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貴族様と言われたい  作者: チョウリョウ
第1章 サリバ国編
8/61

初陣(エピソード)

パベル王国軍10万vsサリバ共和国軍5万




【サリバ共和国】


パベル王国から北にあり民衆が反乱してできた民主主義国家である。パベルは反乱軍として国として認めてない。首都白鳥で寒く雪が降る地域などもある。


南にパベル王国、西にスワイケルド公国、北はレンカッサ山脈


≪パベル王都軍議室≫

地図が広げられ、冷たい大理石のテーブルに白墨で境界線が引かれる。軍議室には10人ほどの高位将軍たちが整然と立ち並び、中央には参謀が控えていた。窓の外では冬の風が激しく吹きすさび、時折ガラスを叩く音が響く。


(パベル参謀)「今回の作戦『反乱鎮圧』は三方向から攻めます」

参謀が深々と一礼し、説明を始めた。その声は低く落ち着いていたが、室内には緊張が漂っていた。


(参謀)「左翼はベルガー公爵旗下の部隊2万が第二都市ヒヘルと周辺都市を攻略。」

「守るのは1万とみていますが臨時の徴収兵がでこちらの予想を上回る兵がいるかもしれません」


(参謀)「中央正面は我が王都軍6万が反乱軍首都白鳥へ直接進撃。彼らの象徴たるを占拠すれば士気は崩壊するでしょう」


壮年の将軍が手を挙げる。「敵は首都3万と見込まれていますが……首都白鳥は堅守を誇る有利なのは向こうでは?」

(参謀)「確かに中央王都軍6万は首都3万の牽制の意味合いが強い」

「そこで重要なのは左翼と右翼です」


参謀が地図上で北西を指した。そこには「鉄鉱山」と記された地点があった。


「シュテルツヘイマー侯爵率いる連合軍2万がこの鉱山を確保する。共和国の武具生産の大半がこの鉱山に依存しています」


沈黙の中、老将軍が唸った。「なるほど。武具の供給を断てば数的優位でも意味がなくなる」


若い将校が不安そうに尋ねる。「しかし敵は鉱山にも相当数を配置しているのでは?」


(参謀)「報告によれば1万強。こちらも全力で当たらねばならない」


 参謀が敬礼し、説明を終える。その後、軍議室の扉が開き、全員が膝をつく中を王弟殿下が入室された。


(王弟)「皆の者、苦労だな」


豪奢な鎧を纏い、肩に羽織った真紅のマントが床に映える長い影を作る。部屋中に緊張が走る。


「陛下より全権を委ねられた。私が総司令官として王都軍を率いる」


将軍たちは一斉に頭を垂れた。


(王弟)「反乱とは愚かな輩よ。あの蛮人たちに教訓を与えねばならん」


高笑いが起きた。「確かに!」「我らこそ正義!」といった声があがる。



【パベル参謀】

統率 33 武力22 知力 84 政治 72 魅力 67



こうしてサリバ国の反乱鎮圧の目的の遠征が決まる。



≪パベル王都≫


数日後、パベル王都に出陣式の華やかな装飾が施され、大通りには数千の騎士や歩兵が整列していた。群衆が喝采を送る中、王弟率いる王都軍6万が出発した。


(ヒンター)「これが戦場への行軍か……」


まだ16歳の貴族の若者は馬上から人々の熱狂を見下ろしていた。ヒンターの元には6000人の部隊が与えられていた。父は息子の初陣を成功させるために特別に編成した部隊だった。比較的安全である第2都市の周辺の都市の平定を任せた、本番はヒヘルと思っていたのだこの時は


「ヒンター様」横に立つ男が敬礼する。「時渡と申します。今回の遠征で副官を務めさせていただきます」(父よしよしかわいいな、でも危険だから、名将の時渡が副官ね)



(ヒンター)「うむ。頼んだぞ」



【ヒンター・ベルガー(光雷卿)】


軍閥貴族のベルガー家の次男、軍才に秀でており将来はベルガー家の部隊を率いたいと思っている。顔はいい頭もいいが、平民を下に見る残念な性格


軍才、槍の才能、努力の才


統率 96 武力73 知力 93 政治 83 魅力 86



【ロレンソ時渡将軍】

普段はひょうひょうとしてボーとしているように見えるため、軍を動かすときはあまりの速さに、時間を動かして時を渡っているようだ。

統率 86 武力67 知力 76 政治 56 魅力 71


王都の民が声援を送る中、ベルガー家の出陣である



≪パベル領とサリバ領の国境付近≫

 

斥候のゴッシュ(斥候)が膝をついて報告する。


(ゴッシュ)「ご報告申し上げます。サリバ軍は周辺の町で徴兵を行っております。農具を武器として即席の戦闘集団を組織しています」


ヒンターが眉を上げる。「平民どもの寄せ集めか。ふっ、我がベルガー軍の前に立つことすらできまい」


時渡が小さく咳払いをする。「しかし兵力は侮れません。すでに2500の徴兵が行われたようです」


(ヒンター)「2500?恐れるに足らぬ!」



(貴族)「よし返り討ちにしてやる、近くに丘があるなその上に陣を構えよ」


ヒンターの戦い方はパベル士官学校の主席と言われるだけあり、王道の鶴翼の陣の迎撃陣を引いて戦った。


 貴族)「丘の上に鶴翼の陣!両翼を開いて敵を迎え撃て」


ゴッシュ(斥候))「は!伝令を!」


丘の上に布陣するパベル軍の旗が風にはためく。前方に広がる平原から、サリバの徴収兵たちが埃を巻き上げて迫ってくる。


(時渡)「おいおい……あれは素人じゃないか?」


ロレンソが眺める敵軍は、装備も揃わず歩調もバラバラ。農具を持った者や素手で木の棒を持つ者も混ざっている。


(貴族)「構え!槍衾を作れ!弓隊は両翼から射かけろ!」


命令が飛ぶと同時に、パベル軍の陣形が整然と動く。騎馬隊が両翼に展開し、中央は重装歩兵が固めた。対照的にサリバ側は密集隊形もままならず、ただ正面から突進してくる。


(時渡やれやれ……これは訓練にもならん)


最初の矢の斉射が降り注ぐ。悲鳴と共に倒れる敵兵。しかし彼らは怯むことなく前進を続ける。恐怖心よりも危機感の方が強いのだろう。


(貴族)「騎馬隊!包み込め!」


鶴翼の陣の両翼が広がり始める。中央の重装歩兵が敵の勢いを止め、左右から騎馬隊が回り込んでいく。


マリイカ(アタッカー))「突撃!!」


号令一下、騎馬隊が怒濤のように押し寄せた。混乱する敵軍の背後を突き崩す。四方から矢が降り注ぎ、槍が突き立てる。瞬く間にサリバ軍は分断され、組織だった抵抗を失って逃げ出すものが出てくる。


(貴族)「逃げる者は追うな!」


ヒンターはわざと後ろを開け逃げ道を作っておいた、徴収兵が死兵になって暴れられて、こちらに被害を出す必要もない、追撃である程度の被害を出せばよいと考えた。

見事の完勝劇であった。


(時渡)「意外と戦い慣れているな……」


時渡は遠くを見つめながらつぶやいた。ヒンターの指示は的確だった。派手に突撃するのではなく、地形を活かした防御的な布陣を取り、敵を誘い込み殲滅するという基本に忠実な戦術を選んだ。


(時渡)「軍才があると言われるだけの事がある」


彼の部下たちもよく訓練されていた。命令に対する反応は早く、動揺も少ない。これは若い指揮官にとっては素晴らしい成果と言えるだろう。


(時渡ただ……この弱い軍に勝って調子に乗らなければいいが)


時渡の脳裏に過去の光景が浮かぶ。


初陣で勝利を収めた若い将軍がいた。彼は凱旋の際に城内から沸き起こる歓声を浴び、すぐに次々と勝利を重ねていった。そしてある日——もっと奥まで侵攻しよう偵察も十分ではないまま。そして予想外の伏兵に遭って2度と戻らなかったもの、引き際を間違えた馬鹿貴族いろいろな失敗を見てきた


(時渡)「調子に乗ると必ず痛い目に遭う」


ヒンターが次の戦いに備えて陣を整えている姿を見ながら、時渡は静かに祈った。

(この若者が賢明であればいいがな……)


数日後、ヒンターは再び勝利した。今回は都市一つを無血開城させた。市長が降伏したのである。


ゴッシュ(斥候))「略奪しますか」


(貴族)「いや我々はヒヘルまで速攻で街を落としてやろう、まあ余裕があったらヒヘルなど俺が落としてくれる、前進」

上機嫌で言う、そして軍を進めていく。




≪ヒンターから少し離れた宿営地≫


翌朝、ヒンターの軍はさらに北上していた。第二都市ヒヘルを目指す道程は順調すぎるほどだった。


(ヒンター)「弱いな……」


ヒンターは馬上から遠くを見つめて呟いた。周囲には既に十数の村や小さな砦が投降しており、抵抗らしい抵抗はなかった。


「平民なぞこんなものだ」


その言葉に時渡が微かに眉をひそめる。若すぎる指揮官の傲慢さの芽を感じ取ったのだ。


(時渡)「ヒンター様」


「なんだ」


「本隊との距離が開きすぎています。今はまだ良いですが……」


「何が問題だ?」


時渡は口を開きかけたが、思い直して別の角度から説明することにした。


(時渡)「もし敵に動きがあれば、本隊からの支援が遅れます。また、情報の共有も難しくなるでしょう」


ヒンターは少し顔をしかめたが、不思議なことに反論はしなかった。


「……ゴッシュ!」


「はっ」


斥候が駆け寄ってくる。


(ヒンター)「周辺一帯を偵察してこい。敵の動きがあればすぐに知らせろ」


(ゴッシュ)「承知いたしました」


奇襲に備えておいてもいいだろうと。




 


4コマ漫画

【初陣】

「初めて戦った」「何と」

「俺は彼女と」「エロいよ」

「俺は心の悪魔と天使が」「やばいよ」

「悪魔が勝ったよ」ニコ「やばいよやばいよ」

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