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貴族様と言われたい  作者: チョウリョウ
第1章 サリバ国編
15/61

結婚

≪パベル家軍事指令室≫


燭台の光が重厚な木製テーブルに落ちる。貴族の鋭い視線が幹部たちを射抜いた。


(貴族)「最高司令官は我」

一同が頭を垂れる中、貴族は声を低めた。


(貴族)「私が不在の際はロレンソ大将(時渡)に全権を委任する。軍務を統括し、全軍の動向を掌握せよ」

(時渡)「承知しました」


(貴族)「ヒヘル方面の治安維持はガルメル中将(遠目)、補佐にスベッチ()大佐をつけよう。万一の事態に備え、ヒヘルは必ず死守せよ。そのため弓隊を優先配備した」


(遠目)「拝命いたします」

(スベッチ)「全力を尽くします」


(貴族)「辺境領の治安維持はアイリ中将(戦斧)、補佐にマリイカ(アタッカー)大尉。減少した兵員の補充訓練と騎馬隊の強化を急げ」

(戦斧)「我が手に誓って」

(アタッカー)「承知致しました」


(貴族)「ゴッシュ(斥候)には斥候部隊の増強を命じる。各国の情勢把握に加え、内政班との連携強化を図れ」

ゴッシュ(斥候))「万全を期します」


(貴族)「最後にチャイス(ディフェンダー)大尉」

貴族が静かに目を細めた。

(貴族)「我が近衛兵の整備を命じる。忠誠の証として最精鋭を揃えよ」

チャイス(ディフェンダー))「剣と盾にかけて」


全員が跪き宣誓した。貴族は椅子に腰掛け、長い溜息をついた。


(貴族)「以上。各位の働きに期待する」

一同「は!」


貴族は閉じた扉の向こうで頭を抱えた。


(貴族)「(軍事は何とかなりそうだ。だが内政……)」


-ため息をつきながら独り言

(あのくそ叔父、自分の領に籠りあがって、内政を丸投げしようと思ったのに、俺が内政を失敗したら取って代わるつもりなんだろう野心丸出しなんだよ、内政系は叔父中心だからほとんど内政系の貴族がいない、終わってんだろう、まず軍事は何とかなるから、軍を中央集権体制にして謀反が起こらないようにする、軍事強硬路線だな内政に失敗して一揆がおこったら力で制圧だな)



(貴族)「ゴッシュ(斥候)、内務室に」


ゴッシュ(斥候))「は」

まずは、一つ目の内政だ



≪ベッカー家内務室≫



【まずは一つ目の内政?】


(貴族)「ゴッシュ(斥候)これから我の妻になれる令嬢を探してもらいたい、美人か、かわいい子で、できれば性格がいい子で年は上すぎず下すぎない子だな、次の就任パーティーで紹介できるように、すぐ手配しろ」


【就任パーティー】

ヒンターの辺境伯就任のパーティーで周囲の貴族や有力貴族や派閥の貴族を集める、貴族の顔見せや腹の探り合いの意味あいが強いパーティーである。


ゴッシュ(斥候))「は」

いきなりの仕事が、嫁探し

紹介を受けた、貧乏貴族や貴族にはチャンスである、残念な性格など知る由もない、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのある貴族の嫁である


(貴族)「内政班は、パーティーの準備をしておけ」

ついでのように言う、メインはこっちだが、軍人だったためパーティーなんぞは面倒くさいので、その後に楽しみになる、嫁探しをぶち込んだのである。


(内政班)「は」


世継ぎも大事な内政であるのか?だれも止める人はいない



≪ベッカー家謁見の間≫


就任パーティー1日目


(貴族)「皆様、お集りいただき、ありがとうございます、若輩ですが皆様のお力を借り、精いっぱい辺境伯の役目を務めたいと思っております、皆様の手にあるお飲みをどうぞ、それでは乾杯」

手に持ったグラスを挙げる。


皆グラスを挙げ

(貴族の面々)「乾杯」


一応、大貴族の辺境伯の就任パーティーで沢山の人が集まった、多すぎて3日開催であるが、まあメインは3日目のお見合いだとウキウキしながら招待客に満面の笑顔で対応した。


(貴族の顔見せとお見合いを兼ね行われた就任パーティーは一石二鳥である、我ながら頭がいい)


就任パーティー3日目


【結婚】


(貴族)「おお奇麗どころが集まったな」

男どもには目もくれず、上機嫌に下品に女の子を見ていく、残念なヒンター様

紹介を受ける予定の女子は20名ほどがいる。


まずは、貴族の当主が貴族名を、まあぶっちゃけ男なんてどうでもいい、続いて紹介したい女子が名前と年齢を紹介させる。


何人か紹介が終わり

一凛のバラのような美しい女性が現れる、胸を射られたようにドストライク。


ファリア(良妻賢母)の父)「カイナー当主です」

ファリア(良妻賢母))「カイナー家次女のファリア(良妻賢母)16歳です」

びくびく緊張しながら。


名前を聞いて思い出す

(貴族)「貴様俺を振ったファリア(良妻賢母)か」


びっくりするファリア(良妻賢母)


(貴族)「王都小学課の時、俺を振った横暴だと、トリア君のほうが好きと忘れたとは言わせないぞ!」

大きな声で。


ファリア(良妻賢母)

「あの……私の事覚えてらっしゃったんですか」


彼女の手が少し震えているのが見えた。大貴族様にトリアのことなど忘れてましたとは言えず、黙りこくるファリア(良妻賢母)。。


(貴族)

「忘れられるわけがないだろう。お前が、私を断ったんだからな」


(ファリア)

「ごめんなさい……あの時は本当に子どもだったんです。それにトリアさんは……」


彼女の目が遠くを見るように曇る。


(貴族)

「トリアはどうした?まだ好きなのか?」


(ファリア)

「トリアさんは……」


(貴族)「これはいい、よしお前は今日より俺の妻だ、トリアなど忘れさせてやる」

上機嫌にしたり顔で

周囲が静まり返る。ヒンターは思わず息を飲んだ。


トリアなどもう忘れているファリア(良妻賢母)のだが、8歳の頃から好みが変わらない、物覚えのいい貴族様だったのだ。

ファリア(良妻賢母)の父)「え?あの、ヒンター様?」

驚愕で言葉が出ない父。娘を一瞥し、慌てて礼をする。


ファリア(良妻賢母)の父)「まさかこのような栄誉を賜るとは……娘が至らぬところ多々あったかと思いますが、どうぞ末永くよろしくお願いいたします」

嬉しそうに言う、カイナー家はベルガー家に比べ数段落ちる没落貴族で領地も小さい、なんだったら、妾でも出すき満々のところ、妻にと言うのだから、「喜んで」居酒屋気分である。


(周囲)

ざわめくパーティー会場。突然の縁組宣言に他の貴族たちも固唾を呑む。


ファリア(良妻賢母)

父の隣で小さく震える指先。「本当に私で良いのでしょうか……」


(貴族)「ハーレムを作ってやる、フフフ」

下品な笑みで


こうして生涯1人の良妻との結婚が決まった







4コマ漫画

【結婚】

「結婚したんだ」「だれと」

「幼馴染と」「漫画か↗」

「王女と」「異世界か↗」

「2次元の嫁と」「アニメか↘」

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