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英雄達の偽曲~親友に裏切られて全て失ったけど【コスプレ】スキルで世界征服に邁進します~  作者: 最終章
歪みの果ての暴動~コラット領獣人街にて~(異世界転移1か月後)
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第39話:収納

いてぇぇぇな! しりを打っちまったじゃねぇか!」


「また尻か」


「またって言うな! この変態英雄(ヒーロー)が!」



 尻もちをついているソマリを放っておいて、俺はサクの方に目を向ける。彼は、そつなく着地したようだ。


 外の者達は、まだ何が起きたのかを把握はあくしていないようだった。ただ、2階から落ちてきた俺達に、注目している。


 俺は、犬耳カチューシャを付け直してから、大声で叫んだ。



「王都のスパイだ! バミズが危ないぞ!」



 その言葉の真偽しんぎを確認せずに、あわてて、周囲にいた者は、アジトの中へと駆けこんだ。


 あらかた見張りが中に入っていったところで、俺は、サクに声をかける。



「サク! 今だ! ()()()()()()()()()!」


「オッケー!」



 サクは既に建物に手をかけていた。一拍いっぱく置いて、建物の下に大きな黒いうずが出現する。


 渦は、すーっと音もなく上に昇っていく。渦が通ったところには何もなく、ただの空間が横たわり、渦が建物の天辺てっぺんまで昇りきったときには、そこには平らな土地だけが残っていた。



「収納完了!」



 チートスキル、収納コンテナ


 初めから、俺達の目的は、暴動の首謀者を、サクのスキルで捕獲することだった。


 ただ、首謀者の場所がわからなかったので、知っていそうな奴のいるところに向かって、ちゃんと首謀者バミズの元に辿たどり着き、こうして、一派いっぱごととらえた。



「お疲れ、サク」


「大きさはけっこうぎりぎりだったけどね」



 俺とサクは、思わず笑い合った。



「何て、魔法なんだ!?」



 一人、事情を知らないソマリだけが、座り込んだまま、目を丸くしていた。



「バミズ達は、どうなったんだ? どこに行った? 殺しちまったのか?」


「ううん、殺してはいないよ。僕のスキルで、収納しただけさ。みんな、僕の収納箱の中でぴんぴんしているよ」



 サクの言葉に、ソマリはさらに疑問符ぎもんふを頭の上に浮かべていた。それは、仕方がない。俺でも、収納された奴らが本当に無事なのかは知りようもないのだから。



「俺達が、英雄だって信じたか?」


「あぁ、こっちの女か男かわかんねぇ方は、まぎれもなく英雄だ。顔もきれいだし。でも、おまえは別だ」


「おい」



 まったく。助けてあげたというのに、感謝の気持ちが足りないんだよな。


 まぁ、厳しい決断だったのは理解できる。それを、ソマリにいてしまったのは、すまないと思っている。



「手伝ってくれて、ありがとうな、ソマリ」



 俺は、ソマリに手を差し伸べた。すると、ソマリは、ふんと鼻を鳴らして、俺の手をつかんだ。



「約束は守れよな」


「いや、嫁は、もう少しちゃんと選びたいんだけど」


「そっちじゃねぇよ! 虐殺ぎゃくさつが起こらないようにって話だろ! っていうか、何であたしがふられたみたいになってんだよ。おまえなんて、あたしの方から願い下げだよ!」



 冗談なんだから、そんなに怒らなくてもいいのに。



「まぁ、それはそれとして、サクとソマリには、重大なお知らせがある」



 立ち上がったソマリと、背伸びをするサクに対して、俺は、なるべくかるい口調になるように告げた。



「あと一仕事残っている」


「「え?」」


「ここから逃走することだ」


「まさか、ノープランってことはねぇよな」


「こんなにとんとん拍子びょうしことが進むと思ってなかったからな。さいわい、みんな混乱している。今の内に逃げ切るぞ」


「「うそぉ~!?」」

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