休戦(参謀編)
≪サリバ首都≫
(サリバ斥候)「アネベネア(幻獣)軍がベルガー軍に敗れた模様です」
(サリバ参謀)「本当か!」
斥候の報告にサリバ参謀の表情が曇る。幻獣が敗れたという衝撃が走った。幻獣の遺体は見つかっていないものの、生死不明という事実が更に不安を煽る。
≪パベル王都軍本隊指令室宿営地≫
作戦会議のテント内は緊迫した空気に包まれていた。参謀たちが地図を囲んでいる。
(パベル斥候)「ベルガー卿、シュテルツヘイマー卿が両大将が討たれた模様です。ベルガー軍が第二都市ヒヘルは落とした模様ですが。連合軍は健在ですが混乱しております」
(パベル参謀)「本当か!」
パベル斥候の報告に全員の顔色が変わる。ベルガー卿、シュテルツヘイマーは経験豊富な将として知られており、彼らの不在はパベル軍に大きな穴を空ける。
両参謀たちの間で同じ言葉が異なる場所で発せられていた。
「まずいな……」という声が漏れる。
【撤退じゃなく帰還】
(パベル参謀)「王弟様、今は引くべきかと。両翼の大将が討たれております。幸い第二都市ヒヘルは落とした模様です。これであれば戦果を誇って凱旋できます。今は引いて態勢を立て直すべきかと」
慎重論を述べる参謀に対し、王弟は髭を撫でながら考え込んだ。
(王弟)「うむ……分かった。全軍に帰還(撤退ではない)を命じる。」
軍の総指揮は参謀が執り、王弟は名目上の最高指揮官として決定を下す。形式的には王家の意向を尊重しつつも、実質的な判断は参謀が行うという王国独特のシステムが機能していた。王家は勝利時は「自らの指導力」によるものとし、失敗時は「臣下の不手際」と責任を回避する慣習がある。そのため参謀は過度な冒険を避け、可能な限り安全な撤退を選ぶ傾向があった。王弟も成果があればよしと了解するのである
こうしてパベル軍は撤退を決断した。しかし戦場での撤退は最も危険な局面の一つである。
(パベル参謀)「殿はシッテライ2万を任せる」
(王家の盾)「は」
【シッテライ上級大将】
防御戦に定評があり王家の盾と呼ばれる
統率 76 武力85 知力 47 政治 32 魅力 73
(パベル参謀)「各将軍は帰還の準備をせよ」
(将軍たち)「は」
外に出ていく面々
数時間後、兵が帰還準備をして整列の中
【夜明け前の撤退準備】
**司令部宿営地**
パベル参謀が兵士たちの前で演説を始める。
(パベル参謀)「我々は第二都市ヒヘルを陥落させ、作戦目標を達成した! これより栄光を抱いて王都に帰還する!」
(兵士たち)「うおおおお!」
熱狂的な歓声が上がる中、参謀は冷静に指示を続ける。
(パベル参謀)「殿軍はシッテライ上級大将が務める! 彼の防壁を越えてくる敵はいない!」
(シッテライ)「任された」
巨漢の大将が無骨にうなずく。
(パベル参謀)「第二都市方面はベルガー家に連絡を入れて敵を王都軍近づけさせないように」
(パベル斥候)「は」
(パベル参謀)「我々はバイチェック軍からの攻撃に注意しつつ、連合軍を回収し帰還、敵から攻撃があった場合は、こちらのほうが兵が多い反撃しても構わぬ」
こうして撤退の段取りが整えられた。参謀の冷静な判断のもと、王都軍は混乱することなく組織的な撤収を開始した。
≪サリバ首都≫
【サリバ参謀の決断】
**サリバ本営会議室**
(サリバ参謀)「追撃しますか?」
若い将校が声を震わせて尋ねた。
(サリバ参謀)「……やめておけ」
老練な参謀は眉間に深い皺を寄せた。机上の地図には赤い×印で「幻獣」「第二都市陥落」の文字が記されている。
(サリバ兵)「なぜですか?敵は撤退中です。追撃すれば……」
(サリバ参謀)「よく聞け」
低い声で断言する。
(サリバ参謀)「我々の『右手』──幻獣が失われたのだ。彼が守っていた右翼は完全に瓦解している。しかも第二都市まで奪われた。我々にとっては致命的な損失だ」
参謀はペンを取りパベル軍がいる位置、地図上の空白を示した。
(サリバ参謀)「一方でパベル軍はどうだ?確かに被害はあるが、ベルガー卿、シュテルツヘイマー卿の代わりはいる。国の規模を考えれば兵の損傷も大したことがない、すぐに体勢を立て直し、逆に我々を攻めてくるぞ」
若い将校が青ざめる。
(サリバ参謀)「追撃などをし、返り討ちにあえば。戦力差が広がる一方だ、むしろここで兵力を温存し、防御体制を固める方が賢明だ」
窓の外で見て。参謀は深いため息をつく。
(サリバ参謀)「来るべき決戦に備えよ。次の一手を誤れば、国そのものが終わる」
4コマ漫画?
【休戦】とりあえず
「なぞなぞ休戦にかかるお金はいくら」
「9千円」
「9千(休戦)にいくら足すと当選する、千円、十千、当選を10回言って始まるもの」
「とうせんとうせんとうせんとうせんとう」




