一年に3回行われる例のイベント
太郎は何げなくニュースをテレビで見ていた。
それは多くのコスプレイヤーをうつしていた。
こういうのに反応しそうな自分の妻はどうしているのだろう。
毎年年末年始は家にいる気がする。
画面のうつるコスプレイヤーとやらは、様々な恰好をしていて、その元ネタを見ていて楽しいのだろう
「花ちゃんは、コミケって行かないの?」
自分に対する問いかけに対し、なんだと思ったのだろう。
怪訝そうな顔をしながらテレビをみて納得したようだ。
「太郎さんの実家に帰るから、毎年あきらめていた」
「じゃあ、夏のは?」
年に3回、ビックサイトでやるとネットニュースで調べた太郎はすかさず質問した。
「夏もあなたの実家へ帰るのが優先されるからあきらめてた」
「春のはあなたが忙しそうにしているから、いいだせなかった」
ぐうの音が出ない。
すべて自分がからんでいるのかと太郎は頭を抱えた。
申し訳なさがにじみでるが、頑張って笑顔を作ろう。
「これからはコミケのスケジュールが決まったら教えて?たまにはいってくるもの楽しいんじゃない?」
太郎の話をきいても花子はにこりともしない。
「あぁ、それ無理。だいたいあなたの母親が予定を決めてあけろと電話来るじゃない」
それはトドメだった。
自分の母親をもってこられると、母親が苦手な太郎はどうすることもできず、
母親の言いなりになってしまい、妻に我慢をしいるのが、これまでのパターンだったのだ。
一体どうしたらよいのだろう。
太郎の頭に一つの懸案事項が残ってしまった。