表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/83

お説教…

 冒険者ギルド、今俺たちはそこに帰ってきていた。

 そして、何をしているのかと言うと…

 言うと…


 「クーロさん。前も私言いましたよね。格上の魔物とは戦うなと。言いましたよね?」

 「はい…」


 リリスさんのお説教を聞いていた。

 いや、俺は怒られることがないから、俺はただ本当に聞いてるだ…


 「たけしさん。何他人事みたいな顔してるんですか?あなたもですよ?」

 「へっ…?」

 「へ、じゃないですよ。あなたもクーロさんと同じクソザコ冒険者なんですから、ホブゴブリンと戦ったあなたも同罪ですよ?クソザコ。」

 

 俺もらしい。

 というか…


 「クソザコ…?」

 「はいそうです。E級なんてどいつもこいつもクソザコなんですから、当然あなたもクソザコですよ。ちゃんと、そこんとこをわかってくださいね。クソザコたけしさん。」

 「クソザコたけし…」


 ちょっと…

 というか、かなり辛辣すぎない?

 それにリリスさん、会えば会うほど…

 なんか段々と口悪くなってるような気がするんだけど…

 これ、気のせいだよな…

 いや、気のせいじゃ…


 「君、クソザコたけしだって…。プっ…。クソザコ…」


 リリスさんの言葉が面白かったのか…

 それとも、俺が言われてる姿が楽しかったのか分からないけど…

 さっきまで怒られてたのをまるで忘れたように、横からクーロの楽し気な声が聞こえてきた。


 「こいt…」

 「クーロさん。あなたもそこのと一緒で、クソザコですよ?」

 「「えっ…!?」」


 そこの…


 「えっ、って…。当り前じゃないですか。E級冒険者で、そもそもがクソザコなのに、しかも魔法の射程が3メートルしかないんですよ?これのどこが、クソザコじゃないって言うんですか?」

 「う…」

 「しかも、使える魔法が”ファイアーボール”だけって。どんだけクソザコなんですか?いい加減、他の魔法も覚えましょうよ。」

 「はい…」


 何も言い返せず、クーロはしょぼくれたように下へとうつむいた。

 これを見て、俺が何を思うかと言うと…


 「言われてやんの…」

 「むっ。君、今なんか言った!?いや、言ったよね?」


 クーロが、キッと不満そうな顔を向けてきた。


 「言ってないけど…?」

 「いや、言ったよ。だってちゃんと聞こえたもん。」

 「いやいや、クーロの気のせいじゃ…」


 「クソザコども!!」

 「「はい!」」

 

 俺…、そしてきっとクーロも、リリスさんの声に背筋がピーンとなった。


 「私は怒ってるのは、クソザコのお二人ともですよ?それ、分かってますよね?」

 「「はい…」」

 「本当ですか?」

 「「本当です…」」

 「そうですか…」


 リリスさんはそう口にすると…

 一瞬だけ考えるような仕草を取った後、ニヤッと嫌な笑みになった。


 「なら今ここで、”私たちはクソザコです”と、そう宣言してください。」

 「「えっ…?」」


 俺たちのすぐそばには誰もいない。

 だけどここは、冒険者ギルド…

 だから…

 少し離れたところには、たくさんの冒険者が…


 「リリスさん、マジですか…?」

 「マジです。」

 「でも…」


 クーロも、当然嫌みたいだ。

 ただ…


 「でも、でもありません。」


 く…

 さすがに、そんなことを口にするのは恥ずかしい。

 というか嫌だ。


 俺とクーロが、どうするか黙っていると…

 リリスさんから…


 「なら、別のでもいいですよ?」

 「「別の…?」」

 「はい。」


 別のか…

 さすがに、クソザコよりかはマシだろうし、きっとそっちの方が…


 「まずクーロさんは、”私はまな板で絶乳おっぱいです”と…」

 「えっ…?」


 え、えぐ…

 なんというか、それはさすがに…


 「そしてたけしさんは、”早〇の短〇包〇です”と。」

 「はっ!?」


 今この人、一体なんて…?


 俺は、自分の耳が信じれなかった。


 「だから、”自分は、〇漏の〇小〇茎で…」

 「「俺(私)たちは、クソザコです。」」

 「ちっ…」

 「言えるかーっ!!」

 「そうだよ。私は、まっ、まな板でも絶乳でもないんだから、さすがにそんな嘘は言いたく…。ねぇ君?なんで、そんな可哀相な人を見るような目で見てくるの?」

 

 クーロは、俺が向けている視線が気に食わなかったようだ。

 でもさ、どう見ても…


 「いや…」

 「いや…、何?何言おうとしたの?ねぇ!」

 「別に…」

 「絶対あるよね。続き、絶対あるよね!?」

 「ない、よ。」


 俺は、目を逸らした。

 視線を向けた先は、壁だった…

 

 今日は、景色がきれいだな…


 「嘘!絶対嘘!その言い方は、絶対あるの!!」

 「………」

 「なんか言ってよ!!」

 「………」

 「ねぇ!!!」


 「今日は良い景色だな。」

 「そっちは壁だからねっ!?ねぇ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ