好きな人
そんな、紗理奈さんの告白。
「それって……貴也?」
「えっ? ど、どうしてっ……」
だって……
「2人、結構一緒に居るし……お互いに心を開いてる、というか……って、違うの?」
てっきりそうだと……俺、結構思い込みが多いのかも。前も、立花のこと誤解してたし……
「違うわよ……貴也くんは、友達」
「じゃあ、誰なの?」
「それはっ……」
「おーい! 2人も来いよ~!」
楓が、遠くから呼んだ。
「来ない方が良いよ……楓のせいでビシャビシャじゃん!」
3人で言い合って、また水をかけ合う。
何してんだよ、あいつら……
「あ、えと……」
流石に、今のでそういう雰囲気じゃなくなってしまった。
「まぁ、言いたくなったら言ってくれる?」
「え、えぇ……!」
喉が渇いて、自販機に向かう。
紗理奈さんの、好きな人……誰なんだろう。貴也じゃないなら、楓……は違うか。他の男子と一緒に居る所は、あんまり見ないけど……
「私コーラね」
「うわっ!? なんだ、亜澄かよ……」
急に後ろから来たから、驚いた。言われた通りコーラを買って、亜澄に渡す。
「紗理奈と、何話してたの?」
「えっと……普通に色々……」
多分、あんまり話さないほうが良い話題だろうな。誤魔化しが下手だけど……
「へぇ……」
亜澄は察して、何も言わずに戻っていった。
「好きな人、か……そういえば、亜澄の彼氏も……」
昨日も誤魔化されたし、一体誰なんだろう。
「……亜澄の彼氏って、本当に居るのか……?」
自分で思ったけど、そんなわけない。亜澄はモテるし、他校に彼氏がいる、とかなんだろう。
そんな、見栄を張るみたいな嘘なわけない。
でも、教えてくれない理由も分からない。
「……」
気になるけど、俺から聞くのもなぁ……
教えてくれないっていうことは、言いたくないのかもしれない。なら、俺は亜澄が言いたくなるまで、言ってくれるまで待ちたい。
紗理奈さんも。俺は、応援したい。




