ビーア…
今日のゴブリン狩りを終えた俺たち一行は、今ギルドの中にいた。
そして何をしているのかと言うと…
「「「かんぱ~い。」」」
食事だった。
そして全員の手にあるの、それは麦色で泡がぷくぷくと浮き上がってくる飲み物だ。
そう、ビーア。
なんか、昔の世界にあったビー〇に似ている気がするが、気のせいだろう。
きっと…
皆で大きいグラスを合わせた後、俺は手に持っているグラスの中身を口の注ぐ。
すると…
口の中に芳醇な…
芳醇な…
苦…
えっ、苦っ…
なにこれ、すごく苦いんだけど…
えっ?
はっ!?
前の世界では、大人たちが楽しそうに飲んでいた。
もちろん、俺の父親も例外じゃない。
だから、楽しみにしてたんだ。
大人になって、飲めることを…
まだ俺、16歳だけど…
まぁ、そこはいいや。
で、すごく期待してた。
なのに…
なのに…
まったくおいしくない。
なんで、こんなものを大人たちはおいしそうに飲んでんだ!?
病気なのか?
病気じゃないのか?
もしかしてあれか?
俺がまだお子ちゃまだからか?
だからまずいのか?
いや、そうだよな。
そうに違いないよな。
だってそうじゃないと、こんなまずいものだれが好んで…
いやもしかしたら、この世界のものが不味いという話も…
いや、きっとそうだ。
そうに違いない。
これ、すごくキンキンで冷たいけど、きっとそうに違いない。
うん!
必死に、グラスの中に入っている麦色の飲み物を見つめていると、ブライスの声が聞こえてきた。
「お前さん、そんな真剣にグラス見つめてどうした?もしかして…」
もしかして…
もしかしてなんだ?
わざわざ半端に言葉を止めてきたブライス。
そのブライスの顔は、ニマァとうざったい顔になっている。
「おこちゃまには、まだ大人の味は早かったかー?」
イラッ…
「はっ!?めっちゃ旨いけど。クソ旨いけどっ!」
「そうか、旨いか。なら、早くもう一口いけよ。」
ブライスはうざったい顔のまんまだった。
それより…
もう一口…?
これを?
こんな苦いのを…?
はっ?
嫌なんだけど…
でもブライスは、ニマァとうざったい顔のままだ。
どう考えても、俺が飲めないと踏んでる違いない。
そしてトゥーリさんも、読めない表情でこっちを見てくる。
だけど、きっと俺が飲まないと思ってるに違いない。
きっとそうだ。
なのに、この視線の中、やっぱり飲めませんはきつい。
それに、ブライスに負けた気がする。
それは悔しい。
だから俺は、またグラスの中身へと視線を戻す。
麦色で、泡が上へと上がってる。
見た目はおいしそう…
なのに、さっきの苦さがフラッシュバッグしてくる。
うぇ…
思い出しただけでも、口の中が苦い…
でも俺は、そんな苦さと一緒に胃に流し込むように、またグラスの中身を口の中に運んだ。
なんとも味わったことのない苦さ…
それが、また口の中を支配する。
当然、不味い…
でも俺は、負けじと胃に放り込んだ。
けど…
「ぅぇ…、まず…」
不味かった。
「ギャハハハ。お前さん、まだまだガキだなー。」
「クスクス…」
目の前の二人が楽しそうにし始めた。
当然、俺は不快だけど…
そして、まるでお手本を見せるかのようにブライスもグラスを口に傾ける。
イケ…
俺と同じくらいのイケメン…
そいつが、余裕を持ちながらビーアを飲む姿…
絵になっていた。
でも、なっていただけだった。
段々と、苦苦しい表情になって…
「まず…」
そうこぼした。
「人のこと言えないじゃん。」
俺の言葉に、ブライスは忌々しそうな表情を向けてくる。
けど…
「うぷっ…」
向けてくるだけだった。
カッコ悪い。
すごくカッコ悪かった。
「ブライスはおこちゃま。」
「なるほど…」
トゥーリさんから、いらない情報をいただいた。
今後、全く役に立ちそうにない…
「いや俺は…、うぇ…」
ブライスがなんか言い出そうとしたけど、苦さに負けていた。
そして…
「二人ともおこちゃま。ビーアはこうやって飲む。」
トゥーリさんがそう宣言してから、ビーアを口に流し込む。
そして…
ゴクゴクと、喉で良い音を鳴らしでから…
ドヤァ…
そんな、自慢げな表情を向けてきた。
すごく、負けた気分だった。
こうして食事会は、もう少しだけ…
「少しいいですか?」
続く、のか…?
どうなんだろう…




