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黒豹の長と猫耳の花嫁  作者: はるさんた


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第十四話 図書室での甘い独占とリリィの想い

 夜の城内は静まり返り、暖炉の赤い灯りが図書室の壁を柔らかく照らしていた。

 リリィは一人で書物を開き、人型に戻れない自分の耳と尻尾をそっと触る。


 「どうして……私はまだ完全に人型になれないんだろう……」

 小さなため息とともに胸の奥に焦りが芽生える。

 それでも、カインに少しでも近づきたい――その想いだけが、リリィの背中を押していた。



---


 ふと背後で低く響く声に振り向くと、カインが静かに立っていた。

 「リリィ……何を考えている?」

 耳をピクピクと動かし、尻尾も小さく揺れる。

 「カイン様……まだ、完全に人型に戻れなくて……」

 視線を落とし、少し胸が締め付けられるような思いを告げる。

 「でも……少しでも、カイン様に近づきたいんです」



---


 カインは微笑み、そっとリリィを抱き寄せた。

 「バカだな……おまえは十分すぎるほど、我にとって愛おしい」

 耳を撫で、尻尾も優しく包み込む。

 リリィは甘く震えながらも、体をカインに預ける。


 「我にとって、おまえは唯一無二だ。誰にも渡さぬ」

 カインの囁きに、リリィは胸がじんわり熱くなる。

 それでも心の奥には、まだ満たされきれない想い――「少しでも近づきたい」という気持ちが残っていた。



---


 カインはそっとリリィのデコ、頭、頬、唇にキスを落とす。

 「耳も、尻尾も、弱さも未熟さも……すべて我のものだ」

 リリィは耳を後ろに倒し、尻尾を小刻みに揺らしながら甘く蕩ける。

 だが心の中では、まだ自分を成長させて、少しでもカインに近づきたいという思いが消えなかった。


 唇に軽く触れる最後のキスで、リリィは体をカインに預けながらも、静かに心に誓う。

 「私……カイン様のそばで、もっと……もっと近くにいたい」



---


 夜の図書室には、二人だけの甘く濃密な時間が流れる。

 カインの独占的な溺愛に包まれつつも、リリィの心には成長と愛への渇望が静かに燃えていた。



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