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初めてのお客さん

1000ポイント、60000pvありがとうございます!

「相馬くん、よかったらうち来てくれない……?」

「えっ!?」


 湊さんに言われた時は驚いたけど……

「これなんだけど……」

 ケーキの試作品があるから、食べてみてほしいらしい。

「実はこれ、もう少し手を加えたら、お父さんがお店で出してもいいって言ってくれたの」

 湊さん、凄く嬉しそう。まぁ、自分の商品がこのショーケースに並ぶって思ったら嬉しいよな。

「じゃあ、そのためにも俺がしっかり食べなきゃね」

「ふふっ、よろしくね」

 緊張してる湊さんの横で、ケーキを一口食べる。

「んっ、美味しい!」

「本当? 良かった」

 チョココーティングも結構食べやすいし、乗っているベリーの酸味も相性が良い。

「何か、駄目なところはあるかしら?」

 メモの準備をする湊さん。美味しいけど……それだけじゃ駄目なんだろうな。ちゃんと俺に聞いた意味がある。しっかり答えないと。

「んー……少し苦みがあったほうが、もっとバランスが良くなるかも?」

「苦みね……確かにそうね。ココアパウダーでもかけてみようかなぁ……」

 自分でも少し食べて、改善点を書き出していた。

「相馬くん、ありがとう。おかげでもっと良くなりそう!」

「役に立てたなら良かった。美味しかったよ」

 美味しかったし、湊さんが作るケーキも、クッキーと同じで優しい味がした。

 湊さんのケーキが並ぶの、楽しみだな。

「並んだら、買いに来るよ」

「嬉しいわ。相馬くんは、私の初めてのお客さんね」

 そう言って微笑む湊さんは、とても嬉しそうだった。

「そろそろ帰るよ。ありがとう」

「こちらこそ! あっ、ちょっと待っていて」

 急いで厨房の方へ言って、何かを持ってきたようだ。

「これ、良かったらもらって。私が作ったものではないんだけどねっ……」

「これ……マドレーヌ?」

 お店のラベルが貼られたものだった。

「お母さんとお父さんが、お友達が来たならあげてって、さっきくれたの」

「もらってもいいの?」

「もちろん。もらってほしいわ」

「……ありがとう。頂くよ」

 何個か入っていて、湊さんは「お姉さんと仲良く食べて」だそうだ。

「わざわざ来てくれてありがとう。いい意見が聞けて良かった」

「ううん! 美味しかったし、こっちこそありがとう。じゃあまた明日学校でね」

「うん!」

 帰って、姉貴と一緒にマドレーヌを食べた。太る、なんて言いながら美味しそうに完食していた。

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