた……少しだけ……」
カインは微笑み、そっとリリィを抱き寄せる。
「よく頑張ったな、リリィ」
デコ、頭、頬、唇に順にキスを落とし、優しく溺愛する。
「おまえは我だけのものだ。誰にも渡さぬ」
リリィは耳を伏せ、尻尾を小刻みに揺らしながら甘く蕩ける。
心の奥では、まだ少し人型に近づきたいという思いが残っていたが、確かな手応えに胸が温かくなる。
「カイン様……ありがとうございます……」
夜の訓練場には、二人だけの甘く濃密な時間が流れる。
リリィはカインの愛の中で、焦りと渇望を抱きつつも、自分が人型に近づける希望を感じていた。




