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チー牛転生 〜イケメンになってもガチ陰キャ〜  作者: チー牛皆伝
第1章 転生編
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第0話 プロローグ

※ガチのド素人が完全趣味で書いた作品です。

ちょっと尖った表現や被害妄想寄りの語りもありますが、あくまで主人公の主観としてお楽しみください。

異世界イケメンに転生したチー牛の、少し不器用でちょっとリアルな青春(と妄想)物語です。




「起きてよ、チー君。朝だよお!」


 なぜか懐かしいような、でも聞いたことのない少女の声で、俺は目を開ける。


 見たこともないような古びているような木製の天井が見えた。そして目の前には、まるでフィギュアのように整った顔立ちの金髪美少女がいた。制服姿で、まるで海外のアイドルのようだ。金髪碧眼なのに、しゃべり方は妙に日本人っぽい。


「あ、やっと起きた。今日も学園だよ? 朝ごはんはできてるからね」


「ああ。わかった。いつも起こしてくれてありがとう」


「え、チー君どうしちゃったの? いきなりお礼なんて……と、とにかく早く起きてね!」


「ああ」


 ……俺、何言っちゃってるんだろう。そもそものこのシチュエーションがおかしいのだが。


 なんで俺はこんな美少女と一緒の部屋にいる?


 それに俺は人とまずしゃべったこと等ほとんどない。こんなにしゃべれるわけないのに。いや、俺も成長したのか? バカ言え。そんなわけねえ。


 でも、これは俺の理想、なのかもしれない。こうやって普通にしゃべれたらいいな、なんて。


 俺はなぜかいつもより体が軽く起きられた。


 そして、パンと目玉焼きが置いてあるテーブルの席に着く。あれ。なんで、初めての部屋の景色なのに、知っているように俺はすぐに席に着いたんだ。


 そして俺は目の前に美少女を捉えつつ、朝食を食べる。普通だ。いや……味が、しない? よくわからない。


 食べ終わって俺は制服に着替える。体が勝手に動いてしまう。


「じゃあ、行こっか。チー君」


「ああ」


 俺とその美少女は部屋のドアを開け、学園? へと向かって行った。


 見たこともない景色。コンクリートなども無く、電気などもない。自然も多め。明らかに日本ではないのに、不思議に感じない。


「よ」


 後ろから赤髪の青年に声を掛けられる。明らかに陽キャ。いや、人を見た目で判断するのは良くない。でも誰だこいつ。


「ほんと毎日仲いいな、お前ら」


 青年がいつも一緒に登校している?俺と少女を見て笑う。


「そ、そんなんじゃないもん」


「そりゃ幼馴染だしな」


 少女は恥ずかしそうに否定する。正直、少女とは幼馴染だから一緒にいるくらいは良いだろう。何気ない会話。俺が普通に会話しているのもあり得ないが、少し楽しい。


 こんな学生生活を送ってみたいものだ。そのまま三人で学園へ向かう。


 学園は、俺のいつも見ていた学校よりも何倍もの規模の大きさだった。


 人も多い。気持ち悪いなあ。人混みは嫌いなんだよ。


 少女ははぐれないようにと俺の手を繋ぐ。人のぬくもりは感じなかった。


 教室は、恐らく、大学の教室の様な広さで、階段状になっていて後ろの席でも高い位置から、前方の黒板が見えやすくなっている。


 俺は適当な位置に少女と座る。どんな授業なんだろうか。普通に数学とか、なのかな。


 しばらくすると、担任の先生がやってくる。でけえな……俺には関係ないが。


 俺はふと、少女の果実辺りに目が行ってしまう。


 ……普通だ。これくらいがちょうどいいん――


「どこ見てんのさ!」


「……虚無」


「なんで!? わ、私ちょっとはあるからね!?」


 少女にバレていたので咄嗟に嘘をつく。


 あ、そう言う意味の虚無じゃないんだけど……。


 こんなの、現実なら終身名誉セクハラ野郎として社会的に終わるぞ。でも、少女は照れつつも気にしていないようだった。


 ついに授業が始まるが。みんな杖を取り出す。


 ……杖?


 俺もポケットを漁ってみると、杖が入っていた。これで何をするのだろうか。指揮者養成学校だったりするんか?


 すると一斉にみんな謎の言葉を発し始める。そして杖から出たのは、炎だった。


 魔法だ! すげえ!


 これ絶対夢だろ! と思っていても、俺も知っているように、自然に魔法を発動させていた。


 おもしれえな、これ。隣も火柱を出してビビる。


 何が指揮者養成学校だよ、んなもんあるか。いや、魔法も存在してたまるか!


 その後、飽きてきた俺は特に授業でノートを取るでもなく、ほとんどを突っ伏して過ごした。


 この世界でも現実でも俺は俺のようだ。


 全ての授業が終わり、疲れてるような、疲れてないような感覚のまま、少女と二人で寮へ帰るために帰路を歩く。


「今日も楽しかったね」


 隣を歩く少女は笑顔で言った。


「そ、そうだね?」


 俺は適当に合わせる。ほとんどサボってたし分からねえ。


「チー君今日も後半ずっと寝てたもんねー」


 まあそりゃバレてるよな。


「だって、真面目に授業受けるとかつまらんし……」


「もう、真面目にやってる人に失礼だよ」


「そうだね」


 この会話も少しだけ楽しい。この名前も知らない少女と。


 ……俺はこの子とどういう関係なんだろう。友達? 恋人?


 いや、あり得ない。このチー牛の俺がだぞ? 女友達なんて存在しない。あり得ない、あり得ない、冗談でもあり得ない。


 ……俺は、誰なんだ?


 やけに背も高い気がするし。この子の名前は、なんなんだ?


 少女は俺の動揺に気づく。


「どうしたの? 急に慌てて」


「……君は誰なんだ? 君の名前は、なんて言うんだ?」


「え? 何言ってるの? 私の名前は――」






「は!?」


 俺は多分、現実で目が覚めた。今度こそ、見慣れた白い天井だった。


 ……夢だったか。一生今の夢の中に籠りたかったところだが、一瞬で最悪な現実に引き戻される。


 まあ、夢でなければ、俺みたいな顔面偏差値1のチー牛の俺が彼女はもちろん、友達すらできるわけがないから。


 体がだるい。今日も嫌な学校だ。辛い。今日はどんないじりやいじめが起きるのか。


 俺はため息をつきながら、起き上がり、学校に行く準備を始める。


 ……二度寝しよっかな。

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