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丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
7/97

7 大うさぎ

ばあちゃんに剣や弓を教えてもらって半年以上になる。

僕は、自分の身は守れるようになってきた。

狩りも、1人でできるようになってきた。

気配を消し、標的に近づき、弓矢で足を止め、短剣でトドメをさす。


ひらかれた土地に出なければ、赤鷲からは気づかれない。

大猪は、盛大に怒気を放っているので、遠くからでも存在がわかる。

川の大渕の深いところまで泳いで行かなければ、大雷魚に襲われることもない。


大うさぎは、1人で狩れるようになってきた。

大うさぎといっても、馬鹿にしたものでもない。

体は人間のこどもほどもある。

頭から生えている角は、短いが鋭い。

動きはすばやく、ジャンプ力が普通ではない。

初めて1人で狩るときには、角にはくれぐれも気をつけろと、何度もばあちゃんに注意された。

大うさぎの角で大怪我する人間は多いと。

でも刺さらなかった。いきなりよけそこない腕に食い込んだけど、刺さるほどではなかった。

冷静になり、大うさぎの動きを見た。落ち着いて精気を静かに目に流すと、大うさぎの動きを捉えることができた。

大うさぎの突進を横にかわし、静かに剣を振り下ろすと、大うさぎは動きを止め、息絶えた。

精気を、自分の身体の必要な一箇所に、慎重に集中させるのには慣れてきた。

しかし、それを違う箇所にすみやかに移していくのには、集中力が必要で難しかった。


ばあちゃんに教えてもらいながら、大うさぎを解体した。

肉は食べ物になり、毛皮は服や敷物になり、角は強いヤジリになる。

余った肉は、煙でいぶして保存食になった。

自分たちを生かしてくれる生き物には感謝し、無駄な狩りはしなかった。

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