約束と勘違い
「協力……?」
「私、自分からグイグイいくのってあまり得意じゃなくて……亜澄にサポートしてほしいのっ」
深々と頭を下げる紗理奈。本当に、樹のこと好きなんだな。
「全然良いけど、サポートって何すればいいの?」
「……分からないけど……とりあえず、助けてほしい!」
「っふ……紗理奈って、結構大雑把なところあるんだね~! いいよ、助けてあげる!」
こうして、私たちは約束をした。
「なぁ亜澄、今日湊さんと何話してたんだ?」
亜澄も湊さんも、なぜか機嫌が良い気がする。2人で、何を話したんだろう……
「紗理奈と? 別に、何も話してないけど?」
紗理奈って……名前呼びになってるし。
「何で急に仲良くなってるんだよ……?」
まぁ、仲が悪いんじゃなくて良かった……のか。
「……紗理奈って可愛いよね~」
亜澄が突然そう言った。昨日も言ってたけど……
「まぁ、そうだな」
もちろん容姿もそうだけど、中身も優しくて、たまにどこか抜けてて……なんだか見守っていたいような。
「樹は、紗理奈のことどう思う?」
「……どうって、普通に友達。まぁ、妹みたいな感覚ではあるかもな。なんか放っておけないんだよ」
「あぁ……なるほど……」
亜澄の声のトーンが下がった。なんか俺、駄目なこと言ったのか?
「紗理奈、苦労しそうだな~……」
亜澄が何か言ったけど、聞き取れなかった。
「あ、樹って彼女居ないよね?」
「お前、今日なんか勢いあるな……居ねぇよ彼女なんて! 分かってるだろ」
「そうだよねぇ~」
コイツ、絶対分かってて聞いただろ。自分が居るからって……
「お前は居るんだっけ? 同じクラスの立花!」
「……何で岬くんが出てくるの?」
さっきまでノリノリだった亜澄の機嫌が、また戻ってしまった。
今日、忙しいな……
「立花じゃねぇの!?」
「違うって……何でそうなるのよ」
立花には他校に彼女が居るらしい。名前で呼んでいたのは、後輩に立花の弟がおり、ややこしいから。
「何だよ……」
「勝手な勘違いしたのはそっちでしょ」
「お前もな」
「ふふっ」 「ははっ」
「じゃあ、また明日ね」
「あぁ。じゃあな」




