表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/83

異世界とその前…

初めての方は初めましてで…


 ハァハァハァ… 


 どんよりとした森の中…


 木々が…

 木々の葉が空一面を覆いつくして、太陽からの光を全くといって通さない。

 そんな森の中…

 

 過ぎ去っていく景色…

 前へと駆けているのに移り変わっていく景色は…

 薄暗く先が見通せない森の奥…

 代り映えしない、甚だしい木…

 分厚く、跳躍ですら跨ぐことが難しい茂み…

 そんな景色が、俺の視界を埋めている。


 そんな俺の背後には、2本の足で欠けてくる小さな影…

 その影はさっきからずっと、俺を追ってくる。


 振り向いたその時に。その影が見えるだけで心に緊迫感が襲ってくる

 

 もう疲れたし、しんどい…

 少し、ほんの少しだけでいいから休みたい…

 でも休めない…


 そもそも…

 なんで俺は、こんな目にあっているのだろうか。

 

 それは振り返ること…

 



 お昼過ぎのこと、俺は一人寂しくショッピングモールをさまよっていた。

 目的はそう…

 今週末にある球技大会、その打ち上げの時に着る服を物色しに来た感じだ。


 別にいつも通りの服でもいいのだが、噂によると俺が気になっている女の子もその打ち上げ会にやってくるらしいのだ。

 それはさすがに、おしゃれがしたい。


 学校での俺の立ち位置は陽キャというわけではなく、しかし陰キャとも言えるほど友達がいないわけでもない。

 なんと言うか、どっちろも言えないすごく半端な立ち位置だ。

 本当だ。

 だから信じて欲しい。

 

 でもだからこそ…

 俺が求めるおしゃれな服、その選別が難しい。

 派手なのは目立ちすぎるから嫌だ。

 それにあと、頑張った感がでるのも気恥ずかしい。

 当然、ダサいのはもってのほかだ。


 つまり俺が欲しい服は、派手過ぎず良く見ればおしゃれな服。

 そんな服が欲しい。

 いやでも、俺がそんな服を着ていても、例のあの子は俺のことを見てくれるだろうか。


 ふむ…


 見てくれるか。

 だって俺が彼女を見ているのだから、きっと彼女も…

 

 うん。

 そうに違いないよな。




 そして、俺がそんなことを期待しながら数時間後…


 「ダメだ。どれもなんかしっくりこない。」


 俺はそんな言葉を屋上でひとり漏らす。


 もっとシックでアダルティな服が良い。

 なのに、いくら探しても全く俺好みの服が見当たらなかった。

 だからしょうがなく、俺は屋上に来て一休みしていた。


 色んなテナントを見て回った。

 ただ、どれも微妙に違う。

 これだ、という直感がこない。

 

 おかしい…

 こんだけたくさんの店舗があるのに。

 デザイナーの人は、もっと俺の好みの服を作ってくれよな。

 ったく…。


 はぁ…


 正直、諦めて帰ってもいいかな。

 そんなことを、俺は内心思っていた。


 そんな疲弊した気持ちでモールに出入りする人らを見下ろす。

 すると、どいつこいつも男女で手をつないでいやがった。


 くっ、心が痛い。

 でも、もう少ししたら俺だって。

 それにきっと、”むふふ”で”あはは”の展開が俺にも…


 そう考えると、心に活力が沸き上がる。

 これが愛の力か…


 俺はそんな秘めたる力を胸に、もう一度戦場へと足を向ける。

 具体的には、屋内に戻るためのエレベーターに…


 すると、そこには二人組の女の子がすでに並んでいた。

 ボブとポニーテールだ。

 俺はその二人の後ろに並ぶ。

 すると、その二人がこっちをチラチラと見てきていた。


 はぁ…


 これだからモテる男はつらいな。


 俺が二人の視線にそう心の中でひとり言を呟いていると、二人の会話が聞こえてきた。


 「後ろの人、微妙にかっこいいね。」

 「ほんと、それにしっかり見るとギリ可愛い顔にも…」


 ………


 うっせいわいっ!

 誰が良く見ればじゃっ!

 そんなの、地味顔って意味だろ。

 誰が地味顔じゃっ!!!


 俺の視線が伝わったのか、二人が一斉に前へと振り向いた。


 「なんかあの人怖いね。」

 「ほんと、こっちをジロジロと見てくるし。」

 「きもいよね。」


 ぐはっ!!!


 心が痛かった。


 俺、なんかした…?


 そしてそんなとき…

 チンッ…


 エレベーターがやってきたときの音がした。

 俺はそれに吸われるように乗り込む。

 そして当然、前にいた彼女たちも…

 

 「あの人付いてきたんだけど…」

 「ほんと、ストーカー…?気持ち悪いね。」

 「ほんと…」


 そんな会話が聞こえてきた。


 俺も乗ってるのに…

 いや、乗ってるから言われたんだけどさ…

 でもさ、俺が聞こえないように言ってくれても良かったのに…


 うぅ…


 そして、そんな居心地の悪いエレベーター…

 俺たち3人だけが乗っているこの空間…

 そんな空間に…


 すべて埋め尽くすように、光が瞬いた。

 

 その輝きに、俺は巻き込まれて…

 そして…


 俺は…

 いや俺たちは…


 

7月10日に修正しています。

書き方が、修正時の時の書き方なので、少しの間…

具体的には、2章最後までは、この書き方とは違います

徐々に(気分次第で)修正しようと思っているので、ご理解ください…


あと、応援してもいいかなと思った方は、

五段階評価、ブクマをしてくださると嬉しいです。

作者のモチベの維持とヘラ防止につながります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ