かっこいいね
「それで、紗理奈! どうだったの!?」
お昼休み。ご飯を食べた後、亜澄と中庭で作戦会議。
「ええっと……お昼は一緒に食べれたし、フィナンシェも渡せたんだけど……」
「けど……?」
「2人きり、ではなかったわ……」
木崎さんと杉山さんが居たけれど、お昼を一緒に食べれたのは良い進歩だって、亜澄が褒めてくれた。
「フィナンシェも渡せたんなら、良かったじゃん」
「そうね…!」
亜澄がフォローしてくれて、少し安心できた。
「……樹はね」
少し寂しそうに、亜澄が話し始めた。目の前に座っているのに、目線が合わない。まるで、独り言みたい。
「昔からすっごい鈍感なの。ちゃんと言葉で伝えないと分からない。だから、割と辛いかも……」
亜澄も、何かあったのかしら。伝わらなくて、上手くいかなかったことが……
「……そういうところも好きだから、大丈夫よ。」
少し恥ずかしいけど、これは本心。駄目なところも、全部好き。
そう言うと、亜澄は驚いていた。しばらくして、笑い出した。
「あははっ、紗理奈ってかっこいいね! ……そうだよね、紗理奈なら大丈夫だよ」
良かったわ、引かれたわけじゃなかったのね。
「えぇ、頑張るわ」
亜澄は、私をとっても応援してくれる。その期待に応えられるように、私も頑張らないと。
「じゃあ、次のミッションね!」
亜澄がやる気を出して、追加された私のミッションは……
「メール、交換……?」
「そう。交換すれば、家に居ても会話ができるし、大きな進歩よ」
「で、でも……断られたらどうすればっ……」
立ち直れないし、それってつまり脈ナシということになるんじゃないかしら……?
「大丈夫、言葉で伝えないとでしょ?」
「……分かったわ。頑張ってみる……」
不安だし怖いけれど、私が前に進まなきゃ、ずっと同じ場所で止まってる。
相手からは、きっと動いてくれない。私が動かさないと。




