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英雄達の偽曲~親友に裏切られて全て失ったけど【コスプレ】スキルで世界征服に邁進します~  作者: 最終章
機械仕掛けの休日~王都にて~(異世界転移11ヵ月後)
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第65話:王国の戦士

「かっこつけ過ぎだ、バカめ」



 俺がつぶやく中、民衆は大いに盛り上がっていた。いささかヒーローショーみているが、こういうわかりやすい展開は、万人ばんにんに受ける。


 アキトが舞台にあがったことで、狼藉者ろうぜきもの一掃いっそうされた。これで、終わったかと思われたが。


 投石。


 さきほどソマリを襲った投石が、再び放たれたのだ。それも複数。


 しかも、今度は弓矢も混ざっていた。おそらく弓矢は別の者の仕業だろう。


 到来方向の推定は、なんとかできそうだ。アキトならば、追えるだろうか。


 さて、石や弓矢が放たれているというのに、どうして俺がこんな悠長ゆうちょうにしていられるのか。それは、投石や弓矢が、何の問題もないからだ。


 それらはすべて、空中で止まり、そして、舞台の上にパラパラとこぼれ落ちる。


 アキトは何もしていない。


 彼のスキルではないからだ。


 チートスキル、絶対防御シールド


 空間にシールドを展開させ、物理攻撃を完全に遮断する。ほぼ概念的なもので、いかなる力でも打ち壊せない。


 そんな凄まじいチートスキルの持ち主、イチランは、俺の横で、ははは、と笑って、大声をあげた。



「さぁ、王女を暗殺せんとする狼藉者達の乱入! 一時、騒然となりましたが、()()()()()()()()()()()()と、英雄アキトの登場により、見事! 撃退に成功しました!」


「「「おぉ!」」」



 イチランの進行で、騒動は、ショーの一部として消化された。


 民衆もアキトの登場に安堵あんどしているようで、たった今、殺し合いが行われていたというのに、沸き立っている。


 ここまでは、気持ち悪いくらい、俺の希望通りの展開。あとは、彼女達が、流れに従ってくれれば問題ない。


 イチランも理解して、わかりやすく()()()()()()()()()()()


 俺の期待を受けてか、ソマリが痛そうにしながら、身体を起こした。見たところ、さほど大した怪我でもなさそうだが。


 ゆっくりとソマリが立ち上がろうとしたそのとき、彼女に手が差し伸べられた。



「立ちなさい。私の勇敢な戦士」


「てめ……、王女様?」



 てめぇ、と言いかけたところは聞かなかったことにして、ペルシヤ王女は、ソマリの手をとった。



「さきほどの非礼はびましょう。献身的に私を守る姿勢を見させてもらいました。あなたは、まぎれもなく王国の戦士です」



 民衆から歓声があがる。


 この歴史的な事態を民衆は理解していた。しかし、この場で一人、まゆをひそめている者がいた。


 当人のソマリである。


 いくら展開上、そうせざるをえないからといって、急に王女に認められて、ソマリは困惑していた。



『どうすんの?』



 ソマリは、目で俺の方に尋ねてきた。



『とりあえず一発殴っていいのか?』


『いいわけねぇだろ』 



 俺は、ソマリがペルシヤ王女を殴り倒すという、別の意味で前代未聞の事態を引き起こす前に、ジェスチャーをまじえて、必死に次の動作を伝えた。


 ソマリは、なぜか不服そうにしながら、ペルシヤ王女の手を借りて立ち上がり、そして、王女の足元にひざまずいた。


 ペルシヤ王女は慣れたもので、堂々と立ち、主従関係をはっきりとさせた。


 それは、ソマリの身分を認めることと同義であり、このとき、彼女は獣人で初めて、王国に認められた戦士となったのだった。

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