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雑文(仮)  作者: 緑
9/12

裸の王女様

ーーーーーーーーーー

♡♡裸の王女様♡♡

ーーーーーーーーーー


主人公の王女様は、あの有名な「裸の王様」の一人娘で、父親がインチキ商人に(だま)されて、

「バカには見ることが出来ない服」

とやらに夢中になっている事に心を痛めていました。


このままじゃいけない!

何とかしなければ。


……でも、どうやって?

王女は、考えた。


無いものを、「無い」と証明するのって、簡単なようで難しい。


たとえば、UFO。

たとえば、つちのこ。


これらを「存在しない」と証明してみせるなんて、ほぼ不可能なことだった。


()るものを「ある」と証明するのなら、その実物を見せて済むのに。


なので、

王女がインチキ商人に立ち向かう時に使うアイテムは、「バカには見えない」と言われていて、王家に伝わる、ハッキリと目に見える、赤いドレスだった。


その赤いドレスによって、王女はインチキ商人を追い出した。


ただ、王様は信じきれていないようだった。

「あまりにもハッキリ見えるとな、どうも、その…」


「じゃあ、城の全員で確かめましょう」

と王女は応えた。


城中の家臣を集め、その赤いドレスを見させた。結果は、誰の目にも見えた。


王様は、安心したように笑い出した。

「なんだ、みんな見えるのか。やはり、ただのドレスじゃないのか?」


王女「そりゃ、まあ、そうかもしれないけど……でも、いいじゃない。あの商人を追い出せたんだから!」


「そうだな」

王様は、苦笑した。


皆が去りかけた時、王女が叫んだ。

「待って! まだ、○男がいないわ」


○男は、お庭番の家臣で、王女とは同じ歳だった。


家臣の一人が、神妙な表情で、王様に耳打ちした。

家臣のうちで、○男だけが「王様は裸だ」と言い張り、反省房に入っていた。


「すぐ連れてこい」

王様は小声で命令した。


その○男が、王女を見ると、顔を真っ赤にし「わー」と訳がわからない奇声をあげて、走り去った。


「変なの」

王女は、つぶやいた。


ーーーーーーーーーーーーーー

<数日後>

やり直しのパレードには、王女も参加した。


前回とは違い、街中の人達が、晴れ晴れとした笑顔で声援を送った。


ただ一人、旅人姿の○男が、

「王女様は、裸だ」と呟いた。

<終>

ーーーーーーーーーーーーーー

<蛇足編>


○男は旅に出た。もう王女のそばには、居られない。いてはいけないと思った。


ある時、森で迷い、「魔法使いの村」という嘘臭い名前の村にたどり着いた。


その村で、○男は魔法が本当に存在するのだと知った。そして、王女が裸に見えたのも、魔法のせいだと気づいた。


城に帰りたい!


だが、また王女が、あのドレスを着たらどうすればいい?


その村で、裸に見えなくなる特殊なメガネを手に入れた。

[○男ハ、色眼鏡ヲ、GET]


ところが、戻っても、退職扱いになっていて、○男は城には入れなかった。


復職するには、採用試験を受けねばならない。

受験科目は、小論文だ!


作文には、2種類がある。

・「机にリンゴがある」と、見たまま書けばいいの。

・「遠足は楽しかった」と嘘を書かされるもの。


○男は、「遠足…」が苦手。


ドキ ドキ ドキ

<問題:机には何があるか>

ヤツタ ラッキー


注:バカには見えないリンゴ


え?

え? えーーーっ!


<終>

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<補足>

机の上には何もなくて、ただ注意書きの紙があるだけだった。


その紙には、

[ 注:これは、バカには見えないリンゴ ]

と書かれていた。


はたして、合格するには、

「何もない」と書くべきか「リンゴがある」と書くべきか。


物語は振り出しの「裸の王様」に戻った感じ。


<終>

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【終】

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