二次 01
ドラクエ8に似ているような
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[小説 最初 1]
王様:トロデ
馬姫:ミーティア
道化師:ドルマゲス
主人公:エイト
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・城 広間
道化師「初めまして王様。今日は、私めの手品を御覧いただきたいと思います」
パチパチ、手品に喜ぶ王様
王様「さすがマスター・ライラスの御弟子さんだ。見事な手品であった。今夜は城で、ゆっくりされるがよい」
・深夜、主人公が中庭で警備していると、城内から騒がしい音がする。
・窓を破り、宙に浮く道化師
城の兵達は、道化師が放つ光によってバタバタと倒されていく。
数名の屈強な近衛兵が、魔法で応戦すると、それまで余裕で笑っていた道化師の表情から笑みが消えた。
なんと道化師は、3体に分身した。
道化師「やりますね。でも、そこまでです」
残りの兵も、倒れた。
そして主人公も気を失った。
「おい、大丈夫か?」
主人公が顔を上げると、化物のような男が、主人公を覗きこんで言った。
その不細工な男は、じつは王様で、姫様は馬にされていた。
「どうやら無事だったのは、3人だけのようだな」
王様は言う。
粗末な戦闘服を着た主人公が、呆然とうずくまっていると……。
何と王様は、納屋から馬車を出して旅のしたくを始めた。
「おーい、お前も手伝え」
奥に行くと、大きな釜を積めと命令した。
その釜は錬金釜で、
たとえば2個の薬草を入れてグツグツ煮ると、1個の上薬草になるのだという。
薬草1個は、8G。
上薬草1個は、88G。
8G+8G→88Gで、72Gの儲け。
王様「これさえあれば何とかなるわい。…今は壊れているがな」
そんなチビた小銭で、どう、何とかなるのか? 聞いていて気が遠くなった。
王様「朝になったら、ワシ達は出発する。
お前が、行く行かないは、……お前の自由だ。せっかく助かった命だからな」
・明け方、王様は馬車で熟睡していた。
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<旅立ち>
王様「ワシら、2人だけのようだな」
馬姫「……」
王様「すまんな」
馬姫「ひひ~ん」
2人が歩いていくと、
正門の脇で、旅姿の主人公が立っていた。
<終>
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[師弟の日常]
師匠:マスター・ライラス
弟子:ドルマゲス
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弟子「ただいま戻りました」
師匠「遅かったな」
弟子「すみません」
師匠「で、酒は?」
弟子「買いました」
師匠「…何だこれはっ!」
弟子「缶酎ハイです」
師匠「見れば解る」
弟子「ビールが売り切れで」
師匠「缶酎ハイなら、9%ストロングだと言ってあるだろ、ドルマゲス」
弟子「…はあ」
師匠「6%梅酒味なんて…」
弟子「すみません」
師匠「………」
弟子「師匠?」
師匠「いいなあ、梅酒味も」
弟子「何か良い事があったのですか?」
師匠「喜べ。もう少しで薬が完成しそうなのだ」
弟子「あの"魔術師の素"ですか?」
師匠「そうなのだよ。これさえあれば」
弟子「誰でも、魔術師」
師匠「薬さえ完成すれば」
弟子「いったい何年かかるんですか?」
師匠「ま、まあな」
弟子「かれこれ」
師匠「お前も飲むか?」
弟子「いえ、私は」
師匠「たまには、付き合え」
弟子「いえ、それより魔法の修行を」
師匠「酒を飲むのも修行なんだぞ」
弟子「じゃあ、1杯だけ」
師匠「よし」
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<1時間後>
弟子「ヒック、ウ"~」
師匠「もう、そろそろ」
弟子「まだ飲み始めたばかりでしょうがぁ」
師匠「う、う~ん」
弟子「ところで師匠」
師匠「なんだ?」
弟子「いつになったら、魔法を教えてくれるんですか」
師匠「教えてるだろ」
弟子「は~ん? あーんなのは、ただの手品ですよ手品」
師匠「基本とは、物足りなく感じるものなんだ」
弟子「基本ねえ」
師匠「たとえ下らないと」
弟子「伝説の7賢者の末裔が、基本・基本って、ご先祖様も嘆くよ」
師匠「………」
弟子「師匠ほどの方が、愚民どもに馬鹿にされて悔しくないんですかっ!」
師匠「おい」
弟子「今に見てろよ、愚民どもめー」
師匠「もう飲むな」
弟子「俺はね、師匠のために、言ってんですよ」
師匠「解った」
弟子「いーや。解ってねえ!」
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<翌朝>
弟子「お、お早うございます」
師匠「おはよう」
弟子「あの、昨夜なんか言いましたか?」
師匠「いや、特に」
弟子「……そうですか。今日は何を?」
師匠「掃除でも」
<終>
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[酒 漫画編]
弟子「ところで師匠、いつになったら漫画の描き方を教えてくれるんですか?」
師匠「教えているだろう」
弟子「ドット絵ですか?」
師匠「そうだ」
弟子「はあーん? あんなのは絵とは言いません。記号、単なる記号」
師匠「何なら、いいんだ?」
弟子「本当の漫画は、こう凄い原稿」
<別の日・本棚の前>
弟子「はあ、師匠のアシスタントになって、もう何年にもなる」
棚の本を見る。
弟子「毎日毎日、消しゴムかけか、ベタ塗りばかり。
締め切りに余裕があるときは、デジカメで何か撮ってこいと家から追い出される」
別の本を手にして、
弟子「ん? 集中線の引き方。これだ!」
「紙の裏から画ビョウを刺し、テープで固定、針に穴のあいた専用定規をセットすると、狂いのない集中線が引ける」
「8時間だけ働き、残りの16時間は遊んでいる。
まず寝る時間を削れば2倍。その他も削れば3倍強くなれる」
弟子「なるほど」
師匠「こらっ! 何を見ている。その本は、まだ早い」
<終>
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【終】