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砂漠の世界  作者: 牧田祐樹
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二話ここではないどこか

どれくらい歩いただろうか。三分くらいだろうか。体感ではそう感じる。しかし、体感で感じただけで長い距離を歩いたかもしれない。

前に壁と門が見えた。街だ。僕は思った。その街の門に着いた。門は木と硬そうな木の板が横向きにつけられていて頑丈そうだった。

「商人か。お前は誰だ?」

白い布を頭に巻き、目だけ見える装備と槍、銅が混じった鎧を体と足に纏った門番が言った。

「オアシスを探していたんです。ずっと歩いていたらここにいました」

僕は言った。淡々と言葉を並べる神父みたいに。いや、神父は強弱をつけて話すかもしれない。たしか、家族は宗教に入っていた。僕は入っていなかったが。家族は十字架に張り付けられた人を神とあがめる宗教を毛嫌いしていた。僕は宗教は胡散臭いものだと思っている。神は弱い人間が作り出した産物ととある哲学者が言っていたかもしれないし言っていないかもしれない。情報が曖昧だ。


「そうか。オアシスをさがしていたのか」

安堵の口調で門番が言った。何か切羽詰まった雰囲気が門番から感じ取れる。

「なにか、問題でもおこっているんですか?」

淡々と述べる口調で言った。

「ああ。最近富裕層の家からお金が盗まれる事件が多発していてな困っているんだ」

気分が下がっている口調で門番が言った。

「ああ、それは大変ですね」

淡々と述べる口調で言った。僕は視点を木のでかい門を見た。僕がいた時代に門はなかった。そして視点を変え門番を見た。それはローマ帝国の兵士が身に着けている装備だった。時代が変わったのか、いや古代の世界に迷い込んでしまったかもしれない。

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