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貴族様と言われたい  作者: チョウリョウ
第2章  デリア国編
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斥候(敵、幻影編)

#敵視点


## 幻影の目覚め


幻影将軍の名は、パベル国に足して何度も勝利を収めて国を守った英雄で人々の希望であった。光雷卿の統治が始まって、光雷卿を倒してくれるであろう希望の象徴であった。


その冬の深夜、青鷲同盟の使者が厳しい監視の中にいる彼と連絡を取った。


「あなたのお力をお借りしたい」女性政治家手紙を届ける


一ヶ月後、幻影軍の将軍は民衆の前に姿を現した。

「私の名はバイチェック。幻影という名のほうが有名かな、この国が呼吸できないほど締め付けられているなら」彼は剣を掲げた。「私は幻となろう。姿を隠す霧となり風となる」


## 影の戦術


バイチェック将軍は即座に特殊な戦略を考案した。

【幻影戦術】


**第1段階:影の侵入**

* 夜間密かに村に入り反乱に協力する住民に武器を配布

* サリバ元の軍人で情報伝達網を作り上げる

* 元サリバ軍の斥候として雇用し相手の陣容の掌握


**第2段階:煙幕作戦**

*権力が集中している 国営学校への偽情報を流し兵力分散を誘う

* 誤った報告を光雷卿軍に送らせ軍事会議を混乱させる

* 進軍ルートを示唆して待ち伏せ配置を奇襲


**第3段階:雲散霧消**

* 勝利後即座に撤退


彼らの動きはまさに幻影だった。ある地域で反乱が起き鎮圧に向かったかと思えばもう別の街で放火騒ぎ。追撃すれば煙のように消える。

だが彼らは常に目的を持っていた。

>「私たちの使命は殺戮ではない。自由意志の目覚めだ」



最大の戦果は「霜月の包囲」である。


バイチェック将軍は首都(白鳥)から百キロ離れたを標的に選んだ。

作戦名:「霧の中で踊る」


ゴッシュ中佐は、光雷卿最古参の忠実な将校であり、パベル王国の孤児院から才能を見出された。彼は情報収集に長けており「斥候」という通称はその偵察能力に由来する。彼の信条はシンプルだった。


「目に見えぬ敵はない。ただ私がそれを見つけられなかっただけだ」

ゴッシュは中佐幻影将軍の情報を集めていた。偽りの情報をつかまされ軍を動す


ゴッシュ中佐は百五十五名の精鋭を率い、敵を探し求めた。「霧の中で踊る」作戦が始動してから二週間が経過し、反乱軍の勢力は倍増していた。


「あの将軍は幽霊ではない」ゴッシュは地図を叩いた。「必ず休息する拠点があるはずだ」


情報収集の結果、竜胆の丘に反乱軍の補給基地があることが判明した。それは国境近くの小さな要塞だった。


夜明け前、ゴッシュ中佐の部隊は静かに丘を登った。彼は五つの小隊を展開させ、四方から同時攻撃をかけようとした。


最初の衝突は予想外に激しかった。ゴッシュの部隊が茂みを抜けると、突如として投石器が唸りを上げたのだ。十数発の丸太と岩が空から降り注ぎ、前列が崩れ落ちる。


「伏せろ!」ゴッシュの叫び声が砕けた岩に吸い込まれる。


だがこれはほんの序章に過ぎなかった。


「右翼へ応援!」副官が叫んだ瞬間、爆音が轟いた。地面が裂け、落とし穴から沸き上がる煙幕がゴッシュの部隊を飲み込んだ。


霧の中から突如として現れたのが幻影だった。


「私はここだ!来るがいい光雷卿の犬どもよ!」


その声は怒号とともに響いたが、姿は見えない。煙幕の中から飛来する矢が次々と兵を貫いていく。ゴッシュは剣を振りかざし、部下を鼓舞しようと叫んだ。


「臆するな!敵は少数だ!」


だが現実は残酷だった。全方位からの包囲攻撃によりゴッシュの部隊は混乱状態に陥った。敵の姿は見えずとも、確実に削られていく。


副官の頭が吹き飛び、隣の兵士が悲鳴を上げる。ゴッシュは剣を握る右手に血が滲むのを感じた。左肩に矢が刺さっている。


「撤退だ!後退するぞ!」


だが時すでに遅し。煙が晴れるころには彼の部隊は半壊していた。そしてついに――


「光雷卿の犬よ!あなたの首を持って帰る!」


冷徹な声とともに現れたのは幻影将軍本人だった。霧を切り裂くように現れたその姿は確かに「幻影」だった。実体はあるが気配が希薄すぎて認識できなかったのだ。


二人の剣が交差した瞬間、ゴッシュは全てを悟った。


「光雷卿」彼の最後の言葉だ

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