楽しみに
朝、昨日の夜にかけておいたアラームで目が覚めた。
夏休み中は、自分が起きたタイミングで起きることがほとんどで、まだこの時間帯は眠い。家族も、まだ誰も起きていなくて、新鮮な時間だった。
準備は昨日のうちに終わらせておいたため、少し部屋でゆっくりしようと思っていた。
部屋の前まで来た時、中から音が聞こえてきた。電話が掛かってきているらしい。机の上に置いていたため、スマホが揺れ、音が鳴っている。
亜澄だろうと思い、スマホを耳に当てた。
「……もしもし?」
「あ、樹くん。おはよう」
聞こえてきた声は、思っていたものと違った。
「紗理奈さん!?」
「えぇ、そうよ……?」
電話越しに聞こえる声は戸惑っていた。
「ごめん、おはよう」
「ふふっ」
電話でも変わらないんだな、この優しい笑い方は。
「ごめんなさいね、朝に……まだ寝ていたかしら」
「ううん。起きて、少しゆっくりしようと思ってたから大丈夫だよ」
「そうなのね……良かったわ」
紗理奈さん、電話だと声が少し高いな。緊張しているのかもしれないけど……
「私、今日が楽しみすぎて寝られなくて……」
声が眠そうだけど、大丈夫なのかな。
「あっ、子供っぽいわよね……」
「ううん。楽しみにしてくれて、嬉しいよ」
「……私も、こんなに夏休みを楽しみにしたのは初めてよ」
見なくても分かる。楽しそうな、見ていて安心する笑顔。
「あ、そうだ。紗理奈さん、門限とかってある?」
高校生で同い年とはいえ、女の子だ。暗くなる前に帰ったほうがいいし、家でも何か言われているだろう。
「私は……20時までなら大丈夫って言われたわ。」
「20時ね。暗かったら、送るから」
「流石に悪いわ。家、逆方向じゃない」
まぁ、なるべく速く帰れるようにしよう。危ないし。
「私、そろそろ家出るわね」
「分かった。また、後でね」
そう言って、電話を切った。俺も、そろそろ出よう。
「あれっ」 「あ」
家から出たところで、丁度亜澄も出てきたようだ。
「おはよ、樹」
「おはよう」
昨日のこと、聞きたいけど……今日は、今日を楽しみたい。
「楽しみだね!」
「……あぁ」
感想で、今後の展開について考察を頂きました。自分と違う視点での解釈は見ていて楽しいです!
ですが、それについてどうお返事をしたらいいのかが分からず…肯定も否定も違うと思うので、「感想ありがとうございます」というシンプルな文章にはなりますが、今後のお話の参考や、執筆の糧にさせていただいておりますので、これからも感想いただけると嬉しいです!




