表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄達の偽曲~親友に裏切られて全て失ったけど【コスプレ】スキルで世界征服に邁進します~  作者: 最終章
歪みの果ての暴動~コラット領獣人街にて~(異世界転移1か月後)
30/87

第27話:回想~図書室の妖精~

渦楽うずらくんって、よく図書室に来るわよね」


「何だよ。いいだろ。別におまえの部屋ってわけじゃないんだ」


「そうかしら。ほとんど誰も来ないし、私が選んで仕入しいれた本も多いし、本の並びは全部私が決めているのよ。私の部屋と言っても過言じゃないわ」


「言い過ぎだ、それは。勉強してる奴なら、何人かいるだろ。あいつらは何だ? 居候いそうろうか?」


「うーん、どっちかというとモニュメントかな」


「人を勝手に芸術にカテゴライズするな」


「芸術だなんて、過大評価し過ぎよ」


「粗大ごみとでも言うつもりか?」


「ノーコメント」


「おまえ、本当に性格わるいよな」


「生まれつきよ」


「この世の不条理をなげいてうまれてきたんだな」


「そう、おぎゃあおぎゃあと泣いてね」


「うるさいよ」


「うふふ。で、今は、何を読んでいるの?」


「『西洋中世の衣食住について』だよ。次にやるコスプレの原作が異世界モノで、舞台がこの時代を背景にしているんだ」


「ふーん。私、よく知らないんだけど、そういうのって原作を読み込むものなんじゃないの?」


「それは当たり前だ。けれども原作でわかるのは結果だけ。どうして、そういう文化になったのか、どうして主人公は戦っているのか、そういうところから調べないといいコスプレはできないんだよ」


「そういうものなの? 何だかずいぶん過激派の意見な気がするけど」


「俺なんてかわいいものさ。原作の忠実ちゅうじつ再現以外を認めないっていう原理主義者なんかは、もっと厳しいぞ」


「奥が深いのね、コスプレって」


「業が深いんだよ。まぁ、楽しめれば、それでいいんだ。これは俺の楽しみ方なの」


「あっそ。ところで、そのお楽しみのお仲間達が扉のところで立っているわよ」


「ん? もうそんな時間か。おい、図書委員。この本、借りてくぞ」


「だから、図書委員じゃないんだって」


「じゃ、図書室の妖精か何かなのか?」


「どっちかっていうと地縛霊じばくれい?」


「何でもいいよ。さっさと手続きしてくれ」


「2000円になります」


「いや、金とるのかよ」


「2000円札になります」


「持ってねぇよ。そんなマイナーお札」


「はい、記入したわ。ちゃんと返しに来てね」


「おう」


「そういえばさ」


「何だよ」


「渦楽くんて、どうしてクロって呼ばれてるの?」


「ん? あぁ、これ渾名あだなじゃねぇよ。渦楽久郎うずらくろう久郎くろうっていう名前なんだ。それを縮めてクロって呼ばれてんだ」


「そうなの。猫みたいね」


「そうなんだよ。ペットじゃねぇんだから」


「私も、さ、クロって呼んでいいかな」


「好きに呼べよ。じゃ、またな」


「うん、またね、クロくん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ