2-9 ミルディア・グレネ・ラペイレット
ミルディア・グレネ・ラペイレット
・プロフィール
種族:妖精
所属:レテノア王国
性別:女
身長:171cm 体重:57kg
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:B 幸運:E
イースイルの妹、ネビューリオの姉。ただし二人とは違い、妾腹の生まれである。
華やかで妖艶な美貌を持つ、大輪の薔薇のような王女。才気煥発で弁舌も立ち、時に大胆に行動し、社交界ではあらゆる男を魅了する。政治的手腕も周りから認められるだけのものは持っている、完璧な王女である――ただ一つ、妖精としての才能を除いては。
妖精の王は、王族の中でも優れた癒しの力を持つ者がその座に就く。けれど彼女の母は正妃ではなく、彼女自身も正妃の子のような才能は持たなかった。王子のスペアでさえないはずだった彼女が野心を抱くようになったのは、全て彼女の母親が与えた呪いのようなもの。野心家であった母が王にすり寄ったのは実家であるグレネ家がかつて失った地を取り戻すためだ。王の権力を利用してグレネ家を隆盛させ、かつての栄光を取り戻す――それを実現するために娘にも同じ野望を抱くように教育を施した。そして正妃の子供たちに、敵意を抱くようにも。
されど彼女はどうしても、できなかった。正統なる王子、兄への憎悪は確かに育った。グレネ家のために全てを利用してでもことを成す気概も育った。けれど姉のことを心から信頼し、ただの姉妹であるかのように笑顔を向けてくる、聖女のような妹に対しては――終ぞその毒を向けることは叶わない。
ミルディアを歪ませたものの彼女にとっての慈愛の象徴であった母は、早くに失っている。そのためか、ミルディアは気に入ったものに対しては執着心を見せる。それが他人のものであったなら、略奪も厭わない。逆に興味を抱くもの以外は、チェスの駒以下の扱いをする。
・スキル
治癒:C
人を癒す魔法の血は妖精らしい能力ではあるが、その効力の程は、王族に生まれたものとしては平凡すぎるものだった。
悪逆:B
幼い頃より刷り込まれた母親の呪いの愛。彼女は母の愛を買うために、母の望むものになろうとした。愛をくれるはずの母を失った彼女は、妄執にとりつかれるようにして、グレネ家の悲願を達成するためにあらゆる政敵を謀略によって殺し尽くす。