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チー牛転生 〜イケメンになってもガチ陰キャ〜  作者: チー牛皆伝
第1章 転生編
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第5話 チー牛は初魔法にガチ興奮する

 



 俺はいつの間にか、5歳になっていた。


 3歳ごろから読み始めた本は父さんにバレずに順調に読み進めている。


 5歳とは言っても、この世界の5歳は地球で言う6歳だ。意味わからんやろ?


 実はこの世界の1年は、地球の約1.2倍。448日ある。


 つまり、地球で言うところの1.2倍くらいの重さ。


 俺は今5歳だが、地球換算なら6歳なのだ。


 ……まあめんどいから普段はこの世界の年齢でいくけどな。変換してたら脳がバグる。


 天文学者じゃないから細かいことは知らないが、地球が存在する宇宙とはまた別の宇宙の星なんだろうな。文字通り”異”世界って感じだ。


 この世界でも学校はあるらしく、一般教養もそうだが、自由に魔法や剣術の授業を受けられる夢のような学園だ。


 この世界の15歳(地球で言えば18歳)からが成人とみなされ、学園卒業と同時に成人らしい。


 なんで学校が13歳からとかこんなに遅いのかは、詳しくは知らん。


 ある程度は家庭でも基本的な教育や文字の読み書きだけは受けるっぽい。俺も父から文字の読み書きについて習っている途中だ。


 なぜ学園に通うのが遅いのかは多分、魔法とか剣を扱うには多少体が出来上がってないと危険だから、だと考察する。


 卒業後は、ほとんどの人はギルドに正式に加入する。


 他には普通に実家に帰って家業を手伝ったり、ニートしたり、まあ様々だな。


 で、この世界も義務教育なので、全ての子供が13歳から通うことにはなるのだが、学園か――


 いくら異世界とは言え、あまり聞きたくない単語だ。


 いい思い出なんて一つもなかった。人と関わりたくない。人が怖いのは今も同じだ。


 さすがに父さんとは普通に会話する。けど、他人は怖い。今も昔も。


 また俺を敵視してくる人がいるかもしれない、俺をよく思ってないかもしれない。


 俺はそんな恐怖に再び怯える生活なんてしたくない。


 できれば、学園には行きたくない。だから、学園に行かなくてもいいように、魔法を勉強している。多分、無理やり行かされるだろう。


 なんで義務教育なのかは、やはりこの世界が死と常に隣りあわせだからだと考える。俺はまだ見たことは無いが、外には人を襲う魔獣が多いからだ。


 自分の身を守るためにも、学園は必要だ。もちろん、自立のためもあるだろうが。……まったく、異世界ってやつは。


 さて。お待ちかねの魔法についてだ。


 俺が読んでいる魔法教本によれば、基本は火、水、土、風、光の5種類に分かれているようだ。


 魔法はそれぞれ、初級・中級・上級・超級の4段階に分かれていて、初級は日常生活で使える程度、中級以上からは戦闘でも使えるようなイメージだ。


 そして魔法には適正という才能のような要素がある。


 適性は人によってバラバラだ。一応、人は全属性を使えるのだが、適性はあくまで、上達スピードが関係しているようだ。


 適性があれば子供のうちから上級を取得できるし、なければ一生かけても中級すら取得できないこともあるようだ。


 正直、俺にはよくわからん。一応、全属性の初級魔法を試してみたが、全部すんなり使えた。


 後で俺の初めての魔法については語るが、今は魔法についての考察をそのまま続ける。


 魔法の発動ってのは、基本的には詠唱だ。


 この世界には魔素というものが充満している。その魔素を詠唱によって火や水に変えることができるようだ。


 詳しいメカニズムは分かっていない。


 ただ、この世界の人間は、空気中の魔素を無意識に体内に吸収しているため、体内に魔素が充満しているようだ。


 詠唱すると、魔素が体内を巡って、手から抜けていくような感覚がある。


 魔素というのは便利で、火や水などありとあらゆる物質に変換できる。


 この世界では科学がない代わりに、魔素が火や水の代わりになる。つまり、なんでもアリな万能エネルギーってわけだ。


 そろそろ、俺の“初めて魔法を使えた話”をしてみようか。


 俺が魔法を初めて使えたのは3歳の頃。父さんに内緒で魔法教本の初級から読み進めていた。


 なぜ内緒か?父さんは親ばか気質があるから、息子が天才だとか言って周りに言いふらされたら嫌だからだ。


 自身の魔素量が0のようなイレギュラーでもない限り、マニュアル通りに詠唱するだけで魔法が発動する。


 ということで、どの魔法を試してみようか考えた。


 火魔法は危険だし、水魔法は床が濡れるだろうし、光や土魔法は難易度が高い。


 結局、消去法で風を起こすだけの風魔法の詠唱をしてみる。


 詠唱しながら、近くの布団を浮かせてみる。すると、ちゃんと風が手から出て、布団がふわっと浮いた。


 おお、これがほんとの布団が吹っ飛んだ、なんつって。つまんねえ?だからチー牛だって?なんとでも言え。


 初めて魔法が成功した瞬間、俺は内心めちゃくちゃ興奮していた。


 異世界キター!って感じがしたな。


 何より、魔法は楽しいのだ。魔法を覚えるということが楽しい。


 地球でやったような、数学だの英語だの、そういう勉強は楽しくなかった。


 難しいし、成果は出ないし、何よりつまらない。役に立つ勉強がほぼない。


 古文とかサインコサインとか、普通に生きてて、いつどこで使うんや。マジで。


 でも、この世界では魔法は恐らく役に立つ、魔法は発動するかしないかなので、目に見えて成果が出る。


 だから、地球では何一つ成功体験もなく、何もやる気も出なかった俺でも、魔法は続いている。


 まあ、まだ魔法覚え始めて2年だし、この世界はゲームみたいな娯楽がないから、常に暇ってのもあるな。


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