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初戦闘からその後…

 さて、5匹のゴブリン勢を倒した俺たちがそれから何をするのか言うと、もちろんそれは…


 ブライスパーティーでの2戦目…

 目の前には、4匹のゴブリン…

 そして…

 

 「トゥーリ!」

 「分かった。【ストーンバレット】」

 「らぁっ!!」


 また俺以外の二人だけで、ゴブリンが殲滅された。

 

 いやまぁ、あれだよな。

 さっきよりも数が少ないし、しょうがないよな。

 数が少ないと、それだけ余裕ができるし。

 だからしょうがないんだ。

 しょうがないんだよ。


 こうして俺たちは、次なるゴブリン狩りに向かった。


 

 

 ブライスパーティーでの3戦目…

 目の前には、5匹のゴブリン…

 そしてまた…


 「【ストーンバレット】」

 「りゃあっ!!!」

 「………」


 ま、そういうこともあるよな。

 最初と一緒で、5匹だし。

 だからここから頑張れば…

 そう、ここから…


 また次のゴブリン狩りへ…


 


 ブライスパーティーでの4戦目…

 目の前には7匹のゴブリン…

 そしてまたまた…


 「【ストーンバレット】」

 「うぉぉおおっ!!!」


 今ゴブリン、7匹もいたような…

 いや、見間違いだよな。

 7匹もいたら、少しくらいは仕事が回ってくるはずだ。

 だからきっと、俺の見間違い…

 きっとそうに決まってる。


 俺は、地面に転がっているゴブリンの数についてだけは見ないようにした。

 絶対に…

 

 

 

 ブライスパーティーでの5戦目…

 目の前には5匹の…

 そしてまたまたまた…


 「【ストーンバレット】」

 「あぁぁぁあっ!!!」

 「」




 時は流れて、ブライスパーティーでの10戦目…

 目の前には4匹のゴブリン…

 そして当然…


 「【ストーンバレット】」

 「あらぁぁあっ!!!」

 

 無残に、目の前でゴブリンが命を散らした。

 もちろん俺は何もしていない。

 この戦い…

 というか、ほぼ今日一日…


 俺一日何してたんだろうか…

 貴重な命の時間なのに…

 命が、命が勿体なi…


 まっ、ふざけるのはこれくらいにして…


 今ブライスとトゥーリさんは、二人だけでお互いを労わりあっていた。

 もう一度言う…

 二人だけで…

 寂しいよー。

 

 俺には、今の現実が辛すぎた。

 だから…


 「なぁブライス、いい加減、俺にも仕事くれないか?」


 このままじゃ、心が…

 頼むから仕事を、仕事をください。


 ブライスはこっちを振り向いてくる。

 そして俺の顔を何度かパチパチと見てから、一瞬だけ悪い顔をした気がした。


 「すまん、忘れてたわ。」

 「何をっ!?」


 ブライスは考えるように、顎に手を当て始める。

 で…

 

 「存在、をかな…」

 「存在っ!?」


 無意識に、口から言葉が飛び出てくる。


 存在…

 存在って…

 俺って、そんなに存在感なかったの…

 なんか、すごく悲しみが増してきたんだけど。


 俺がそんな感じで悲しい気持ちでいると、ブライスの小さな笑い声が聞こえてきた。

 で、顔を上げてブライスの方を見ると、よくやる愛嬌のある笑顔に変わっていた。

 

 「冗談だよ、じょーだん。」

 

 えっ?


 「冗談…?」

 「そ、冗談。普通にあれだなんだよ。二人で魔物討伐するときの癖でやっちまうんだよ。」


 そ、そうだよな。

 こんな仕打ち、一日目からするとか、ただのいじめだもんな。

 うん。

 

 「癖か…。なるほどな。」

 「そ。だからま、次は気をつけるわ。」


 こうして俺たちは、また新しいゴブリン探しに向かった。

 そして…




 11戦目…

 目の前には、6匹のゴブリン…

 さっきの発言通り、ブライスはちゃんと俺に見せ場を作ってくれた…

 という現実は、もちろんなかった。


 「【ストーンバレット】」

 「おらぁぁあっ!」


 目の前には、ゴブリンだったものが6匹。


 「なぁ、ブライス…」

 

 責める意思を込めた俺の言葉に、ブライスは気まずそうな顔を向けてきた。


 「次、次こそは。12度目の正直というやつでっ!」

 

 なんかほざいてる、というか…


 「長いわっ!!!」

 「あはは…」


 こうして本日のゴブリン狩りは終わりを迎えた。


 えっ…!?

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