夏休みの予定
「夏休み、どこ行く?」
ノリノリの楓がそう言った。コイツ、もう勉強する気ないだろ……
他のみんなも、筆記用具を片付けだした。
「ん~、海とかかな?」
「やっぱり定番よね」
亜澄と湊さんは海を提案。
「夏祭りもあるじゃん?」
「花火もしたいね」
「バーベキュー!」
楓は夏祭りとバーベキュー、貴也が花火。
やりたいことはどんどん出るけど、中々まとまらない。
「樹は? なんかねーのかよ」
「え、俺?」
楓が、俺に振った。
特に、これがやりたいとかはあんまり……どこへ行っても楽しいだろうし、こだわりもない。
「んー……俺も海かなぁ」
涼しいだろうし、夏といえばって感じもする。
「やりたいこといっぱいあるなぁ。どれにする?」
「難しいわね……」
「ん~」
「ていうか、1つに決める必要なくない? 全部行けばいいじゃん」
1人、単語帳を見ていた貴也が言った。
「それはそうね。」
「夏休みは1日じゃないんだから」
「んじゃあまた決めようぜ! あ、湊さんメール教えて~!」
「わ、分かったわ……!」
湊さんは慌ててスマホを取り出して、バーコードを読み込む。
操作を楓に教えてもらいながら、何とか繋いだみたいだ。
「またグループ作っとくな~」
図書室を閉める時間だと司書さんに言われ、外に出た。
「じゃあ、またなー!」
「また……」
俺と亜澄、楓と貴也と湊さんの2方向に分かれる。湊さん、大丈夫かな……
「樹、帰ろっか」
「あぁ、うん。」
亜澄が歩き始める。俺も、それに着いて行く。
「夏休みかぁ、樹はなんで海が良いの?」
「……特に理由はないよ。どこに行っても、楽しいだろうし」
「樹らしいね。でも、確かにどこでも楽しいと思う」
夏休みはいつも、課題を早めに終わらせて、後から楓と貴也と遊んだり、家で適当に過ごしたり。大人数で過ごすことはあまりなかったな。亜澄とも、一緒にどこかへ行ったりはしていなかった。
「……楽しみだな」
「うん、楽しみ!」
まぁ、その前にまたテストだけど……
「あ、また勝負する?」
「もうそれはいいだろ……」
同点になるし、それに心臓に悪い。
「ふふっ、じゃあね!」
笑顔でそう言って、なぜかそのまま俺が家に入るまで見守ってくれていた。
家に帰ると通知が来て、5人のグループができていた。
俺は、湊さんと繋いでいないことに気付いて、グループから友達に追加した。




