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いつの時代も魔王は最強……だと思った?
突然だが、私は魔王だ。
名前はメフィスラム・ボルニクス。
平和な日常を愛する、しがない吸血鬼だ。
みんなの思い描いている魔王とは、
・全ての魔族の王
・日々、人族との戦いに見を投じている
・そんな最強であり、故に孤高の存在である
こんな感じのイメージを魔王という存在に持っていたと思う。私も小さい頃はそう思っていた。
……だけど違う!現実は違うんだ!!
実際は《運動神経?》《魔法適正?》何それおいしいの?的な感じだしステータスは人族の子供(7歳)並み、おまけに臆病で引きこもり気質のある、スライムメンタルな吸血鬼、それが現魔王である私の本当の姿なんだ!
魔王の器とは程遠い、いいとこでスライムキング位の器しかないんだ!
ーーだから!
「魔王様。」
ーーだから!!
「勇者軍団が進行してきました。我ら全魔族一同、新たなる魔王メフィスラム・ボルニクス様の初陣のため、全員集結しました。なんなりとご命令ください。」
『我ら魔族は、全て魔王メフィスラム・ボルニクス様のものです。なんなりとご命令を』
そんな重い役割、私に任せないで!!