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貴族様と言われたい  作者: チョウリョウ
第1章 サリバ国編
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論功行賞

≪第二都市ヒヘル≫


**城館広間 - 夕焼けが窓から差し込む中**


(貴族)「なにっ! 兄上も討たれていたと!」


青年貴族の怒号が大理石の床に響き渡る。拳が壊れた花瓶を叩き割った。


侍女が怯えた目で後ずさる。貴族は血が出るほど唇を噛んだ。


(貴族)「即座に攻撃準備! 父上兄上の仇を討つ!」


(時渡)「そいつぁ無理でしょう。王都軍も撤退してるし、兵が足りません」


時渡が軽口を叩くも、目つきは真剣だ。見ている遠目は首を振る。


突然の破壊音。陶器の灰皿が壁に叩きつけられ粉々になる。


チャイス(ディフェンダー))「お待ちください。シッテライ上級大将の軍が接近しております」


(貴族)「サリバが攻めてきたか」

嬉しそうに言う


チャイス(ディフェンダー))「違う模様であります」


(貴族)「……迎えの支度を」

残念そうに言う


ヒヘルに王都の盾が来る


(王都の盾)「ヒヘルは我が隊が引き受けます、閣下は速やかに王都に凱旋してもらいたい」


(貴族)「帰還せよ、ということなのでしょうか?」


(王都の盾)「いえ、凱旋です、若き英雄の論功行賞ですこの戦いの勝利の」


苦々しい顔で

(貴族)「御意」 

(何の勝利だ、俺は父上、兄上をも亡くなって、大惨敗じゃないか)


---

≪王都周辺の街道≫


王都の門に向かう道は熱気で揺らいでいた。


(王民)「ヒンター様バンザイ!」

「ベルガー卿素敵ー!」


沿道は民衆で埋め尽くされ、紙吹雪と旗が舞い踊る。


**騎馬の上:凱旋する若き貴族**

(頭を下げ静かに貴族様と言えよ、誰も貴族様と言わない、大きな声で平民は品がない)

的外れな感想を思いながら王都に向かっていく



≪王都謁見の間≫


(王)「この度の戦い大義である」


(パベル参謀)「第一の戦功ヒンター・ベルガー」

ふつうは第一戦功は総大将だが、王弟は王の分身扱いなので、王が王に論功を与える事になるので


玉座から立ち上がり、階段を下りてくる王。


(王)「そなたの勇気と知略によって、王国は勝利を得た。ヒンター・ベルガー辺境伯令息よ、そなたの働きはもベルガー卿喜ぶであろう」


近衛兵が進み出て重厚な箱を運んでくる。


(近衛兵長)「陛下のご命令により、此度の勲章『獅子の勲章』」


おもむろに王様が勲章を持つ

(王)「ベルガー辺境伯その意志を継ぎ辺境伯の継承と恩賞さらにそなたに新たな領地を授ける。第二都市ヒヘルはそのまま任せるとともに、王国の剣として再び立つがよい」


(貴族)「……謹んで拝命いたします」



(パベル兵)「おお」


≪王都からの帰り道≫


**馬車の中 - 重い沈黙が続く**


外では民衆の歓呼が響くが、馬車の窓は閉ざされたまま。赤い天鵞絨の座席で貴族が拳を握りしめている。


(貴族)「くそっ……」

小さく呟いた声には怒りよりも絶望が滲む。


隣に座る時渡が意地悪な笑みを浮かべる。


(時渡)「おめでとう御座います! 獅子の勲章とベルガー領辺境伯第二都市の領主とは羨ましい限りですねぇ」


(貴族)「祝うな! なんだこの膨大な領は、内政なんかしたくない!」


勢い余って肘掛を叩く。金の装飾がきしんだ。


(貴族)「俺は武官なんだぞ? 領地経営の勉強なんて一度も……! 辺境伯は叔父上が継げばよかったんだ。父上の仇を討つために軍を率いるつもりだったのに……」


額に汗が滲む。膝の上で小刻みに動く手を見つめる。


(貴族)「ベルガー領だけでも大変なのに、ヒヘルの内政? 敵国だった土地だぞ? 敵意むき出しの住民相手にどうやって統治すればいいんだ……」







4コマ漫画

【論功行賞】

「論功行賞ほしくないもの」

「辺境」開拓大変

「位が上がる」責任が重くなる

「心の傷」なにした?

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