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英雄達の偽曲~親友に裏切られて全て失ったけど【コスプレ】スキルで世界征服に邁進します~  作者: 最終章
ハバラ基地奪還作戦~ハバラ高地にて~(異世界転移6ヶ月後)
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第42話:ハバラ基地陥落

 変な夢を見た日は、たいていよくないことが起こる。それは、そもそも俺の気分がわるいから、何が起きても嫌な気分になるというのもあるのだが。



「ハバラ高地が制圧された!?」



 ただ、今回の案件はまぎれもなくよくないことだ。よくないなんてものではない。はっきりいって最悪だ。



「それは本当なのか?」


「はい、伝令によれば」



 緊急の会議が開かれ、いったい何が起きたのかと集まってみれば、いきなりの凶報きょうほうに俺は、まだ信じられない思いだった。


 ハバラ高地は、王国と帝国の境にある戦闘的要地をさす。歴史的に戦場となってきた地域であるが、現状、王国が支配している。


 そこが制圧されたということは。



「帝国が攻めてきたのか?」


「そう考えるのが自然かと」


基地きちはどうなった? あそこには、ヌケバシ隊長の部隊が駐屯ちゅうとんしていたはずだろ?」


「ヌケバシ隊長とは連絡を取れていませんが、のがれた隊員の話をまとめると、部隊は壊滅かいめつしています」



 隊長達から、落胆らくたんの声があがった。


 先にも述べたがハバラ高地は要地である。ここを落とされれば、王国の地理的優位がなくなる。そのため、死守すべき地点。


 ゆえに、もっとも実力のあるヌケバシ隊長の部隊が配備されていた。


 帝国でも、ヌケバシ部隊を突破するのは難しいはずだ。大兵力で攻めて来られれば、そのかぎりではないが、そんな大規模な動きを察知さっちできないほど索敵さくてき能力は低くない。


 とすれば、機動力きどうりょくのある小規模部隊で、完全にヌケバシ部隊を圧倒したということだが、そんなことできるのは。



「英雄がらみか」



 セルカーク隊長が、ぽつりとこぼすと皆が黙り込んだ。そこで、俺は話をいだ。



「逃げてきた奴らは、何か言ってなかったのか? どんな攻撃を受けたとか?」


「いえ、ずいぶん混乱しておりまして要領ようりょうません。ただ、突然の襲撃であり、一瞬で基地は制圧されたとのことです」



 その襲撃内容を知りたいのだが、そこまではわからないようであった。


 ただ、このありえない攻略こうりゃく速度から、英雄がからんでいると考えて間違いない。俺として、何が起きたかよりも、誰がやったかの方が気になるところである。



「俺もセルカーク隊長と同意見だ。英雄が絡んでいると考えるのが自然だろ」


「じゃ、英雄には英雄だな」



 俺が告げると、アキトが立ち上がった。



「なぁに。問題ねぇよ。俺が、ちょっくら行って片付けてくる」



 アキトが胸を張ると、おぉ、と隊長達から歓声があがった。


 Sランクのチートスキル持ち。アキトが戦場に出れば、どれだけ強力な部隊であろうと勝てるだろう。


 しかし、俺は反論する。



「だめだ。おまえが出るのは最後だ」


「はぁ? 何でだよ。俺が、成果をあげるのがそんなに気に食わねぇのか?」


「違う。いつも言っているだろ。おまえのチートスキルは確かに強力だ。だからこそ、もしもその力を失ったら、王国は確実に敗北する」


「ふん。そんなヘマはしねぇよ」


「おまえのヘマとは関係なく、チートスキルの特性でやられることがあるって言ってんだ。ルミの『寵愛ゴッドブレス』やサクの『収納コンテナ』のような、力では対処できない特殊なチートスキルがあることはわかっている。おまえがいくら強くたって、捕縛ほばくされる可能性はある」



 仮に、俺が帝国側ならば、まず、アキトを無力化することを作戦目標とする。そうすれば、王国を攻略するのは容易だ。


 

「まだ、帝国にいる英雄たちのチートスキルは把握できていない。軽率けいそつに動かれては困る」


「ちっ、わかったよ」



 アキトは不満そうであったが、渋々(しぶしぶ)と同意した。


 会議の空気は重くなっていた。アキト派閥はばつの奴らが多いせいだ。人は強い奴につく。彼らが、アキトを否定されたと思い、俺に対して不満の色を見せていた。


 今は、それどころではないだろうに。


 

「アキトはなるべく動かしたくないが、事態は一刻いっこくあらそう。今、基地にいるのは、小中規模の部隊だろうが、いずれ主力部隊が来る。そうしたら、圧倒的不利な状態で、帝国との戦争になる」



 できれば、それはけたい。まだ、王国軍もできたばかりで、戦争にえられる力はないのだ。


 にらみ合いの現状を維持するためには、あのハバラ高地はなんとしても奪還だっかんしたい。


 その点は、セルカーク隊長も理解しているようで、すぐさま、おおよその計画を立てた。



「わかりやすく数で攻めよう。機動性のある小規模部隊で、帝国軍を陽動ようどうしつつ、ハバラ高地を包囲ほういして一気に殲滅せんめつする」



 ふむ、わかりやすい。


 こちらの被害を最小限に抑えるための作戦としては、他に思いつかない。


 陽動を行う部隊の負担は大きいが、まぁ、仕方のないリスクだ。作戦のかなめでもあるので、チズルーマの部隊にになってほしいが、こんな危ない任務をってくれるかどうか。


 この貧乏びんぼうくじを誰が引くのか、それがここからの会議の議題だなと俺が、顔をあげると、なぜか、皆の視線が俺に集まっていた。


 え?


 俺は、彼らの視線の意味がはじめわからなかったが、しばらくして、ハッと気づく。


 どうやら貧乏くじを引かされるのは俺と決まっているようだ。

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