第3話 うっわ、私のステータス低すぎ……?
言われるままに隣の部屋へ入ると、召喚された間より一回り小さいぐらいの部屋に透明な水晶が置いてあった。
「では能力測定を始めます。勇者様、こちらの水晶に手をかざして下さい」
言われるままに1人の男子生徒が手を翳すと水晶は眩しく
光り文字が浮かび上がってきた
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畑斉斗/召喚者 勇者 魔術師
HP:380
AP: 250
MP:720
ADP:190
AMP:680
FT:300
称号/女神の加護
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「これは......?」
「こちらが勇者様のステータスでございます。やはり勇者様とあってステータスも只者ではありませんな!」
聞くところによると、普通の人では最高でもステータスは50が限界だそうで、それを大きく上回る結果に嬉しそうに老人が言うのを尻目に僕達は、自分達のステータスを確認していった。
剣士、魔術師、テイマー、占術師など様々な職業が上がっていく中、渡辺さんが水晶へ手を翳すと水晶は金色に光った。
「何が起こっているんだ!?」
光が収まると、ステータスが表示された。そこには
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渡辺 咲/召喚者 真の勇者
HP:780
AP:1200
MP:960
ADP:1060
MDP:1100
FT:920
称号/女神の加護 世界を護る者
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と記されており、明らかにこれまでの誰よりもずば抜けて高いステータスだった。
「これマジか!」
「すごいよ渡辺さん!」
など生徒達が口々に渡辺さんを褒め称える中、立花が
「おっと、僕もなかなかじゃないかな?」
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立花 智/召喚者 勇者の剣
HP:630
AP:980
MP:710
ADP:890
MDP:630
FT:490
称号/女神の加護 勇者と共に
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こいつもなかなかやばかった。
そうしているうちに、いよいよ僕の番が回ってきた。
さて何が出るかな勇者の剣が出たなら盾もあるよなそれが僕なのかいやー、困っちゃうな!
などとしょうもないことを思いながら、水晶に手を翳した。
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林航太/召喚者
HP:70
AP:40
MP40
ADP:30
MDP:60
FT:10
称号/
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「え?これは……?」
「まさか、いやそんな馬鹿な……」
困惑する僕の隣で、老人はステータスを穴が空くほど見つめていた。
てかこれってやっぱりステータス低いよね。うっわ、私のステータス低すぎ……とか言ってられるレベルでもなさそうだな。
すると老人が、
「ハヤシ様、これはなにかの手違いが起きてしまったようでこちらで精密検査を受けていただいてもよろしいでしょうか?」
と言ってきた。
僕はもちろん頷いた。だって低すぎるもん。俺TEEEEEEする展開でしょこれ。
と、動揺していると直輝が
「ぶっはははは!お前間違いでも低すぎんだろ!」
とからかってきた。現在進行形で落ち込んでるやつにかけるセリフじゃないだろ。
すると渡辺さんが
「林君、大丈夫?何か出来ることある?」
と聞いてきたが、ただ間違えているだけだろうし、大丈夫、とだけ答えておいた。
他のみんなはこれから武器を選び、国についての説明を受けたりするらしい。
「早くおいついてこいよー!」
直輝がそういう声に手を振り、老人の後ろについて行った。
これから何が待っているかも知らずに。