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英雄達の偽曲~親友に裏切られて全て失ったけど【コスプレ】スキルで世界征服に邁進します~  作者: 最終章
魔国防衛戦~エドガー湿原にて~(異世界転移9か月後)
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第11話:帰還

「はぁ、結局、手柄は全部アキト様にもっていかれちゃったじゃないかよ」



 王国への帰り道で、ソマリが愚痴ぐちこぼしていた。彼女は彼女で、ちゃんと活躍かつやくしていたと思うが、できれば大将首を獲りたかったというところだろう。


 相手がチート持ちのトーイチロでは、それは一生かかっても無理な話だが。



「いいじゃないですか。あんな化物ばけものと戦って、こうやって生きて帰ってこれたんですから」


「ボンベイは、こころざしが低いんだよ! そんなんだから、うちの部隊はいつまでってもすみっこにしか配置されないんだ」


「いやいや、英雄のクロ隊長がいなければ、獣人の俺達なんて、隅にもおかれませんでしたよ」


「英雄っていってもなぁ。アキト様くらい強ければ、もう少しいい配置につけるんだけど、クロ隊長じゃなぁ」



 うん、この女は人が気にしていることを堂々と言うよね。かげで言われるよりはいいけどね。


 俺の部隊は、実力はあるのだが、性格になんのある者が多い。というより、この世界の構造上、獣人に、そういうひねくれた性格の奴が多いのか。いや、でも、最初の頃は、もう少し気をつかってくれていたような。


 俺の教育がわるかったのか。


 いきなり中間管理職だもんな。世の中年サラリーマンに敬礼けいれい


 まぁ、気楽に実力主義ってのが、いちばんなのではなかろうか、と俺は思考を後回しにした。



「まぁ、そうくさしたものでもありませんよ」



 話に入ってきたのはラブル分隊長であった。俺がかかえている部隊の4人の分隊長の一人である。


 最年長であり、兵士にしては温和おんわで、この部隊の精神的支柱であった。



「この部隊は、他の部隊に比べて兵士の生存率が高いんですよ。それはひとえにクロ隊長が、冷静に状況を判断している結果です」



 うんうん、この人だけだよな。俺の事をめてくれるの。



「それでいて成果もきっちりと出しています。隊長としては申し分ありませんよ」


「ふん、それは私達が優秀だからよ。それに、成果を出しているって言っても、小さい成果ばっかりで、他の部隊みたいに、町を攻め落としたとか、そういう大きい成果はないじゃん」



 ソマリは本当に痛いとかを突くよな。


 それは、この部隊の性質も関係している。俺の部隊は、少人数での陽動ようどうやかく乱がメインの仕事であり、成果が出にくい。


 その辺りを正当に評価してくれればいいのだが、そうもいかず、毎回、隊長会議で苦労させられる。


 まぁ、この手の愚痴を、俺の前で言っている内は大丈夫と思っていいのか。


 その辺りのコミュニケーションのために、俺は部隊をねぎらうことにした。



「よし、戻ったら、とりあえず飲むぞ。俺のおごりだ」


「「「おー!」」」


「ただし、ソマリの分隊は、ソマリにおごってもらえ」


「「「はーい!」」」


「ちょっと! クロ隊長!?」



 いやぁ! 安月給なのに! と叫び声をあげるソマリをかるく笑いつつ、俺は正面の門に目を向けた。


 王国。


 俺達が所属している国だ。長く続く城壁と、その中央にそびえたつ巨大な城。人間の人間による国家である。


 そして、俺達のミッションは、この国で世界を征服すること。そのために、近隣諸国に戦争をしかけ、討伐している。


 女神も言っていたとおり、そもそもが各国をまじえての乱戦のような状態だったため、戦争をしかけること自体はさほど難しくなかった。


 問題となったのは、想定通り、クラスメイトが割り振られた5つの国。


 魔国、帝国、聖国、獣国、そして王国。


 半年間で、些末さまつな小国はいずれかの国に侵略され、この5か国で陣地取りゲームをして、境界線を引き直している。


 

「業が深いよな」


「ん? クロ隊長、何か言った?」


「いや、何でもない。さぁ、着いたぞ。よく生きて帰ったな、おまえら!」


「「「おー!」」」



 とりあえず風呂に入りたいなぁ。


 俺は、みにくい戦争ゲームにいかに勝つかなど、考えなくてはならないことを頭の隅に追いやって、いささか現実逃避しながら、王国城壁の正門をくぐった。

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