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チー牛転生 〜イケメンになってもガチ陰キャ〜  作者: チー牛皆伝
第3章 学園2年編
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第74話 チー牛は進級後も特に変わらない

 


 俺たちは2年生に進級した。


 ユリアとネクラは魔法科、レッドとブルーは剣技科、俺は魔法剣士科だ。それにしても、先輩になるのか……感慨深いな。まあ、後輩なんてできるわけないし、正直どうでもいいけど。


 正直、こんなやばい性格の奴でも、勝手に先輩になるシステムって、欠陥じゃね?留年するようなことをしなければ、強制進級、しかも1年早く生まれただけで“先輩”!だぞ?なんか、引っかかるよなあ。まあいいや。


 クラスはもちろん、魔法科と剣士科で別々になる。魔剣士科は特別クラス扱いなので、所属クラスに決まりはないのだが、俺個人の要望で魔法科のクラスに行くことになった。


 ていうか、ユリアの護衛は信教徒騒動が収まるまではしなきゃいけないし、1人にしてはまずいからな。メイドに文句言われそう。


 あと、またユリアとネクラと同じクラスだ。1年のときとクラス構成はほとんど変わらないってことだな。レッドとはまた別クラスってことだな。


 2年になってからも、特に何かあるわけでもなく、平和な日々が続いている。


 ちなみに、魔法科には以前ギルド体験で出会ったサンもいた。というか、1年の頃も同じクラスだった。クラウドやムンは多分、剣士科に行ったのだろう。サンはこちらに気づいてやってくる。


「チーとユリアだ!久しぶりー!」


「あ、はい」


「久しぶりだね、サンちゃん」


 1年の頃、ユリアとサンはよくペアを組んでたし、やっぱ仲いいのか?


「ていうか、サンちゃんってチー君の事知ってたんだ」


「うん。ギルド体験の時一緒のパーティだったし」


「あ、そうだったんだね。チー君すごかったでしょ」


「すごかったよ、Aランクのボスゴリをひとりで――ぶふおっ!」


 俺はサンの顔めがけて軽く風魔法を放ち、強制口止めする。サンは後ろに大きく体を反らしてバランスを崩して倒れそうになる。


 女子らしくない声が響いたな……いや、わりと男でも出さんぞあの声。てか、マジでお前、ただでさえ声でかいんだから、俺のことベラベラしゃべんなや。周りのクラスメイトに聞かれたらどうすんだよ。


 俺はひっそりと実力を隠しながら目立つことなく生きたいんだよ。認められるのも悪くはない……が、目立つのだけは絶対に嫌だ!!!


 サンは体勢を戻して、俺の方を向く。


「なにすんのさチー!」


「あなたの声でかすぎるんすから、しゃべんないでください」


「ひどくない!?」


 やべえ、語彙力無さすぎて、ただの悪口じゃんこれ。冷静にしゃべろうか。


「ああ、言い方があれっすね。俺のことは大声でしゃべんないでほしいです。変に目立ちたくないんすよ。視線が怖いんすよ。平和が一番っすから」


「えぇ〜、なんでさ〜」


「次また俺の話を大声でしたら、今度は頭ごと吹き飛ばしますからね」


「怖い怖い怖い!ユリア、チーって普段こんなんなの?てか結構しゃべるね」


 サンはユリアに焦った様子で聞く。ユリアは困ったように笑いながらサンに返す。


「あ、あはは……チー君ほんと目立つの苦手だからね……。確かに、たまに恐ろしい事平気で言ったりするね」


 そうだよ。目立つのは嫌なんだよ。まあさすがに頭吹き飛ばすのは誇張が過ぎるが、マジでそれくらいやめてほしい。俺は必死なんだよ。


 サンはすぐに気を取り直してユリアと話す。


「ねえねえユリア。サンね、将来チーとパーティ組むことにしたんだ」


「え?」


 ユリアが異常に驚いて、慌て始める。そして俺に耳打ちしてきた。


「ど、どういうこと?私と将来パーティ組むって言ったじゃん?」


 なんか修羅場みたいになってね?俺はすぐに冷静に事情を話す。


「あ、なんか勘違いされてる気がするんすけど、えっと、実際はクラウドって男子に誘われて、パーティ組む約束しただけなんすよ。その、クラウドって人はツンデレだけど、仲間思いで頼りになる、と思う。えー、別に彼らが一緒でも構わないですよね?」


「え?あ、そうだったんだね、うん、それなら良いかも。その、チー君に仲間ができて良かったと思うよ」


 別に先に約束してたユリアをパーティから外す、なんて外道なことは言ってないからな。まあ、俺も仲間ができるとは思わなかった。


 まあそんなこんなで、ユリア、レッド、ネクラって友人ができて、サンとクラウドっていう仲間もできた。俺にはこれで十分な気がする。チー牛がイケメンに生まれ変わるだけで、前世を引きずってもここまで成長できたんだ。


 やっぱ、顔って素晴らしい。こう言うと身も蓋もないけど、でもこれが真理だ。



 ---



 俺は最近、1年後期辺りから、暇な時間は図書館に通い詰めていた。理由は単純、暇だからだ。ゲームなどの娯楽が無いからだ。


 マジで、前世ではゲームしかしてこなかった俺が、ゲームが無いこの世界でよく生きてこれたものだ。父さんや友人の支えがなかったら、俺は発狂死してたかもしれない。……いや、それは盛ったな。


 この図書館は基本的に何でもそろっている。かなりの広さである。利用者は、そんなに多くはないけどね。


 ちなみに、読むのは、主に魔法教本だ。以前も言ったかもしれんが、学園にも通っていない天才の子供がいて、その子が書いた魔法教本がある。


 俺が最近、詠唱短縮できるようになったのも、その本のおかげだ。あまり有名じゃないけど、一番わかりやすかった。


 あとは、普通に小説も読む。この世界にも一応小説はあるが、まあ、前世ほどの面白さはないよね。暇つぶしには十分だけど、やっぱラノベが読みてぇ。アニメも見たい……。


 ああ、あのアニメ今はどうなってるんだろう……やべえめっちゃ続き気になる!くそ、死にたくなかった!もっかい地球行けたりしないかなあ……。



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