矛盾a3
【矛盾、いろいろ】第3回(全4回)
現実社会というものは、矛盾していて、息苦しい。その点、スポーツの世界は、解りやすくていいですね。速く走れる者が勝ち、ヒットを数多く打てる者がヒーローになれる。現実社会のような根回しなんてものは、いっさい関係がない。すべて実力の世界です。
強い者が勝ち、弱い者が負ける。 単純明快。わかりやすくていい。ところが人間とは不思議なもので、互角な者同士を組ませたがる。しかも、それで勝敗を決めろという。 強い者が勝ち、弱い者が負ける。それでいいように思うのですが、なにゆえ、勝敗が決まりにくいように、わざわざ実力が同じ者同士を組ませるのか。………矛盾しています。
まあ、気にせず次にいきましょう。 野球は、細い棒で小さなボールを打ちます。しかも、打たれないように、わざと速く投げたり、かと思うと曲げたりする。変化球というそうです。姑息なスポーツですね。
その野球。お金持ちの球団に、将来性がある新人が集まるのは矛盾しているそうです。お金持ちに人が集まるのは当然で、なんの矛盾もしてないのですが、矛盾しているらしい。なので公平にクジ引きになりました。ところが、新人君たちは、好きなところへ行けないという矛盾に苦しんだのです。
そうしてみると、野球と違って、テニスはいいですね。打つところがフライパンのように大きい。親切なスポーツです。なので好きなだけ打ち続けていればいいように思うのですが、なるべく相手に打たせないように、続けさせないようにした方が勝ちだという。せっかくラケットを大きくしたというのに、もったいない話です。
サッカーは、手を使うなという。足でボールを蹴る。手は何に使うのでしょう。相手を殴るためか、それとも服をつかむために残しておくのか。「奥の手」というやつですね。
ラグビーでは手が使えるのですが、ボールが変な形です。 矛盾した現実社会では、こういったスポーツのバカバカしい矛盾に、いい大人が血眼になって真剣に熱くなれるのが、きっと爽快なんでしょうね。
漫画の神様、手塚治虫先生が、照明のせいで、ライオンを白色に塗り間違えたのは有名です。白なんてライオンとしては矛盾しています。ところが手塚先生は、白いライオンということにして、見事に矛盾を回避したのです。さすが漫画の神様。でも、その後、白ライオンは、白色の矛盾に悩み続けたのでした。
<本文 終>
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(^_^) [作者]
手塚先生が「白いライオン」ということにした。
……そういうのを言いたいだけの文章です。
ハハ……申し訳ない。
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【終】