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帰り道

 図書室での勉強会の帰り道。俺と楓、それと湊さんの3人で歩いている。

 方向、同じだったのか……湊さんは部活もあるし、朝も登校が早いから会ったことはなかった。

「夏休み楽しみだなー!」

「そうだな」

 楓は何も考えずに、いつも通りテンションが高い。

「……いつも、お菓子ありがとう。美味しいよ」

「本当? 杉山くんも木崎くんも、美味しそうに食べてくれるから嬉しいわ」

「……普通に、貴也でいいよ」

 律儀に苗字でさん付けされると、少し変な感じがする。それなら、名前呼びのほうが慣れている。

「本当? じゃあ……貴也くん?」

「……うん。樹も楓も、それでいいと思うよ」

 湊さんは、やっぱり距離感に慣れていないみたいだ。名前を呼ぶ練習、をしている。

「また、勉強会混じってもいいか?」

 楓が住むマンションの前まで着いたとき、楓が言った。

「えぇ、もちろんよ」

 楓が中に入って、2人になった。

 何を話せばいいのかな。女子と2人ってそんなにないし……

「貴也、くん」

「ん。なに?」

 やっぱ名前呼びはハードル高いかな……。

「樹、くんって彼女が居たことってあるのかしら……?」

「……俺が知ってる限りでは、いないと思うけど」

 まぁ、薄々気が付いてたけど……

「樹のこと、好きでしょ?」

 こう言ったって、下手な誤魔化しをするのかな。

 そう思ったけど、違った。

「……えぇ」

 本当に、好きなのが伝わってきた。

 樹がどうかは分からないし、大丈夫だよなんて責任感のない言葉は言えない。

「頑張ってね。樹は、良い奴だよ。見る目あるよ」

「うん!」

 力強い返事だった。この子は、応援したくなるな。

「わぁっ」

 スマホ画面を見ていた湊さんが、急に声を出した。

 怖い広告でも流れてきたのか……?

「貴也くんっ、これっ……!」

 嬉しさと困惑が混じった表情の湊さんが見せてくれたのは、メール画面。

「あぁ、これ樹のアカウント? 良かったね」

 というか、まだ交換してなかったんだ……。

「これ、どうしたらいいの!?」

「落ち着いて……友達になったから、ここからやり取りできるんだ。なんか送ってみたら?」

「えぇっ!?」

 驚きつつも、一生懸命文章を考えて入力する。焦っているからか、普段からしないのか、入力は少しゆっくりだった。

「これでどうかしら……?」

「……うん、良いんじゃない? 送ってみなよ」

「ん~……えいっ!」

 送信ボタンを押して、達成感を感じている。

「……グループから、俺も友達追加しとくよ。」

「いいの……!?」

「うん。じゃあ、ここ家だから」

「えぇ! また明日ね」

 笑顔で手を振って、歩き出した。

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貴也くんなんていい男なの 惚れそう笑
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