売り切れ
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テスト期間が無事に終わり、普段の授業に戻った。亜澄との勝負も同点だったため、亜澄とは普通に接している。
亜澄は、昔から少しぶっ飛んだことをする。負けていたら、何をさせられていたか分からない。勝っても、何をしてもらえばいいのかなんて、いくら考えても分からない。
この勝負は、同点で良かったのかもしれない。
「楓、追試どうだったんだ?」
「バッチリ再追試ですよ!!!!」
楓は、未だに追試から抜け出せていない。数学、結構教えてるんだけどな。
やっぱり苦手意識がありすぎるからなぁ。できないって思うと、もっとできなくなる。楓は、良くも悪くも、思い込みが激しいところが割とある。
「早く終わらせて、遊び行こーぜ」
「そーだよねぇ……頑張るよ!」
昼休み、いつものように3人でお弁当を食べようと、机を移動させていた。
「うわっ、俺弁当忘れたかも……」
今日の朝、珍しく寝坊しちまったから……。
「購買行ってくるわ。先に食ってて!」
2人にそう言って、購買へ向かう。いつも人がいっぱいだけど、買えるかな。パンぐらいなら、まだ残ってそうだけど……
「やっぱり、そんなに残ってないかぁ」
でも、パンが売ってある棚に1つだけ残っていた。
メロンパン、小さい頃よく食べていた。そういえば、亜澄がこれ好きだったなぁ。今は、変わってるかもだけど。
メロンパンを手に取って、会計を済ませる。
急いで教室に戻ろうとしたら……
「売り切れか……」
お腹をさすりながら、悔しそうにする湊さんが居た。
「湊、さん……?」
「相馬くんっ!?」
お互いに驚いて、バッチリ目が合った。
「珍しいね、今日は購買?」
「うん。弁当忘れちゃったからさ」
湊さんは、普段も購買だった気がする。
「いつも購買だよね……あ、売り切れか」
「あ、うん! だけど大丈夫。今日はそんなにお腹空いてな……」
湊さんがそう言った時、丁度可愛い音が聞こえた。
「……うっ……」
湊さん、結構お腹空いてるんじゃ……?
「これ、良かったらいる?」
「いやっ、良いよ! これは相馬くんのだからっ……」
「別に良いよ。湊さん、運動部でしょ? 食べなかったらキツいんじゃない?」
湊さんは受け取れないと言うけど、腹は正直で、結局受け取ってくれた。
「本当にありがとう……! ごめんね、相馬くんは大丈夫?」
「いいよ、そんなに気にしないで」
湊さんからお金を受け取って、教室に戻る。
「あれ? 樹おかえり~」
「何にも買わなかったの?」
「あぁ、ちょっと売り切れでさ~」
そう言うと、2人がちょっとずつお弁当の具を分けてくれた。
少し遠い席に座る湊さんは、美味しそうにメロンパンを頬張っていた。




