勉強会
「お、終わんねぇー!」
金曜日、俺たちは勉強会をしている。というか、楓の勉強に付き合っている。
今日は、俺と楓、貴也の3人。亜澄と紗理奈さんは予定が合わなかったらしい。
宿題は早めに終わらせて、残りは夏休み明けテストに備える計画の俺と貴也。もう宿題のワークなどは終わっている。
一方、何も考えずに後に残して後半に死ぬタイプの楓。俺と貴也が終わっていると、そろそろ危機を感じたのか、勉強会と称し、付き合わされている。
「だから言ったでしょ。始めにやっときなって……」
貴也に怒られている楓。貴也は面倒見がよくて、男子の間ではお母さんなんて呼ばれることもあった。本人はめちゃくちゃ嫌そうだけど……
貴也は怒りつつも、しっかりと問題を教えてあげている。スパルタだから楓はいつもついて行けないみたいだ。
数学のワークは、いつも俺が教える。やっぱり楓は数学が1番真っ白だった。
「なんか勉強のやる気出すためにやってることとかあるのか?」
頑張って話を逸らそうとしているのか、単純に頑張ろうとしているのか……
「やる気かぁ……まぁ、俺は単純にできると嬉しいからかな」
「楓だったら、ゲームとか漫画とかじゃない? テスト期間が明けたらできるって考えたら、やる気出るでしょ」
楓の部屋には、趣味のものがいっぱいある。色々教えてもらったことはあるけど、俺にはあんまり分からない世界だ。
でも、それを見ている時の楓は楽しそう。好きが、心から伝わってくる。
「そーだよなぁ。勉強しようと思っても、気付いたら漫画見たりしちゃうし……」
「まぁ、部屋にこれだけあればね……」
その後も、貴也と俺が教えて、何とか楓の宿題は終わった。
楓は疲れ果てて、しばらく死んだように床に転がっていた。
「2人とも、夏祭りって行くか?」
生き返ったらしい楓が、急に質問を投げかけた。
「その日、丁度実家に帰るから俺は行かない」
楓の部屋にたくさんある漫画を読み漁っていた貴也が答えた。
「俺は紗理奈さんと行く予定だよ」
「紗理奈と!?」
姉と同じような反応をする楓。そんなに驚くのか……
でも、貴也は驚いていなかった。
「楓は行くの?」
「俺? 多分部活の奴らと行くと思う」
交友関係の広い楓は、部活でも中心にいる。そのため、部活などで遊びに行ったりをよくしている。
「去年の花火凄かったよね。まぁ、その分人が多いけど……」
人混みがあまり好きではない貴也は、あまり自分から夏祭りには行かない。
「だよな~! 今年も楽しみだな、花火」
「また写真送ってね」
「おう!」




