宿に泊まったら無人の町に放り込まれて出口を探すことになりました
俺、小石川貴久は日本生まれのごく普通の男子高校生だった。
そんな俺は特殊能力(チート能力)の関係上監視……らしい女神様が俺の方にフクロウの縫いぐるみとしてのったり時々本体に変わったりしている。
今回は新たなこの世界の仲間であるこの世界の姫様(お忍び)と一緒に、ある観光地に来ていた。
そして、たまたまぶつかった少女が持っていたリンゴを拾ってあげた所、おすすめの宿を紹介してもらえた。
だが宿に入ってすぐにセレナが、あの少女はわざとぶつかってこなかったか? と疑問を呈する。
俺はまさか、と答えていたものの、実のところそれは正解だった。
案内された宿の机の上には、紙とペンが置かれており、四つ折りにされたその紙の上には、
『“外来物”を“封印”するのはやめろ。さもなくば“死”を与える』
といったような、何処かで聞いたことがあるような文が書かれていた。
“外来物”を封じられると困ると思っている人物たちに、俺達は気づかれたらしい。
別に隠していなかったが、ばらばらに怒っていたこれまでの出来事がどこかでつながっていたと確信できる出来事だった。
しかもこの謎の紙は、“外来物”関係の物であったらしく、紙を開いて読んだ瞬間から発動するようだった。
それからやけに周りが静かになったようだ、と気づいて探す未知から建物から全てそのままで人の実が完全に消えていた。
女神様にこの状況について聞いた所(この世界そのものを作り出したのは女神様だから)、精巧にこの今回俺達がやってきた街を再現しているらしい。
しかも女神様が作っている空間の“外”に存在しているそうだ。
どうもこれらは“外来物”によって作られた、“複製”の街であるらしい。
ただ、この“外来物”で作れるのはこの町の範囲位であるようだった。
理由は、この町の終わりの部分に行けば外との接点が分かるのでは、といった話になったがそこには何もなく、画像がブレるように建物が存在しているだけだった。
女神様が言うには、この辺りが“世界創造”の関係で“劣化コピー”でしかないという。
なんでも既存の物、それもごく少ない範囲でしか、しかも“劣化”させた状態でしか作ることのできない魔道具であったらしい。
もともと外界からの侵略といった事をするのは、この“世界創造”能力が“劣る”から、というのも理由の一つらしい。
そしてそんな無人の町で、敵がどういった存在か分からない以上どこまで力を使おうか様子見ということもあって散策し、魔物などにも時折襲われながら脱出方法を探していく。
結果として、一番初めの宿の紙が必要なのではとなり、それに向かっていくとこの場所のボスのようなものと遭遇する。
大きな体と牙を持つ怪物だが、それがその一番初めの紙を守るようにしていたこと、そしてそれを破られることを気にしているようだったので、その怪物を倒してそれを破りこちらの世界に戻ってくる。
それから宿の主人にこの宿に前に泊まっていたのはどういった人物かを聞くと、そのリンゴを拾ってあげた人物に特徴がよく似ていた。
こうして、ただの観光が何か別のものに巻き込まれているようだと俺は思ったのだった。




